ジャングロ
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
ジャングロ | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022年マーガレットS | |||||||||
欧字表記 | Jean Gros[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡[1] | ||||||||
毛色 | 黒鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2019年3月2日(5歳)[1] | ||||||||
父 | More Than Ready[1] | ||||||||
母 | Goodbye Stranger[1] | ||||||||
母の父 | Broad Brush[1] | ||||||||
生国 | アメリカ合衆国[1] | ||||||||
生産者 | Nursery Place & Partners[1] | ||||||||
馬主 | 藤田晋[1] | ||||||||
調教師 | 森秀行(栗東)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 12戦4勝[1] | ||||||||
獲得賞金 |
1億217万4000円[1] (2023年10月8日現在) | ||||||||
|
ジャングロ(欧字名:Jean Gros、2019年3月2日 - )は、アメリカ生産、日本調教の競走馬[1]。2022年のニュージーランドトロフィーの勝ち馬である。
馬名の意味は、JRAの競走馬情報には「人名より」と登録されているが、実際には高級ワイン、ドメーヌ・ジャン・グロが由来である[2]。藤田は自身のInstagramで「今年の2歳は全員ワインの名前になっている。勝利に備えてドーヴネやジャン・グロのワインを確保しようとしたら希少すぎて全然手に入らず、もっとポピュラーなワイン名にすればよかったと少し後悔している」と投稿している[3]。
デビュー前
[編集]2019年3月2日、アメリカ合衆国にて誕生[1]。父は2000年にキングズビショップステークスを勝ったモアザンレディ。母の父は1986年にウッドメモリアルステークスなどG1を4勝したブロードブラッシュである。全兄に2016年の米G2ウッディスティーヴンスステークスなど重賞3勝を挙げたTom's Readyがいる[4]。
戦績
[編集]2歳(2021年)
[編集]8月22日、小倉競馬場芝1200mにて武豊鞍上でデビュー[5][6]。3枠4番からのスタート。道中先頭集団でレースを進めるが3着に終わった。
次走は1週間後の8月29日の未勝利戦。浜中俊に乗り替わり、コースも芝からダートに変更。二番手でレースを運んだが2馬身離されて2着[7]。
3戦目は、2か月の休養を取り10月24日の未勝利戦。舞台が阪神に替わり、武が再び騎乗、コースも芝に戻し、距離も伸ばした。このレースからハナを取る走方になった。4コーナーでママコチャに先頭を取られまたもや2着[8]。
4戦目は、前走から3週あけて出走。鞍上は引き続き武豊。単勝オッズ1.8倍と高い人気を集め4戦目にして初勝利を飾った[9]。レースは、逃げ切り勝ちで2着とは3馬身1/2差であった[10]。
中1週空けて5戦目、1勝クラスのベゴニア賞に出走。距離は1600mに延長し、疲れもあるのか6着で終わった[11]。
6戦目は、前走から2週空けオープン特別の中京2歳ステークスに出走。単勝オッズは3.6倍の2番人気に推された。初勝利と同じく逃げ切り勝ち。2着のウインマーベルとは3馬身1/2差で走破タイムの1:08.4は2016年にショウナンマッシブが記録したタイムを0.1秒縮めるレコード勝ちだった[12][13]。
3歳(2022年)
[編集]7戦目は、2月27日のマーガレットSに1番人気支持されて出走。逃げ馬が多くスタートから激しい先行争いの中、5走ぶりに控える形に追走。直線で好位からスパートをかけ、1馬身半差つけて連勝[14][15]。
8戦目、初重賞競走にNHKマイルカップのトライアル競走であるニュージーランドトロフィーが選ばれた。人気はシンザン記念で勝利を挙げたマテンロウオリオン、3歳1勝クラス勝利のティーガーデンに続いて3番人気で出走。また、2戦目となるマイル戦となった。好スタートでハナを奪うと、最終直線でマテンロウオリオンが迫って叩き合いになるも見事3連勝で重賞制覇を飾った[16][17]。馬主藤田晋にとっても初重賞制覇となった。レース後のインタビューで武は、「一旦マテンロウオリオンに出られましたが、差し返しました。」と勝負強さを語った[18]。
9戦目は、5月8日のNHKマイルカップに出走。東京ということもあり距離が不安視される中、スタートでゲートにぶつかり出遅れ最後方からの競馬となった。道中位置を上げずに直線に入ると外に持ち出し、上がり二位タイの33.8秒の脚で追い込むも0.6秒差の7着に敗れた[19]。
9月7日、スプリンターズステークスの前哨戦、セントウルステークスに出走予定だったが、左前脚の捻挫により出走回避した[20]。
4歳(2023年)
[編集]年が明け1月4日に再入厩した後は、主にプール調教を中心として調整を進めた。当初は目標が定まっていなかったが、7月30日のアイビスサマーダッシュが復帰戦に決定、実に1年3カ月ぶりの出走となった[21]。本番では新たに戸崎圭太騎手を鞍上に迎え出走。真ん中3枠から先団に取り付いたが、そのまま弾けずシンシティとの同着6着となった[22]。レース後、森秀行調教師は「隣の2頭がゲート内で悪く、あおられて、出がもうひとつになってしまった。もう少しゲートを出れていれば、最後まで踏ん張れたと思うが、長期休養明けのなかよく頑張ってくれた」とコメントした[23]。
アイビスサマーダッシュ後は在厩で調整を進め、鞍上を武豊に戻してセントウルSに出走。本番はゲートで若干の出負けや、外から切れ込んできたテイエムスパーダ、ボンボヤージらの影響を受けた結果位置が下がり、中団前目の内で足をためながらの追走となった。直線では中ほどまで前が開かずに追い出しが遅れ、6着入線となった[24]。レース後武は、「(スタートを)出たらハナを狙っていたけど1歩目が速くなかった。それでも道中の感じは悪くなかった。直線は伸びそうだったがスパッと切れなかった」とコメントした[25]。
