サダソウ属
サダソウ属 | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Peperomia Ruiz & Pav., 1794[1] | ||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||
Peperomia pellucida (L.) Kunth, 1816[2] | ||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
サダソウ属、ペペロミア属 | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
radiator plant[2] | ||||||||||||||||||
下位分類 | ||||||||||||||||||
14亜属1,600種ほど[3]
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1,600種ほどが知られる大きな属であり、世界中の熱帯から亜熱帯域を中心に分布しているが、特に中南米に多い。日本にはサダソウとシマゴショウ[注 1]の2種が自生し、ウスバスナゴショウが帰化している。観葉植物として栽培される種が多く、「ペペロミア」と総称される。
特徴
[編集]ふつう常緑多年性ときに一年性の草本であり、直立するものから匍匐するものまであり、着生植物となるものも多い[1][4][5][6](下図1a–c, 2)。植物体はしばしば多肉質であり、またときに腺点をもつ[1][4][5][6]。茎の維管束は散在する[1][4]。葉は互生、対生または輪生する[1][4][5][6]。単葉で全縁、葉脈は掌状、葉柄をもち、ときに盾状(葉柄が裏面につく)、托葉を欠く[1][4][5][6]。
非常に小さな花が密について細長い穂状花序を形成する[1][4][5](上図1n, c, 下図d, e)。花序はふつう直立し、頂生または腋生、まれに葉に対生する[1][4][5]。ときに花序が束生する[1][4](下図1d)。例外的に、Peperomia fraseri は分枝した総状の白く目立つ花序を形成する[7](下図1f)。花はふつう両性、花被を欠き、小苞はしばしば円形で盾状、無柄でしばしば花序軸に埋没している[1][4][5][6]。雄しべは2個、花糸は短く、雌しべの子房基部につく[1][4][5][6]。雌しべは1個、子房は1室、基底胎座にふつう1個の直生胚珠がつく[1][4][5][6]。
果実は小さな球形の核果であるがやや乾燥しており[注 2]、中果皮は薄い[1][6]。ほぼ球形の種子を1個含む[1][6]。果実が粘液や突起で動物に付着することで種子散布される[8]。
分布
[編集]世界中の熱帯から亜熱帯域を中心に、北米南部から南米、アフリカ、マダガスカル、アラビア半島、南アジアから東アジア、東南アジアからオーストラリア北部に分布する[1]。特に中南米で多様性が高く、着生植物として生態的に重要な構成要素である[8](右図2)。
日本では、四国・九州から沖縄にサダソウ、小笠原諸島にシマゴショウがそれぞれ自生している[6]。
人間との関わり
[編集]多くの種が観葉植物として利用され、「ペペロミア」と総称される[5][9][10][11][12](下図3a)。斑入りなどさまざまな品種も作出されている[10](下図3b, c)。株分け、挿し芽、葉挿しによって増やす[10][11][12]。葉緑体の無い細胞からは栄養繁殖ができないため、斑入りの品種は葉挿しにすると斑が消えてしまう[要出典]。耐寒性が低いため、日本ではふつう室内で育てる[11][12]。腐植質で水はけのよい土を用いる[10][11][12]。比較的乾燥に強いが、過湿に弱い[11][12]。一般的に、強すぎる光も弱すぎる光も好まない[11][12]。病虫害としては、細菌病、疫病、ハダニ、カイガラムシによるものがある[10][11]。
ペペロミアの花言葉とは、「艷やか」や「可愛らしさ」、「片思い」[11]。
ウスバスナゴショウ(Peperomia pellucida)(上図3d)は南米原産であるが東南アジアなどで野生化しており、ベトナムなどでは香辛料として茎を生食する[9]。また一部の種は、皮膚病やぜんそく、腫瘍に対する生薬として利用される[9]。
主な種
[編集]- サダソウ(サタソウ)(Peperomia japonica Makino, 1901) … 四国、九州、南西諸島、台湾に分布[6]。
- シマゴショウ[注 1](Peperomia boninsimensis Makino, 1901) … 小笠原諸島(父島、母島、南硫黄島)に分布[6]。
- ウスバスナゴショウ(Peperomia pellucida (L.) Kunth, 1816) … 南アメリカ原産であるが、日本を含む世界中の熱帯から亜熱帯域に広く帰化している[6]。
- シマアオイソウ(Peperomia argyreia (Hook.f.) É.Morren, 1867) … 南アメリカ北部からブラジルに分布。ハート型の葉に銀灰色と緑色の縞模様がある。別名スイカペペロミア。
- チヂミバシマアオイソウ(Peperomia caperata Yunck., 1958) … ブラジルの熱帯雨林原産。ハート型の葉に深いひだが寄る。
- ペペロミア・オブトゥシフォリア(Peperomia obtusifolia (L.) A.Dietr., 1831) … メキシコから南アメリカ北部と西インド諸島に分布。葉は肉厚で楕円形。覆輪や絞りが入った園芸品種もある。
ギャラリー
[編集]-
Peperomia caperata 'Red Ripple'
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x “Peperomia”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b “Peperomia Ruiz & Pav.”. Tropicos v3.3.2. Missouri Botanical Garden. 2022年8月13日閲覧。
- ^ Frenzke, L., Scheiris, E., Pino, G., Symmank, L., Goetghebeur, P., Neinhuis, C., ... & Samain, M. S. (2015). “A revised infrageneric classification of the genus Peperomia (Piperaceae)”. Taxon 64 (3): 424-444. doi:10.12705/643.4.
- ^ a b c d e f g h i j k l “Peperomia”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Peperomia”. Flora of North America. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 米倉浩司 (2015). “コショウ科”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 55–56. ISBN 978-4582535310
- ^ Remizowa, M., Rudall, P. J. & Sokoloff, D. (2005). “Evolutionary transitions among flowers of perianthless Piperales: inferences from inflorescence and flower development in the anomalous species Peperomia fraseri (Piperaceae)”. International Journal of Plant Sciences 166 (6): 925-943.
- ^ a b Stevens, P. F.. “PIPERACEAE”. Angiosperm Phylogeny Website. 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b c 堀田満 (1997). “サダソウ”. 週刊朝日百科 植物の世界 9. 朝日新聞社出版. pp. 54. ISBN 9784023800106
- ^ a b c d e “ペペロミア”. みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “ペペロミアの育て方”. GreenSnap (2022年4月27日). 2022年8月13日閲覧。
- ^ a b c d e f “ペペロミアの育て方”. LOVEGREEN. 2022年8月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- “Peperomia”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2022年8月13日閲覧。(英語)
- “Peperomia”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年8月13日閲覧。(英語)
- “Peperomia”. Flora of North America. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2022年8月13日閲覧。(英語)