カンムリタケ
カンムリタケ | |||||||||||||||||||||||||||
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Mitrula paludosa
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Mitrula paludosa Fr. [2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
Mitrula phalloides Chev.[4] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カンムリタケ |
カンムリタケ(冠茸[5]、Mitrula paludosa、学名: Mitrula paludosa)は、ヘミファキジウム科カンムリタケ属に属する小型のキノコ(子囊菌)。別名カムリタケ[3]。食用不適[3]。
分布・生態
[編集]温帯に分布するキノコで[2]、日本の北海道、本州、四国およびヨーロッパ、北アメリカなどに分布する[3][4]。
落葉分解菌[5]。早春から初夏、および秋に、雑木林内の湿地や湿原、浅い水流に沿って、散生または大きな群落をつくって発生する[5][3]。同じ群落が長期間にわたって子実体をつくりつづける傾向がある[5]。水中の朽ちた落葉や細い落枝から生じる[5][4]。
形態
[編集]子実体は頭部と柄からなり、高さは2 - 6センチメートル (cm) [2]。全体はややゼラチン質で軟らかい[4]。頭部は類球形から楕円形または倒卵形など多様で、径は5 - 20 × 4 - 10ミリメートル (mm) 、黄色から橙黄色[5][2][3][4]。頭部の表面は滑らかで、下部は少し窪み、ゼラチン質である[3]。
柄は中空で細長い円柱状で、真直またはやや湾曲し、長さ1.5 - 4 cm、太さは1 - 3 mm[3]。柄の表面は滑らかで、透明感のある白色から帯黄色[5][2][3]。頭部と柄の境界は明瞭である[2]。湿っているときは、粘性を帯びて透明となる[2]。
側糸は糸状で、径1.5 - 2.5マイクロメートル (μm) 、分岐し無色、隔壁があり、頂部はやや棍棒状に膨れる[3][4]。子囊胞子は10 - 18 × 2 - 4 μmの円筒形から類紡錘形で、無色、ふつう隔膜はなく1室であるが、成熟するとしばしば隔壁を生じて2細胞になる[2][3][4]。
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水辺に群生する
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頭部は大きさも形もさまざま
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頭部は黄色、柄は透明感ある白色で、境界は明瞭
類似する種
[編集]水辺の水中から生える黄色で小型のキノコとしては、他にピンタケ(Vibrissea truncorum)がある[5]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。
- 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5。
- 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。ISBN 978-4-8326-0747-7。
- 今関六也・本郷次雄『続原色日本菌類図鑑』保育社、1965年3月5日。ISBN 4-586-30042-6。