その後はスプリンターズステークスへ出走すべく調整を続けていたものの除外となり、翌週のオパールステークスに目標を切り替え、出走した。レースでは大外から三番手につけ、リズムよくレースを進めた。直線に入るといったんは先頭に並びかけたが、残り100メートルを過ぎたあたりから急激に失速し、キャリア初の二桁着順となる14着に大敗した[26]。
競走成績
[編集]以下の内容は、JBISサーチ[27]およびnetkeiba.com[28]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021. 8.22 | 小倉 | 2歳新馬 | 芝1200m(稍) | 14 | 3 | 4 | 6.3 (3人) | 3着 | 1:10.1(35.3) | 0.3 | 武豊 | 54 | タイセイブリリオ | 452 | |
8.29 | 小倉 | 2歳未勝利 | ダ1000m(良) | 9 | 8 | 9 | 3.5 (2人) | 2着 | 59.3(36.6) | 0.4 | 浜中俊 | 54 | ケイティソルジャー | 446 | |
10.24 | 阪神 | 2歳未勝利 | 芝1400m(良) | 16 | 3 | 6 | 7.2 (3人) | 2着 | 1:21.3(35.4) | 0.4 | 武豊 | 55 | ママコチャ | 448 | |
11.13 | 阪神 | 2歳未勝利 | 芝1400m(良) | 16 | 1 | 2 | 1.8 (1人) | 1着 | 1:22.2(36.4) | -0.6 | 武豊 | 55 | (パーサヴィアランス) | 454 | |
11.28 | 東京 | ベゴニア賞 | 1勝 | 芝1600m(良) | 8 | 4 | 4 | 12.7 (6人) | 6着 | 1:34.9(34.8) | 0.2 | 武豊 | 55 | レッドラディエンス | 458 |
12.18 | 中京 | 中京2歳S | OP | 芝1200m(良) | 9 | 7 | 7 | 3.6 (2人) | 1着 | R1:08.4(34.7) | -0.6 | 武豊 | 55 | (ウインマーベル) | 454 |
2022. 2.27 | 阪神 | マーガレットS | L | 芝1200m(良) | 13 | 5 | 7 | 2.8 (1人) | 1着 | 1:08.0(34.4) | -0.2 | 武豊 | 56 | (ショウナンマッハ) | 464 |
4. 9 | 中山 | NZT | GII | 芝1600m(良) | 11 | 6 | 6 | 7.0 (3人) | 1着 | 1:33.5(34.7) | 0.0 | 武豊 | 56 | (マテンロウオリオン) | 460 |
5. 8 | 東京 | NHKマイルC | GI | 芝1600m(良) | 18 | 7 | 13 | 14.5 (6人) | 7着 | 1:32.9(33.8) | 0.6 | 武豊 | 57 | ダノンスコーピオン | 464 |
2023. 7.30 | 新潟 | アイビスSD | GIII | 芝1000m(良) | 18 | 3 | 6 | 6.2 (4人) | 6着 | 0:55.5(33.3) | 0.6 | 戸崎圭太 | 58 | オールアットワンス | 468 |
9.10 | 阪神 | セントウルS | GII | 芝1200m(良) | 15 | 3 | 5 | 5.2 (3人) | 6着 | 1:07.6(33.5) | 0.4 | 武豊 | 57 | テイエムスパーダ | 462 |
10. 8 | 京都 | オパールS | L | 芝1200m(良) | 18 | 8 | 17 | 6.5 (3人) | 14着 | 1:09.1(35.2) | 1.0 | 武豊 | 57.5 | メイショウゲンセン | 470 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
- 競走成績は2023年10月8日現在
血統表
[編集]ジャングロの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 More Than Ready 黒鹿毛 1997 アメリカ |
父の父 *サザンヘイロー鹿毛 1983 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Northern Sea | Northern Dancer | |||
Sea Saga | ||||
父の母 Woodman's Girl鹿毛 1990 |
Woodman | Mr. Prospector | ||
*プレイメイト | ||||
Becky Be Good | Naskra | |||
Good Landing | ||||
母 Goodbye Stranger 鹿毛 2003 アメリカ |
Broad Brush 鹿毛 1983 |
Ack Ack | Battle Joined | |
Fast Turn | ||||
Hay Patcher | Hoist the Flag | |||
Turn to Talent | ||||
母の母 Prime Investor黒鹿毛 1996 |
Deputy Minister | Vice Regent | ||
Mint Copy | ||||
Starushka | Sham | |||
What a Treat | ||||
母系(F-No.) | 8号族(FN:8-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Turn-to 5×5・5, Northern Dancer 4×5, Cherokee Rose、Sequoia 5×5 | [§ 4] | ||
出典 |
