コゲラ
コゲラ | |||||||||||||||||||||||||||
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木に留まるコゲラ
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Dendrocopos kizuki Temminck, 1836[2] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
コゲラ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Japanese Pygmy Woodpecker Pygmy Woodpecker | |||||||||||||||||||||||||||
亜種 | |||||||||||||||||||||||||||
コゲラ(小啄木鳥、学名:Dendrocopos kizuki[4]あるいは Yungipicus kizuki[5])はキツツキ目キツツキ科に分類される鳥類の1種。英名は “Japanese Pygmy Woodpecker” で[5]、日本にいる小さなキツツキの意。
形態
[編集]全長15 cm[6][7](13-15 cm[8][9]) で、スズメと同じくらいの大きさ。翼開長は約27 cm[7]。体重18-26 g[8]。日本に生息するキツツキとしては最も小さい。オスよりメスがやや大きい。灰褐色と白のまだら模様の羽色をしている。南方に分布するものほど体色が濃くなる傾向がある。雌雄の羽色の違いは後頭部にある赤い斑の有無(雄にある)程度だが、野外ではほとんど見えないため、羽色で雌雄を区別することは困難なことも多い。足には前指2本と後指2本がある[10]。
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雄の後頭部の羽根には赤い斑がある
生態
[編集]天然林から雑木林や都市公園内の樹木など、木立のある場所ならば普通に観察される[11]。本来は平地から山地の林に生息する鳥であるが、近年は都市の近郊にも定着しており、市街地に近い街路樹や人家の庭木、公園の樹木などでもよく見られる。1980年代以降、東京などの都市部でも繁殖するようになった[11]。
つがいや家族がいっしょにいることが多く、お互いの確認をするため「ギー、ギー」という声を出す。なわばりの主張や、遠方への自分の位置の伝達、巣立ったヒナが親鳥に給餌をねだるときなどには、「キッキッキ」という強い声を出す。嘴で木を強く連続して叩いて音を出すドラミングも行う。ドラミング音は、アカゲラなどの大型のキツツキに比べ小さく短い場合が多い。
小さい体の割には、20ヘクタールほどの広いなわばりを持っており、一度繁殖を始めると同じ場所に生息し続ける。つがいの絆も、片方の鳥が死ぬまで続くことが多いようである。また、単独やつがいでいる場合のほか、シジュウカラなどと混群をつくる場合もある[7]。枯れ木や生きた木の枯れ枝などに巣穴を作り、毎年新しく掘る。
食性は雑食だが、主に昆虫などの節足動物を捕食し、木の実を食べることもある。樹皮につかまり、縦横にこまかく移動しながら、表面からつまみとったり、つついて小さい穴を開け、長い舌を隙間や昆虫の掘った穴に差し入れて捕食する。
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桜の木に穴を掘り巣造りをするコゲラ
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木の実を採食中のコゲラ
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穴に長い舌を差し入れて昆虫を捕食するコゲラ
分布
[編集]ロシア南東部、樺太島、朝鮮半島北部、中国東北部、日本列島など、東アジアの限られた地域に分布している。
日本では佐渡島を除く全国の亜寒(亜高山)帯針葉樹林から亜熱帯照葉樹林まで留鳥として広く分布する。基本的には留鳥だが、寒冷地に生息する個体は、冬季には暖地へ移動するものもいる。東京都小平市の「市の鳥」に指定されている。
亜種
[編集]基亜種のキュウシュウコゲラを含め、下記の 9亜種が記載されている(順序は北から南の順)[12]。体色は地域により異なる。
- コゲラ
- Dendrocopos kizuki nippon (Kuroda, 1922)
- 本州北・中部、迷鳥として佐渡[4]。ただし分布域が明確ではないため要検討とされる[4]。
- ミヤケコゲラ
- Dendrocopos kizuki matsudairai (Kuroda, 1921)
- 伊豆諸島(大島、三宅島、御蔵島、八丈島)、屋久島に分布する[4]。ただし分布域が明確ではないため要検討とされる[4]。
- シコクコゲラ
- Dendrocopos kizuki shikokuensis (Kuroda, 1922)
- 本州西部および四国に分布する[4]。ただし分布域が明確ではないため要検討とされる[4]。
- ツシマコゲラ
- Dendrocopos kizuki kotataki (Kuroda, 1922)
- 対馬、隠岐諸島に分布する[4]。
- キュウシュウコゲラ
- Dendrocopos kizuki kizuki (Temminck, 1836)
- 九州に分布する[4]。
- アマミコゲラ
- Dendrocopos kizuki amamii (Kuroda, 1922)
- 奄美群島固有亜種[13]。奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島に分布する[4]。
- リュウキュウコゲラ
- Dendrocopos kizuki nigrescens (Seebohm, 1887)
- 沖縄本島、屋我地島に分布する[4]。
- オリイコゲラ
- Dendrocopos kizuki orii (Kuroda, 1923)
- 八重山諸島(西表島)で確認されている[4]。
近縁種
[編集]- セジロコゲラ(学名:Picoides pubescens)
脚注
[編集]- ^ “IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2. (Dendrocopos kizuki)” (英語). IUCN. 2012年2月8日閲覧。
- ^ “Dendrocopos kizuki (Temminck, 1836)” (英語). ITIS. 2012年2月8日閲覧。
- ^ a b c d Clements, James F. (2007). The Clements Checklist of Birds of the World (6th ed.). Ithaca, New York: Cornell University Press. p. 250. ISBN 978-0-8014-4501-9
- ^ a b c d e f g h i j k l m 日本鳥類目録編集委員会 『日本鳥類目録 改訂第7版』、日本鳥学会、2012年、225-227頁。
- ^ a b “Clements Checklist: Downloadable Checklist”. The Cornell Lab of Ornithology. Cornell University (2022年). 2023年2月4日閲覧。
- ^ 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、214頁。ISBN 978-4-931150-41-6。
- ^ a b c 中川 (2010)、156頁
- ^ a b Brazil, Mark (2009). Birds of East Asia. Princeton University Press. p. 282. ISBN 978-0-691-13926-5
- ^ Hans Winkler, David A. Christie, David Nurney, WOODPECKERS an identification guide to the Woodpeckers of the World, (1995) p. 257-258. ISBN 0-395-72043-5.
- ^ 高木 (2000)、44-45頁
- ^ a b 大橋 (2007)、66-67頁
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(コゲラ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年2月8日閲覧。
- ^ 鳥類レッドリスト (環境省)2006年版でのランク変更
参考文献
[編集]- 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313。
- 大橋弘一『庭で楽しむ野鳥の本』山と溪谷社、2007年11月1日。ISBN 978-4635596190。
- 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325。
- 柴田佳秀 著、樋口広芳 編『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑』日本文芸社、2019年5月、33頁。ISBN 978-4537216851。