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セスキ炭酸ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セスキ炭酸ナトリウム

sodium sesquicarbonate

識別情報
CAS登録番号 533-96-0
特性
化学式 Na3H(CO3)2·2H2O
モル質量 190.00
外観 固体(白色結晶粉末)
密度 2.112 g/cm3 (二水和物)
融点

>70 (分解)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

セスキ炭酸ナトリウム(セスキたんさんナトリウム、: sodium sesquicarbonate[1])は、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と炭酸水素ナトリウム重曹)が複塩として共存し安定している状態のアルカリ剤を指す通称[1]テトラトリタ炭酸ナトリウム[2]セスキ炭酸ソーダ[1]と呼ばれることもある。

名称

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セスキはラテン語に由来する化学用語で3/2(1.5)の意味であり、sodium carbonate(炭酸ソーダ)とsodium bicarbonate(重炭酸ソーダ、重曹)を半分ずつ合わせてその中間に位置するものという意味である[3]

化学的性質

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水溶性のある結晶で、常温で長期間変質しない[1]pHは9.6〜10(5%水溶液)[1]油脂乳化させ、タンパク質を分解する性質を持つ[1]

自然界にはトロナと呼ばれる鉱石として土中に存在し、世界各国で採掘されている[1]

利用・用途

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工業上はウール木綿の洗浄に用いられる[3]。また、洗剤入浴剤、またはそれらの原料としても用いられる[3][4]

家庭用では皮脂汚れ襟元の黄ばみなどの汚れの洗濯、キッチン等の油汚れの下処理、血液などのタンパク質汚れに対する汚れ落としなどに利用される[1]。家庭で掃除などに使う目的で水に溶かした液剤は俗に「セスキ水」と呼ばれる[5]

ただし、機械油や化粧品が原因の油汚れ、頑固な汚れ、衣類等のシミの漂白には不向きである[1]

アルカリ性でタンパク質を分解する性質があるため、手荒れしやすい人が用いる場合はゴム手袋を着用する[3]。また、吸湿すると固くなってしまう性質がある[3]

「アルカリウォッシュ」[6]という名称で市販されていることもある。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i 生活と科学社『アルカリと酸で洗う本 -洗濯と掃除、そしてキッチン』せせらぎ出版、2011年、2頁。 
  2. ^ AGC 重炭酸ナトリウム
  3. ^ a b c d e 生活と科学社『アルカリと酸で洗う本 -洗濯と掃除、そしてキッチン』せせらぎ出版、2011年、3頁。 
  4. ^ 石鹸百科 セスキ炭酸ソーダとは生活と科学社
  5. ^ 【すっきり生活】壁紙 お手入れでさっぱり/油汚れにセスキ水・重曹水『日本経済新聞』土曜朝刊別刷り「NIKKEI+1」2020年5月30日12面
  6. ^ アルカリウォッシュとは地の塩社

関連項目

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