クローズド・ヴァリエーション
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クローズド・ヴァリエーション (Closed Variation) は、チェスのオープニングの1つで、ルイ・ロペスの変化の1つである。右図がクローズド・ヴァリエーションの基本形で[1]、基本形までの手順は1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.0-0 Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 d6 8.c3 0-0 9.h3である[2]。
概要
[編集]モーフィー・ディフェンス[3]の1変化。白の9手目で出来た型がクローズド・ヴァリエーションの基本形である[4]。
白の9手目で9.a3や9.d3と指す手は今日ではあまり指されない手である[4]。9.d4と指すと9.… Bg4 10.d5 Na5 11.Bc2 c6と進行し白のポーンの型が悪くなる[4]。この途中10.Be3と指すのは10.… ed 11.cd Na5 12.Bc2 Nc4 13.Bc1 c5と進行し黒が十分な展開となる[4]。
黒の9手目で9.… Na5と指すとチゴリン・システムになり[5]、9.… Nb8と指すとブレヤー・システムになる[4]。また9.… Bb7と指すとザイツェフ・システムになる。チゴリン・システムとブレヤー・システムとザイツェフ・システム以外にも多くの変化があるオープニングである。
チゴリン・システム
[編集]9.… Na5 10.Bc2 c5 11.d4 Qc7 12.Nbd2 Bb7 13.Nf1 cd 14.cd Rac8 15.Bd3[5]
黒の12手目では他に12.… cdや12.… Nc6と指す手がある[4]。12.… cdと指すと13.cd Nc6 14.Nb3 a5 15.Be3と進行し[4]、12.… Nc6と指すと13.dc dc 14.Nf1 Be6 15.Ne3 Rab8と進行する[4]。
黒の13手目では他に13.… Rfe8と指す手があり[4]、その場合は14.b3 g6と進行する[4]。
ブレヤー・システム
[編集]9.… Nb8 10.d4 Nbd7 11.Nbd2 Bb7 12.Bc2[4]
元世界チャンピオンのアナトリー・カルポフが好んで指した定跡[4]。白の10手目では10.d3と指す手もある[4]。
ザイツェフ・システム
[編集]この変化では白の10手目では10.d4と指すのが定跡[6]。白が10.d4と指した局面は白ががっちりとセンターを確保しているのに対し[6]、黒もポーンで白のビショップを追い払いクイーンサイドを広く取り[6]、ほぼ全ての駒が既に展開を終え陣形もしっかりしているという特徴がある[6]。
政治学者でチェスプレーヤーの渡辺暁はザイツェフ・システムで白が10.d4と指した局面を「お互いに理にかなった手を続けた結果の局面で、それぞれの駒がたくさん活躍する可能性を秘めています」と評している[6]。
その他の変化
[編集]チゴリン・システム、ブレヤー・システム、ザイツェフ・システム以外のクローズド・ヴァリエーションの変化としては黒の9手目で9.… h6[4]、9.… Be6[4]、9.… Nd7[4]と指す手がある。
参考文献
[編集]- 有田謙二 著 『チェス・マスター・ブックス 1 定跡と戦い方』 河出書房新社、1980年1月25日初版発行、1995年10月25日改訂版初版発行、2010年9月30日新装版初版発行、ISBN 978-4-309-73141-4[7]
- 渡辺暁 著 『はじめてでもよくわかる! 図解チェス入門』 朝日新聞出版、2016年11月30日発行、ISBN 978-4-02-333111-2