コナミのピンポン
ジャンル | スポーツゲーム |
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対応機種 |
MSX 対応機種一覧
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開発元 | コナミ開発3課 |
発売元 | コナミ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | ロムカセット |
発売日 |
1985年5月 1985年 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
その他 | 型式:RC731 |
『コナミのピンポン』(KONAMI's PING-PONG)は、1985年5月に日本のコナミから発売されたMSX用スポーツゲーム。
卓球をモチーフにしており、画面上には手首とラケットのみ表示されるシステムとなっている。MSXにおいて展開されていた『コナミのボクシング』や『コナミのテニス』などのスポーツゲームシリーズの1つでもある。
MSX版の発売からおよそ1か月後にアーケードゲームとしても稼働され、1986年には欧州にてAmstrad CPC、コモドール64、ZX Spectrumに移植、1987年にはファミリーコンピュータ ディスクシステムに移植された。MSX版は後にPlayStation用ソフト『コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1』(1997年)やセガサターン用ソフト『コナミアンティークス MSXコレクション ウルトラパック』(1998年)に収録された他、2006年にはWindows用ソフトとしてi-revoにて配信された。ディスクシステム版はバーチャルコンソール対応ソフトとして2008年にWii、2015年にWii Uにてそれぞれ配信された。
ゲーム内容
[編集]プレイヤーは手首とラケットのみが表示され、その他の部分は全て省略されている。ボールの軌道や効果音などはPSGながら性能の限られた当時のハード上でリアルに再現されている。また、ラケットの左右移動は自動で行われるため、タイミングさえ合えば比較的簡単にラリーの応酬が続けられる。上手くスマッシュが決まると拍手や口笛が飛ぶ。2人プレイも可能。タイトル画面と観客席には『けっきょく南極大冒険』(1983年)のペンギンが登場しており、プレイヤーの勝敗に応じて喜んだり泣いたりする。
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | コナミのピンポン | 1985年6月 |
アーケード | コナミ開発1課 | コナミ | 業務用基板 (48.53キロバイト) |
- | |
2 | Konami's Ping Pong | 1986年 |
Amstrad CPC コモドール64 ZX Spectrum |
Imagine Software | Imagine Software | フロッピーディスク | - | アーケード版の移植 |
3 | スマッシュピンポン | 1987年5月30日 |
ディスクシステム | コナミ開発2課 | 任天堂 | ディスクカード片面 | FMC-PPN | アレンジ移植 販売:16万本[1] 書き換え:31万回[1] |
4 | コナミゲームコレクションVol.4 スポーツコレクション |
1989年4月 |
MSX | コナミ | コナミ | 3.5インチフロッピーディスク | - | 廉価版 |
5 | コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1 |
1997年11月20日 |
PlayStation | KCET | コナミ | CD-ROM | SLPM-86052 | MSX版の移植 |
6 | コナミアンティークス MSXコレクション ウルトラパック |
1998年7月23日 |
セガサターン | KCEY | コナミ | CD-ROM | T-9530G | MSX版の移植 |
7 | コナミのピンポン | 2006年7月27日[2][3] |
Windows | コナミ | アイレボ | ダウンロード (i-revo) |
- | MSX版の移植 |
8 | コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1 |
2006年11月22日 |
PlayStation Portable PlayStation 3 (PlayStation Network) |
コナミ | コナミ | ダウンロード (ゲームアーカイブス) |
- | MSX版の移植 |
9 | スマッシュピンポン Smash Table Tennis |
2008年11月25日[4][5] 2009年7月17日 |
Wii | コナミ | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ファミリーコンピュータ版の移植 |
10 | スマッシュピンポン | 2015年3月18日[6] |
Wii U | コナミ | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ファミリーコンピュータ版の移植 |
11 | ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online |
2020年12月18日[7][8] |
Nintendo Switch | 任天堂 | 任天堂 | ダウンロード | - | ファミリーコンピュータ版の移植 |
- ファミリーコンピュータ版
- ファミコンディスクシステム用に『スマッシュピンポン』とタイトルを変更して1987年5月30日に移植発売された。尚、本作の開発はコナミだが、販売元は任天堂という形体となった為、タイトル画面のキャラクターのペンギンはディスくん(ディスクシステムのマスコットキャラ)に変更され、観客席のペンギンはドンキーコング(クランキーコング)に変更されている。また、ゲーム中には「イン」「アウト」など審判(女性)の音声や、ブレイクタイムにディスくんのダンスなども追加された。
- Wiiのバーチャルコンソールにて2008年11月25日より、Wii Uのバーチャルコンソールにて2015年3月18日より、それぞれ配信開始。また、『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』にて2020年12月18日より配信開始。
- MSX版
- 1989年4月にMSX用の3.5インチDISKの『コナミゲームコレクションVol.4 スポーツコレクション』内に「コナミのピンポン」が収録された。
- PlayStation、セガサターン版
- 『コナミアンティークスMSXコレクション』(PlayStation、セガサターン、PlayStation Portableゲームアーカイブス)には、MSX版が収録されている。
- I-revo版
