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スルーセブンシーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スルーセブンシーズ
第41回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス
(2023年3月11日 中山競馬場)
欧字表記 Through Seven Seas[1]
香港表記 遊遍汪洋
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2018年4月8日(6歳)[1]
抹消日 2023年12月27日
ドリームジャーニー[1]
マイティースルー[1]
母の父 クロフネ[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)キャロットファーム[1]
調教師 尾関知人美浦[1]
競走成績
生涯成績 14戦4勝[1]
中央:13戦4勝
海外:1戦0勝
獲得賞金 2億3185万8700円[2]
中央:1億9170万4000円[1]
フランス:28万5500ユーロ[3]
WBRR L118 / 2023年[4]
勝ち鞍
GIII 中山牝馬S 2023年
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スルーセブンシーズ(欧字名:Through Seven Seas2018年4月8日 - )は、日本競走馬[1]2023年中山牝馬ステークスの勝ち馬である。

馬名の意味は、七つの海を越えて。父名、姉名(パッシングスルー)より連想。世界中での活躍を願って[2]

戦績

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2歳 - 4歳(2020年 - 2022年)

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一口馬主法人キャロットファームから総額1,800万円(一口45,000円×400口)で募集された[5]

2020年9月19日、中山競馬場第5レースの2歳新馬戦(芝1800m)で、鞍上クリストフ・ルメールにてデビューし勝利。

明け3歳は3月28日の1勝クラス・ミモザ賞で2勝目を挙げた。初の重賞・初のGI挑戦で出走した5月23日の優駿牝馬は9着。9月11日の紫苑ステークスは道中中団に控え、直線内から馬群の間を抜け出し2着に好走。姉パッシングスルーに続く姉妹制覇はならなかったものの、秋華賞の優先出走権を手にした[6]。10月17日の秋華賞本番は終盤失速し11着大敗に終わる。

4歳シーズンは3月6日の3勝クラス・湾岸ステークスで5か月ぶりにレースに復帰。6月19日のマーメイドステークスは単勝2番人気に支持されたが、見せ場なく10着に沈んだ。8月20日の3勝クラス・日本海ステークスで2着に敗れた後は再び休養に入った。

5歳(2023年)

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1月21日の3勝クラス・初富士ステークスで約5か月ぶりにレースに復帰。道中は折り合い良く中団を追走し、直線で鋭い末脚を繰り出して先行各馬を差し切りゴール。約1年10か月ぶりの勝利を飾るとともに、オープン入りを果たした[7]

3月11日の中山牝馬ステークスは道中中団で脚をため、直線外に持ち出して先頭へ。最後は内で食い下がるストーリアに対して1と1/4馬身差をつけ、前走の初富士ステークスから2連勝での重賞初制覇を飾った[8][9][10][11]

6月25日、2年前に出走した秋華賞以来のGI挑戦となる宝塚記念に出走。ルメールはイクイノックスに騎乗したため、池添謙一との新コンビで臨んだ。道中は最後方に控え、抜群の手ごたえで4コーナーを回った。直線で前が詰まって内に切り替えるロスがあったものの、そこから上り最速の末脚で勝ち馬イクイノックスにクビ差まで肉薄し、10番人気の低評価を覆す2着に好走した[12][13]

10月1日、鞍上をルメールに戻して、かねてより参戦を表明していた凱旋門賞に出走。道中は後方に控えると、直線では馬群を縫うように脚を伸ばし、日本調教馬としては2013年のオルフェーヴルキズナ(2着・4着)以来の掲示板入りとなる4着に入った[14][15][16]。この4着という結果は、日本の牝馬としては2014年ハープスター(6着)を上回る最高成績となった[注 1]