- 主な近親はレアパフューム#主要なファミリーラインを参照。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “ジャングロ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年4月9日閲覧。
- ^ “藤田晋×競走馬×ワインでひもとく【3】神の領域!〜ドーブネ編〜”. 東スポ競馬. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “Instagram”. www.instagram.com. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “Tom's Ready(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年3月16日閲覧。
- ^ “藤田晋オーナーが改めて“Make debut” 武豊騎手鞍上で新馬2頭が初陣 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “2歳新馬|2021年8月22日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “2歳未勝利|2021年8月29日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “2歳未勝利|2021年10月24日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “【阪神3R】藤田晋氏所有 ジャングロが人気に応える(競馬のおはなし)”. Yahoo!ニュース. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “2歳未勝利|2021年11月13日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “ベゴニア賞|2021年11月28日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “【中京2歳S】藤田晋氏所有のジャングロ2歳コースRで快勝!”. サンスポZBAT!競馬 (2021年12月18日). 2022年2月1日閲覧。
- ^ “報知杯中京2歳S|2021年12月18日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “【マーガレットS結果】米国産馬ジャングロが控える競馬で完勝”. netkeiba.com. 2022年2月27日閲覧。
- ^ “マーガレットS|2022年2月27日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年3月1日閲覧。
- ^ “ジャングロ逃げ切って3連勝 藤田晋オーナーの所有馬が重賞初制覇”. ライブドアニュース. 2022年4月9日閲覧。
- ^ “【ニュージーランドT】ジャングロ 逃げ切って3連勝!「ウマ娘」で話題の藤田オーナーが重賞初制覇 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年4月9日閲覧。
- ^ “【ニュージーランドTレース後コメント】ジャングロ武豊騎手ら | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年4月9日閲覧。
- ^ “NHKマイルカップ|2022年5月8日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2023年7月24日閲覧。
- ^ “ジャングロが捻挫でセントウルS回避 森師「年末に復帰できれば」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年9月10日閲覧。
- ^ “【アイビスSD】ジャングロ迫力満点!坂路で好時計4F51秒1、1年3カ月ぶりも快速健在 - WIN!競馬”. www.winkeiba.jp. 2023年7月27日閲覧。
- ^ “アイビスサマーD|2023年7月30日 | 競馬データベース - netkeiba.com. - netkeiba”. netkeiba.com. 2023年9月10日閲覧。
- ^ “【アイビスSD】1年3か月ぶりの復帰戦だったジャングロは6着同着 森秀調教師「もう少しゲートを出ていれば」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年10月12日閲覧。
- ^ “産経賞セントウルS|2023年9月10日 | 競馬データベース - netkeiba.com. - netkeiba”. netkeiba.com. 2023年10月12日閲覧。
- ^ “【セントウルS】ジャングロ6着 武豊が敗因分析「直線は伸びそうだったが…」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年10月12日閲覧。
- ^ “夕刊フジ杯オパールS|2023年10月8日 | 競馬データベース - netkeiba.com. - netkeiba”. netkeiba.com. 2023年10月12日閲覧。
- ^ "競走成績:全競走成績|ジャングロ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年2月1日閲覧。
- ^ "ジャングロの競走成績". netkeiba. ネットドリーマーズ. 2022年2月1日閲覧。
- ^ a b c "血統情報:5代血統表|ジャングロ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年2月1日閲覧。
- ^ a b "ジャングロの血統データ". 競馬ラボ. DO Innovation. 2022年2月1日閲覧。
- ^ a b c "ジャングロの血統表". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2022年2月1日閲覧。