- 2006年よりI-revoにおいてMSX版が配信された。過去に家庭用ゲーム機やパソコン向けに発売されたソフトをオンラインでレンタルもしくは購入し、同時に提供される専用エミュレータ上でプレイするというサービスであった。2011年3月31日でサービスは終了した。
評価
[編集]評価 | ||||||||||||||||||||||
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- MSX版
ゲーム本『美食倶楽部バカゲー専科外伝 謎のゲーム魔境3』においてゲームクリエイターのゾルゲ市蔵は個人的評価を65点(満100点)とした上で、「よくできた良作」と本作を称賛した他、表示されるのがラケットを握った手の部位のみである事に関して「斬新でいい感じ」と肯定的に評価した[15]。
- アーケード版
ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』(1991年)の紹介文では、ラケットを持つ手の部位のみが表示される事に関して「不気味なゲームだった」と指摘しているが、「カットやドライブ、スマッシュと多彩なプレイができた」とゲーム内容に関しては肯定的に評価した[16]。
- ファミリーコンピュータ版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・9・9・9の合計35点(満40点)でプラチナ殿堂を獲得した[17][12]。レビュアーからは卓球のテクニックやスピード感の再現性に関して、「実にうまく再現されていてすばらしい」など絶賛された[17]。
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、15.23点(満25点)となっている[13]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ファミコンディスクカード オールカタログ」では、卓球という単純なルールのスポーツと操作性の良さによって「だれでも簡単に楽しむことができる」と本作を肯定的に評価した[13]。また、コートチェンジの際にディスクカードが盆踊りを踊る事やゴリラが喜ぶなどの演出面に関して、「卓球というスポーツにある独特な暗さを、なくそうと努力している」と肯定的に評価した[13]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 2.69 | 2.46 | 3.21 | 3.45 | - | 3.42 | 15.23 |
- ゲーム誌『ユーゲー』では、ラケットを持つ手をプレイヤーが動かす必要がない事や、プレイヤーは球を打ち返すタイミングだけを見計らってボタンを押すというゲームシステムに関して、「スポーツをゲームにするには操作の単純化が必要とはいえ、ずいぶんと思い切ったものだ」と称賛した[14]。また上級者となると球が見えなくなるほどの高速ラリーが展開される事に対して、「このスピード感こそが本作の魂」と指摘した他、「球を打ち返すまでのわずかな一瞬に、すべてが凝縮されているのだ」と主張した[14]。
脚注
[編集]- ^ a b 「ディスクライター 書き換えゲーム全カタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第5巻第12号、徳間書店、1989年7月7日、67頁。
- ^ 村松健至 (2006年7月27日). “i-revo、「パワーテニス」と「コナミのピンポン」のオンライン対戦版” (日本語). BB Watch. インプレス. 2020年2月2日閲覧。
- ^ “i-revoゲームオンライン対戦に「パワーテニス」と「コナミのピンポン」登場” (日本語). ねとらぼ. アイティメディア (2006年7月27日). 2020年2月2日閲覧。
- ^ “『ロックマン3』や『オウガバトル』がバーチャルコンソールに!” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2008年11月4日). 2020年2月2日閲覧。
- ^ “「バーチャルコンソール」&「Wiiウェア」11月25日配信作品” (日本語). iNSIDE. イード (2008年11月25日). 2020年2月2日閲覧。
- ^ 津久井箇人 a.k.a. そそそ (2015年3月11日). “Wii Uバーチャルコンソール3月18日配信タイトル ― 『スマッシュピンポン』『デビルクラッシュ』『もじぴったんアドバンス』など5本” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年2月2日閲覧。
- ^ “【12月18日追加】『ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン Nintendo Switch Online』追加タイトル公開。” (日本語). 任天堂 (2020年12月15日). 2020年12月16日閲覧。
- ^ “『くにおくんのドッジボールだよ全員集合!』『スーパードンキーコング 3』なと5タイトルが12/18より“ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン Nintendo Switch Online”に追加” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2020年12月15日). 2020年12月16日閲覧。
- ^ “Ping Pong for Amstrad CPC (1985)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年3月25日閲覧。
- ^ a b c “Ping Pong for Commodore 64 (1986)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年3月25日閲覧。
- ^ a b c “Ping Pong for ZX Spectrum (1986)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年3月25日閲覧。
- ^ a b “スマッシュピンポン まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年12月4日閲覧。
- ^ a b c d 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、81頁。
- ^ a b c 「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、56頁、雑誌17630-2。
- ^ a b ゾルゲ市蔵「コナミMSX全リスト」『美食倶楽部バカゲー専科外伝 謎のゲーム魔境3』キルタイムコミュニケーション、2002年5月10日、158 - 179頁。ISBN 9784860320218。
- ^ 「ビデオゲーム フルリスト」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、175 - 216頁、ASIN B00BHEECW0。
- ^ a b 『ファミコン通信』第12号、アスキー、1987年6月12日。