カールスルーエ市電T4-EP形電車
カールスルーエ市電T4-EP形電車 カールスルーエ市電B4-EP形電車 | |
---|---|
139(1993年撮影) | |
基本情報 | |
製造所 | ラシュタット車両工場 |
製造年 | 1958年 - 1961年 |
製造数 |
T4-EP形 8両(134 - 141) B4-EP形 8両(309 - 316→434 - 441) |
運用終了 | 1987年 |
投入先 | カールスルーエ市電 |
主要諸元 | |
編成 | ボギー車、片運転台 |
軸配置 |
T4形 B'B' B4形 2'2' |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流750 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 60 km/h |
車両定員 |
T4-EP形 118人(着席29人) B4-EP形 130人(着席30人) |
車両重量 |
T4-EP形 18.4 t B4-EP形 12.57 t |
全長 |
T4-EP形 14,960 mm B4-EP形 14,950 mm |
車体長 | 14,100 mm |
全幅 | 2,374 mm |
全高 | 3,150 mm |
床面高さ |
T4-EP形 880 mm B4-EP形 890 mm |
固定軸距 | 1,600 mm |
台車中心間距離 | 6,000 mm |
主電動機 | T4-EP形 キーペ製、ブラウン・ボベリ(BBC)製 |
主電動機出力 |
キーペ製 110 kw BBC製 120 kw |
出力 |
キーペ製 220 kw BBC製 240 kw |
制御装置 | T4-EP形 ディスクブレーキ、発電ブレーキ、レールブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
T4-EP形は、かつてドイツの路面電車であるカールスルーエ市電で使用されていた電車(動力車)。鉄道線への直通系統向けに製造され、付随車であるB4-EP形と共に営業運転に用いられた[1][2][3][4][5]。
概要
[編集]1950年代、カールスルーエと郊外地域を結ぶ鉄道路線・アルブタール鉄道は老朽化が深刻な問題となっていた。これを受け、軌間の変更を含めた大規模な近代化を実施したうえで、カールスルーエの路面電車であるカールスルーエ市電との直通運転が行われる事となった。それを見据えて製造が実施されたのがT4-EP形およびB4-EP形である[1][2][6][3]。
T4形・B4形に続く片運転台・片方向形のボギー車として設計されたが、車体幅が2.4 mに拡大しており、「広幅車両(Breitraumwagen)」と言う愛称でも呼ばれていた。これにより定員数がT4形・B4形と比べて増加した他、T4-EP形の前照灯もT4形から増設された。電気機器については電空併用制御システムが採用された事で連結運転時に先頭の車両から後方の車両の制御が可能な総括制御が可能となった。これらの設計や構造については、当時の西ドイツの路面電車規格に加え、鉄道規格に準拠したものとなっていた[1][2][3][4]。
1958年に動力車(電動車)のT4-EP形・8両(134 - 141)が導入され、既存の2軸付随車と編成を組んで使用された。その後、1960年には付随車のB4-EP形が8両(309 - 316→434 - 441[注釈 1])発注され、翌1961年から営業運転に投入され2軸付随車を置き換えた。T4-EP形の主電動機は車両によって異なり、134 - 137はキーペ製、138 - 141はブラウン・ボベリ(BBC)製で、出力も異なっていた[1][2][3][4]。
それ以降もアルブタール鉄道を始めとした鉄道線へ直通する系統で使用されたが、後継車両の導入に伴い1984年までに営業運転を終了した。ただしその後の1986 - 1987年の冬季にT4-EP形(139)およびB4-EP形(439)が編成を組んで定期運用に復帰しており、2023年現在動態保存車両としてこの2両がカールスルーエ市電に現存する[1][2][4][7][8]。
-
T4-EP形とB4-EP形は編成を組んで使用された
-
営業運転を離脱した一部車両は事業用に改造された
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f “Großraumtriebwagen”. Treffpunkt Schienennahverkehr Karlsruhe e.V.. 2021年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “Großraumbeiwagen”. Treffpunkt Schienennahverkehr Karlsruhe e.V.. 2021年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e Jochen Allgeier 2013, p. 125.
- ^ a b c d e Jochen Allgeier 2013, p. 126-127.
- ^ Mark Gregotsch (2022年9月17日). “Historische Fahrzeuge: Als die Karlsruher Straßenbahn mit Akkus betrieben wurde”. Badische Neueste Nachrichten. 2024年8月26日閲覧。
- ^ AVG. Die Geschichte der AVG (PDF) (Report). 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Fahrzeuge”. Treffpunkt Schienennahverkehr Karlsruhe e.V.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Bw 439”. Treffpunkt Schienennahverkehr Karlsruhe e.V.. 2024年8月26日閲覧。
参考資料
[編集]- Jochen Allgeier (6 February 2013). Die Entstehung des Karlsruher Stadtbahnsystems 1957 bis 2004 (Report). Karlsruher Institut für Technologie. 2024年8月26日閲覧。