その後12月24日の有馬記念に臨んだが12着と大敗。その翌日に左トモ脚の管に腫れが見られ、レントゲン検査を実施したところ、第4中足骨の骨折が判明。半年近くの休養が必要と診断されたことから、このレースを最後に現役引退、繁殖入りが決定した。12月27日付でJRAの競走馬登録を抹消された[17][18]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[19]、JBISサーチ[20]およびFrance Galop[21]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2020.09.19 中山 2歳新馬 芝1800m(良) 15 3 4 003.20(1人) 01着 R1:52.5(34.9) -0.2 0C.ルメール 54 (インナリオ) 426
2021.01.05 中山 3歳1勝クラス 芝2000m(良) 11 3 3 004.10(3人) 03着 R2:01.5(35.3) -0.2 0戸崎圭太 54 ワンデイモア 446
0000.03.28 中山 ミモザ賞 1勝 芝2000m(重) 10 8 10 002.50(1人) 01着 R2:03.4(35.7) -0.4 0C.ルメール 54 (スウィートブルーム) 434
0000.05.23 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 18 1 2 038.30(9人) 09着 R2:25.2(34.9) -0.7 0戸崎圭太 55 ユーバーレーベン 428
0000.09.11 中山 紫苑S GIII 芝2000m(良) 18 1 1 010.20(4人) 02着 R1:58.5(34.3) -0.3 0大野拓弥 54 ファインルージュ 430
0000.10.17 阪神 秋華賞 GI 芝2000m(良) 16 1 1 030.20(7人) 11着 R2:02.3(37.1) -1.1 0大野拓弥 55 アカイトリノムスメ 430
2022.03.06 中山 湾岸S 3勝 芝2200m(良) 16 7 13 004.80(2人) 03着 R2:12.5(35.2) -0.1 0横山武史 54 キングオブドラゴン 452
0000.06.19 阪神 マーメイドS GIII 芝2000m(良) 16 1 1 006.70(2人) 10着 R1:59.6(35.3) -1.3 0秋山真一郎 52 ウインマイティー 446
0000.08.20 新潟 日本海S 3勝 芝2200m(稍) 13 7 10 004.80(3人) 02着 R2:14.4(34.5) -0.0 0戸崎圭太 55 ロバートソンキー 454
2023.01.21 中山 初富士S 3勝 芝2000m(稍) 14 4 6 006.20(2人) 01着 R2:01.0(35.1) -0.2 0T.バシュロ 56 (ルドヴィクス) 444
0000.03.11 中山 中山牝馬S GIII 芝1800m(良) 14 5 8 003.70(2人) 01着 R1:46.5(33.8) -0.2 0C.ルメール 54 (ストーリア) 448
0000.06.25 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 17 3 6 055.7(10人) 02着 R2:11.2(34.6) -0.0 0池添謙一 56 イクイノックス 446
0000.10.01 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(BS)[注 2] 15 5 9 022.00(8人)[注 3] 04着 02:25.94(33.30) -0.44 0C.ルメール 58 Ace Impact 計不
0000.12.24 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 8 15 006.50(3人) 12着 R2:31.8(35.4) -0.9 0池添謙一 56 ドウデュース 456
  • 海外の競走の「枠番」欄はゲート番を記載
  • 海外のオッズ・人気は現地主催者発表のもの(日本式のオッズ表記とした)

血統表

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スルーセブンシーズ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系

ドリームジャーニー
2004 鹿毛
北海道白老町
父の父
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
北海道白老町
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ *ディクタス
ダイナサッシュ
父の母
オリエンタルアート
1997 栗毛
北海道白老町
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート *ノーザンテースト
*グランマスティーヴンス

マイティースルー
2006 芦毛
北海道安平町
*クロフネ
1998 芦毛
アメリカ
*フレンチデピュティ Deputy Minister
Mitterand
*ブルーアヴェニュー Classic Go Go
Eliza Blue
母の母
*スルーオール
1990 鹿毛
アメリカ
Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Over All Mr. Prospector
Full Tigress
母系(F-No.) (FN:8-h) [§ 2]
5代内の近親交配 ノーザンテースト:5×4(父内) [§ 3]
出典
  1. ^ [25]
  2. ^ [25]
  3. ^ [25]

