カールスルーエ市電NET 2012形電車
カールスルーエ市電NET 2012形電車 | |
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388(2019年撮影) | |
基本情報 | |
運用者 |
カールスルーエ交通事業(VBK) アルブタール交通(AVG) |
製造所 | フォスロ→シュタッドラー・レール |
製造年 | 2014年 - 2019年 |
製造数 | 75両(326 - 400) |
運用開始 | 2014年 |
投入先 |
カールスルーエ市電 カールスルーエ・シュタットバーン |
主要諸元 | |
編成 | 3車体連接車、片運転台 |
軸配置 | Bo'2'2'Bo' |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流750 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 80 km/h |
設計最高速度 | 100 km/h |
起動加速度 | 1.3 m/s2 |
減速度(常用) | 1.6 m/s2 |
減速度(非常) | 2.73 m/s2 |
車両定員 | 244人(着席82人+折り畳み座席25人分) |
車両重量 | 57.5 t |
全長 | 37,200 mm |
全幅 | 2,650 mm |
全高 | 3,655 mm |
床面高さ |
345 mm(低床部分) (低床率80 %) |
車輪径 | 680 mm |
固定軸距 | 1,900 mm |
主電動機出力 | 125 kw |
出力 | 500 kw |
制動装置 | 回生ブレーキ、電磁吸着ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8][9]に基づく。 |
NET 2012は、ドイツの都市・カールスルーエの路面電車であるカールスルーエ市電で使用されている電車。鉄道線への直通運転(カールスルーエ・シュタットバーン)にも対応した部分超低床電車で、形式名は「低床電動車・2012(Niederflur-Elektrotriebwagen 2012)」を意味する[1][5][6][9]。
概要
[編集]2011年、カールスルーエを中心とした路面電車やシュタットバーン網を運営するカールスルーエ交通事業(VBK)とアルブタール交通(AVG)は、長年使用された旧型電車の置き換えを目的にフォスロへ向けて新型電車の発注を実施した。これが「NET 2012」と呼ばれる車両で、フォスロが開発した「シティリンク」の一車種である[5][6][10]。
ループ線が存在する路線での使用を前提とした片運転台・片方向式の3車体連接車で、乗降扉は車体右側にのみ設置されている。動力台車が設置されている前後車体の端部を除いた車内全体の80 %が床上高さ345 mmの低床構造となっており、カールスルーエ市電のプラットホームとの段差を解消している。この低床部分にはベビーカーや車椅子が設置可能なフリースペースが5箇所存在する他、手すりや車内の段差など必要な箇所へのシグナルイエローの色付けを始めとした多くのバリアフリーへの対応がなされている[1][2][10][11]。
流線形の前面にはクラッシャブルゾーンが設置されており、衝突時の運転手の安全確保がなされている他、最新の人間工学を用いた運転台は運転手の疲労の軽減が図られている。これらの設計においては、カールスルーエ市電の運転手や労働組合も関与している。また、鉄道規格の区間への直通運転を前提としているため、路面電車規格(BOStrab)と鉄道規格(EBO)双方に適応した設計が採用されている[12][13]。
電気機器はキーペが手掛けており、主電動機には三相誘導電動機が採用されている。台車には空気ばねが用いられており、騒音の軽減や乗り心地の向上が図られている[10]。
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車内
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運転台
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前面下部には連結器が収納されている
運用
[編集]製造は2013年から始まり、翌2014年10月18日に営業運転を開始した。その後、オプション権を行使する形で2015年と2016年に25両づつ、合計50両の発注が行われ、2019年までに全75両の納入が完了した[注釈 1]。これらの車両のうち36両をカールスルーエ交通事業が、39両をアルブタール交通が所有しており、カールスルーエ市電の全系統に加え鉄道規格の区間へ直通するS1・S11・S12号線で使用されている[4][5][6][7][8][15][16][17]。
塗装については他形式と同様に赤色と黄色が用いられているが、アルブタール交通に在籍する1両(355)は2017年の同社設立60周年を記念して過去に使用された黄緑色と黄色を主体とした塗装が施されている[18][19]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2016年以降製造された車両については、フォスロの鉄道車両部門を吸収したシュタッドラー・レールによって製造が実施された[14]。
出典
[編集]- ^ a b c “Stadtbahn Citylink NET 2012 Karlsruhe, Deutschland”. Vossloh Kiepe. 2016年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月15日閲覧。
- ^ a b “NET 2012, GT8 Stadtbahn Karlsruhe”. Vossloh Kiepe. 2016年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月15日閲覧。
- ^ “CITYLINK LOW-FLOOR LIGHT RAIL VEHICLE Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH (VBK) and Albtal-Verkehrs-Gesellschaft (AVG), Germany”. Stadler Rail. 2020年12月16日閲覧。
- ^ a b “NET 2012”. AVG. 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b c d “Vossloh to deliver low floor trams to Karlsruhe in Germany”. Railway Technology (2011年10月31日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b c d “Einstiegstür- und Trittsysteme für NET 2012”. Schaltbau Group. 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b “Karlsruhe orders more Citylink NET from Vossloh”. Railway Pro (2015年4月29日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b “More NET 2012 Tram-Trains for Karlsruhe”. MASS TRANSIT (2016年4月11日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 24-25.
- ^ a b c Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 6.
- ^ Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 9.
- ^ Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 15.
- ^ Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 16.
- ^ “Sale of Vossloh Rail Vehicles to Stadler Rail AG completed”. Vossloh (2016年4月1日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 4.
- ^ “New Citylink NET 2012 LRVs in Karlsruhe: Electrical competence for passenger comfort and attractive regional transport”. Kiepe Electric, Knorr-Bremse (2019年7月25日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ “Nur noch Niederflurbahnen: S2 zwischen Spöck und Rheinstetten wird barrierefrei”. ka-news.de (2017年7月26日). 2022年11月15日閲覧。
- ^ Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH 2014, p. 10.
- ^ “Im Retro-Look ins Jubiläumsjahr”. AVG (2017年3月2日). 2017年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月15日閲覧。
参考資料
[編集]- Verkehrsbetriebe Karlsruhe GmbH [in 英語] (2014年9月). Citylink Die Niederflur-Stadtbahn für Karlsruhe (PDF) (Report). 2016年3月3日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2022年11月15日閲覧。