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リン酸水素二ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リン酸水素二ナトリウム
リン酸水素二ナトリウムの構造式
リン酸水素二ナトリウムの構造の球棒モデル{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 7558-79-4 チェック, 10028-24-7 (2水和物) ×, 7782-85-6 (7水和物) ×, 10039-32-4 (12水和物) ×
PubChem 24203
ChemSpider 22625 チェック
UNII 22ADO53M6F チェック
EC番号 231-448-7
E番号 E339(ii) (酸化防止剤およびpH調整剤)
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1060 チェック
RTECS番号 WC4500000
特性
化学式 Na2HPO4
モル質量 141.96 g/mol (無水物)
268.07 g/mol (7水和物)
外観 白い結晶性の固体
匂い 無臭
密度 1.7 g/cm3
融点

250 °C, 523 K, 482 °F (分解)

への溶解度 7.7 g/100 ml (20 °C)
11.8 g/100 mL (25 °C, 7水和物)
溶解度 アルコールに不溶
log POW -5.8
酸解離定数 pKa 12.35
屈折率 (nD) 1.35644..1.35717 at 20°C
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1129
主な危険性 刺激性
NFPA 704
0
1
0
引火点 不燃性
半数致死量 LD50 17000 mg/kg (ラット、経口)
関連する物質
その他の陰イオン 亜リン酸水素二ナトリウム英語版
その他の陽イオン リン酸水素二カリウム
リン酸二アンモニウム
関連物質 リン酸二水素ナトリウム
リン酸三ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

リン酸二ナトリウム (Disodium phosphate:DSP)またはリン酸水素二ナトリウム (sodium hydrogen phosphate)は、化学式Na2HPO4で表される無機化合物である。3種類あるナトリウムのリン酸塩英語版の中の1つである。この塩は、無水物と2、7、8、12の水和物が知られており、全て水溶性の白い粉末である。無水物は吸湿性がある[1]

酸・塩基としての性質 

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リン酸水素二ナトリウムの溶液のpHは8.0から11.0の間であり、弱塩基である。

調製と反応

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リン酸水酸化ナトリウム中和すると得られる。

工業的には次の2つのステップを経て合成される。まず リン酸水素カルシウム英語版硫酸水素ナトリウムを反応させ、リン酸二水素ナトリウムと硫酸カルシウムを作る[2]

次に、それを水酸化ナトリウムで部分的に中和する。

利用

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リン酸水素二ナトリウムは食品中のリン酸ナトリウムと水の軟化剤を混合するために用いられる。食品内ではpH調整剤として用いられる。コンデンスミルクの調整時に、牛乳が凝固するのを防ぐ働きがある。また同様に、固化防止剤としても用いられる[3]。例えばプリンなどのデザートで調理時間を短くするために用いられるクリーム・オブ・ウィート英語版や、 ジェル-O英語版インスタント・プリン英語版増粘安定剤として用いられている。また、洗剤中の カルシウムが固まって目詰まり英語版するのを遅らせる効果もある[2]

リン酸水素二ナトリウムを加熱すると脱水縮合し、二リン酸ナトリウム英語版が得られる。

リン酸水素ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムは便秘を治したり、大腸内視鏡検査の前にをきれいにしたりするために経口腸管洗浄剤として用いられる[4]

脚注

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  1. ^ Physical data (pdf)
  2. ^ a b Klaus Schrödter, Gerhard Bettermann, Thomas Staffel, Friedrich Wahl, Thomas Klein, Thomas Hofmann "Phosphoric Acid and Phosphates" ウルマンの産業化学百科事典英語版 2008年 ウィリー-VCH英語版 ヴァインハイム. doi:10.1002/14356007.a19_465.pub3
  3. ^ MSDS
  4. ^ Sodium Phosphate, Dibasic, Sodium Phosphate, Monobasic Oral solution - Krames Online