脚注

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注釈

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  1. ^ 詳細は当該ページを参照
  2. ^ 馬場状態の発表は「Bon Souple」[22]。これをJRAは「稍重」と発表した[23]馬場状態#芝馬場参照。
  3. ^ オッズ・人気はフランス場外馬券発売公社のもの[24]。日本国内では、単勝オッズ8.3倍の4番人気であった。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o スルーセブンシーズ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年6月25日閲覧。
  2. ^ a b 競走馬情報 - スルーセブンシーズ”. 日本中央競馬会. 2023年10月22日閲覧。
  3. ^ 2023 凱旋門賞(G1)の登録要綱”. 2023年10月1日閲覧。
  4. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
  5. ^ キャロットクラブ -CARROT CLUB- スルーセブンシーズ”. 株式会社キャロットクラブ. 2023年6月25日閲覧。
  6. ^ “ファインルージュが前哨戦制し本番へ”. SPAIA競馬. (2021年9月11日). https://spaia-keiba.com/news/detail/14636 2023年3月11日閲覧。 
  7. ^ “【初富士S】スルーセブンシーズが1年10か月ぶりV 尾関調教師「胸を張って牝馬重賞戦線へ」”. netkeiba.com (株式会社ネットドリーマーズ). (2023年1月21日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=220202 2023年3月11日閲覧。 
  8. ^ 【中山牝馬S】スルーセブンシーズが重賞初制覇!連勝でタイトルゲット」『スポーツニッポン』2023年3月11日。2023年3月11日閲覧。
  9. ^ 【中山牝馬S】ルメール騎手のスルーセブンシーズが重賞初制覇 5度目の挑戦でタイトル奪取」『スポーツ報知』2023年3月11日。2023年3月11日閲覧。
  10. ^ 【中山牝馬S結果】スルーセブンシーズが中団追走から抜け出す 3勝クラスから連勝で重賞初V」『netkeiba.com』2023年3月11日。2023年3月11日閲覧。
  11. ^ 【中山牝馬S】スルーセブンシーズ重賞初V ルメール騎乗では3戦全勝」『サンケイスポーツ』2023年3月11日。2023年3月11日閲覧。
  12. ^ 【宝塚記念】スルーセブンシーズは〝世界一〟にクビ差届かず グランプリ男・池添が悔やんだワンシーン”. 東スポ競馬. 東京スポーツ新聞社 (2023年6月25日). 2023年6月26日閲覧。
  13. ^ 【宝塚記念】10番人気スルーセブンシーズ “世界1位”とクビ差2着も池添悔しさ露わ”. スポニチアネックス. スポーツニッポン新聞社 (2023年6月25日). 2023年6月26日閲覧。
  14. ^ 競馬 凱旋門賞 日本から出走のスルーセブンシーズは4着”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (NHK) (2023年10月2日). 2024年2月15日閲覧。
  15. ^ 【凱旋門賞2023】中山牝馬S覇者のスルーセブンシーズ、宝塚記念から凱旋門賞挑戦へ”. 競馬HEADLINE(2023-04-19). 2023年10月3日閲覧。
  16. ^ 【凱旋門賞】スルーセブンシーズ健闘4着 エースインパクトが無敗戴冠!!”. 毎日新聞(2023-10-01). 2023年10月3日閲覧。
  17. ^ スルーセブンシーズが競走馬登録抹消 - JRAニュース(日本中央競馬会)2023年12月27日
  18. ^ スルーセブンシーズが引退、繁殖入り 宝塚記念2着、凱旋門賞4着 有馬記念後に骨折が判明 - 東スポ競馬 2023年12月27日
  19. ^ スルーセブンシーズの競走成績”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年10月1日閲覧。
  20. ^ スルーセブンシーズ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月1日閲覧。
  21. ^ THROUGH SEVEN SEAS JPN”. フランスギャロ. 2023年10月1日閲覧。
  22. ^ QATAR PRIX DE L'ARC DE TRIOMPHE”. フランスギャロ. 2023年10月1日閲覧。
  23. ^ 2023凱旋門賞(G1)の結果”. 日本中央競馬会. 2023年10月1日閲覧。
  24. ^ 凱旋門賞2023出馬表”. JRA - VAN Ver. World. 2023年10月1日閲覧。
  25. ^ a b c 血統情報:5代血統表|スルーセブンシーズ”. JBISサーチ. 2023年3月12日閲覧。

外部リンク

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