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グランド牧場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
有限会社グランド牧場
Grand Stud ,Ltd.
種類 有限会社
本社所在地 日本の旗 日本
056-0011
北海道日高郡新ひだか町静内神森321-17
設立 1927年
業種 水産・農林業
法人番号 6430002061446
事業内容 競走馬総合事業
代表者 伊藤 佳洋(代表取締役)
関係する人物 伊藤 圭三(JRA調教師)
外部リンク https://grandstud.jp/
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有限会社グランド牧場(グランドぼくじょう)とは、北海道日高郡新ひだか町に本場を置くサラブレッド競走馬の生産・育成牧場である[1]。2023年までは牧場名義で生産馬の所有も行うオーナーブリーダー(馬主兼生産者)であった(後述)。

歴史

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1927年開場。創業地は古川公園野球場のすぐ近くで、その野球場のすぐ近くに敷地があったことから「グラウンド牧場」と呼ばれるようになり、いつしか「グランド牧場」を正式名称とするようになった。創業者の伊藤幸太郎は貴族院議員であった伊藤繁太郎の甥で、元は繁太郎のもとで競走馬生産を行っていた。創業以来長らく散発的に重賞勝利馬を出す程度の中小牧場であったが、1985年に父から経営を継いだ3代目・伊藤佳幸から急速な拡大路線が採用され、繁殖用支場と育成施設が各地に整備された。これに伴い従来15頭前後であった繋養繁殖牝馬は約100頭まで増加。ダートグレード競走を中心に活躍したプリエミネンススマートボーイアメリカで重賞勝利を挙げたフェスティバルなど、安定して活躍馬を輩出する有力な牧場となった。2002年には生産馬の獲得賞金総額で第4位を記録している。

2005年、スズカマンボが天皇賞(春)を制し、開場78年目でGI競走初制覇を果たす。2015年、同牧場生産馬同士の配合であるサンビスタチャンピオンズカップを制覇し、牝馬として史上初めてJRAのダートGIを制覇した。

地方競馬においてもホッカイドウ競馬南関東競馬を中心に生産馬を多数出走させており、2009年には笠松所属のラブミーチャン全日本2歳優駿を制し、2歳馬として史上初めてNARグランプリ年度代表馬に選出され、2017年には船橋所属(当時)のヒガシウィルウィン東京ダービージャパンダートダービーの南関東牡馬クラシック2冠を制し、同じくNARグランプリ年度代表馬に選出された。

海外からの繁殖牝馬導入にも積極的で、2018年の米ファシグティプトン・ノベンバーセールでは前年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬カレドニアロードを230万ドル(当時のレートで約2億6,450万円)で落札している[2]。また、2024年11月の同じファシグティプトン・ノベンバーセールにて、2022年のG1ベルモントオークス覇者のフランケル産駒マキューリックを600万ドル(約9億円)で、2023年G1メイトリアークS覇者サージキャパシティ(イントゥミスチーフを受胎)を360万ドル、オンアラート(シャーラタンを受胎)を85万ドルでそれぞれ落札している[3]

2020年、4代目社長に伊藤佳洋、前社長の伊藤佳幸は会長に就任する。

2023年、会長の伊藤佳幸が逝去。

馬主としての活動は2021年からはホッカイドウ競馬や南関東競馬を主軸に移しており、中央競馬においては2021年8月28日の新潟競馬第4レースでの出走(ビリーヴインミー、4着)が牧場名義としては最後となっており、JRA所属競走馬の多くは競走馬登録抹消、もしくは地方競馬への転籍の措置が執られ、数頭が会長である伊藤佳幸の個人名義[4]に移管されたのち、2022年からは中央競馬においてはマーケットブリーダーとしての活動に移行した。また、地方競馬においても2023年5月15日の川崎競馬第10レース新緑特別(シュガーダディ・12着)が現時点での牧場名義での最終出走となっている。

日本中央競馬会調教師(美浦TC所属)である伊藤圭三は、3代目社長・伊藤佳幸の実弟。また、元JRA調教師の角居勝彦沖芳夫が牧場に勤務していた。

所有施設

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繁殖

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  • グランド牧場本場(新ひだか町)
    • プリモファーム(新ひだか町)[1]
    • 高江繁殖場(新冠町[1]
    • 真歌繁殖場(新ひだか町)[1]

育成

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  • 真歌トレーニングセンター(新ひだか町)[1]
  • 遠野ステーブル 2022.10月閉鎖(岩手県遠野市[1]

主な生産馬

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2005年天皇賞(春)優勝馬スズカマンボ[5]、2009年度NARグランプリ年度代表馬・ラブミーチャン[6]、2015年チャンピオンズカップ優勝馬サンビスタ[5]などを生産している。

※括弧内は生産馬の優勝重賞競走。地方競馬限定格付けのものは含まない。競走名強調はGI級競走、馬名強調は生産所有馬。

出典

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  1. ^ a b c d e f グランド牧場 - 会社案内”. グランド牧場. 2016年1月9日閲覧。
  2. ^ 日本人生産者がケンタッキー州で優良牝馬を購買(アメリカ). 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(2018年11月21日付). 2019年2月20日閲覧
  3. ^ BC勝ち馬も上場…ファシグティプトン社セールで日本人生産者がフランケル産駒牝馬9億円で落札”. 日刊スポーツ. 2024年11月5日閲覧。
  4. ^ 服色は「紫,白山形二本輪,袖赤縦縞」
  5. ^ a b (有)グランド牧場 - 基本情報”. JBIS-Search. 2016年1月9日閲覧。
  6. ^ ラブミーチャン - 基本情報”. JBIS-Search. 2016年1月9日閲覧。
  7. ^ マリーンカップ競走優勝馬 - 南関東4競馬場公式  2015年4月16日閲覧
  8. ^ 2015年佐賀記念レース結果 - JBISサーチ 2015年2月16日閲覧
  9. ^ 2015年レース結果 - netkeiba.com  2015年4月1日閲覧
  10. ^ クイーンマンボ - netkeiba、2017年10月6日閲覧
  11. ^ ハヤブサナンデクン”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年3月26日閲覧。
  12. ^ オマツリオトコ”. JBISサーチ. 2022年11月24日閲覧。

参考文献

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  • 優駿』2005年8月号(日本中央競馬会)阿部珠樹「優駿たちの故郷を訪ねて - グランド牧場」
  • 『週刊競馬ブック』2016年1月17日号(競馬ブック)村本浩平「グランド牧場を訪ねて」

関連項目

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外部リンク

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