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ジベンジリデンアセトン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジベンジリデンアセトン
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識別情報
CAS登録番号 538-58-9 チェック
PubChem 1549622
ChemSpider 1266463 チェック
特性
化学式 C17H14O
モル質量 234.29 g/mol
示性式 (C6H5CH=CH)2CO
外観 黄色の固体
融点
  • Aldrich 104–107 °C (trans,trans 体)
  • Merck 60 °C (cis,trans 体)
沸点

130 °C (cis,cis 体) *Merck

への溶解度 溶けない
危険性
主な危険性 刺激性
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジベンジリデンアセトン (dibenzylideneacetone) とは、有機化合物の一種で、芳香族ケトンジベンザルアセトンとも呼ばれる。cis,trans 体とcis,cis 体も存在するが、通常trans,trans 体を指す。遷移金属への配位子として、dba と略称される。

合成

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アセトン1分子とベンズアルデヒド2分子とを、塩基の作用により脱水縮合(クライゼン・シュミット縮合)させると、淡黄色の結晶として得ることができる[1]

性質

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Pd(dba)2、Pd2(dba)3•CHCl3 など、パラジウム(0) と安定な錯体を作る。それらの錯体はさまざまなパラジウム(0) 化合物への前駆体として、錯体合成、あるいは触媒反応などで多用される。パラジウムと同族の金属であるニッケル白金1,5-シクロオクタジエン (cyclooctadiene, COD) を配位子とする0価錯体 Ni(cod)2、Pt(cod)2 が安定な化合物として知られるのに対し Pd(cod)2 は非常に不安定であるため、Pd2(dba)3 がしばしばその代替品として用いられる。

紫外吸収スペクトル

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  • trans,trans体 λmax 330nm, ε 34,300
  • cis,trans体 λmax 295nm, ε 30,300
  • cis,cis体 λmax 287nm, ε 11,000[2]

出典

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  1. ^ Conard, C. R.; Dolliver, M. A. Org. Synth., Coll. Vol. 2, p. 167 (1943); Org. Synth., Vol. 12, p. 22 (1932). リンク
  2. ^ Merck Index 10th.edition