カラタチバナ
カラタチバナ | |||||||||||||||||||||||||||
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福島県浜通り地方 2017年11月
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ardisia crispa (Thunb.) A.DC.[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カラタチバナ(唐橘)[5] |
カラタチバナ(唐橘、学名: Ardisia crispa)は、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木[6]。
葉は常緑で冬に赤い果実をつけ美しいので、鉢植えなど栽培もされる。同属のマンリョウ(万両)に対して、別名、百両(ヒャクリョウ)ともいう[5]。
従来の新エングラー体系、クロンキスト体系では、ヤブコウジ科の種としていた[1]。
特徴
[編集]樹高は20-100cmになる。茎は直立して円柱形、単純であまり分枝しない。樹皮は茶褐色で、若いときに粒状の褐色の微毛が生える。葉は互生し、葉身は狭卵形で、長さ8-20cm、幅1.5-4cmになり、約8対の側脈があり、先端は次第にとがって鈍頭になり、基部は鋭形、縁には不明瞭で低い波状の鋸歯があって鋸歯間に腺点がある。葉は葉質が厚く、表面は鮮緑色、無毛で光沢があり、裏面も無毛であるがときに多少細かい鱗片毛がある。葉柄は長さ8-10mmになる[5][6][7]。
花期は7月頃。花序は散形状になり、葉腋または葉間にある早落性の鱗片葉の腋につき、花序柄の長さは4-7cmで斜上し、10個ほどの花を下向きにつける。花冠は白色、浅い皿状で深く5裂し、花冠裂片は長さ約5mmの卵形で、外面は無毛で腺点があり、花柄の長さは約10mmになり、微毛が生える。萼は深く5裂し、萼裂片は狭長楕円形で長さ約2mmになり、多少の腺点がある。雄蕊は5個あり花冠裂片よりやや長く、葯は狭卵形になる。雌蕊は1個で花冠よりやや長く、子房はほぼ球形で無毛。果実は液果様の核果で径6-7mmの球形となり、11月頃に赤色に熟し翌年の4月頃まで残る。中に1個の大型の種子が入る[5][6][7]。
分布と生育環境
[編集]日本では、本州(福島県以西[6]・新潟県以西[5])、四国、九州、琉球に分布し、常緑樹林の林内に生育する。国外では中国大陸、台湾に分布する[5][6]。
利用
[編集]いずれも常緑小低木で、冬に赤い実をつけるマンリョウ(万両)、センリョウ(千両、センリョウ科)、本種(百両)、ヤブコウジ(十両)とともに、正月の縁起物とされる[8]。鉢植えにされ、庭木にも利用される。果実が白色または黄色に熟す園芸品種もある[5]。
江戸時代の寛政年間に、葉に斑が入ったものの栽培が流行し、高値で取り引きされた。江戸時代後期や明治時代にも流行したことがある。その後は大きな流行は見られない。現代は新潟県、島根県を中心に栽培されている[8]。
ギャラリー
[編集]下位分類
[編集]和名、学名はYistによる。
- シロミタチバナ Ardisia crispa (Thunb.) A.DC. f. leucocarpa (Nakai) H.Ohashi - 果実が白く熟す品種[6]。
- キミタチバナ Ardisia crispa (Thunb.) A.DC. f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi - 果実が黄色く熟す品種[6]。
- ヤクシマタチバナ Ardisia crispa (Thunb.) A.DC. var. caducipila (Nakai) Ohwi - 若いときに葉柄および葉の裏面に小刺毛のある変種で、本州(和歌山県)と九州(屋久島)に分布する[6]。
脚注
[編集]- ^ a b カラタチバナ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ カラタチバナ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ カラタチバナ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ カラタチバナ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g 『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)山溪ハンディ図鑑5』p.177
- ^ a b c d e f g h 『改訂新版 日本の野生植物 4』p.190
- ^ a b 『新牧野日本植物圖鑑』p.552, p.1323
- ^ a b “カラタチバナ”. みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2021年1月3日閲覧。
参考文献
[編集]- 茂木透、石井英美他『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)山溪ハンディ図鑑5』、2001年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- みんなの趣味の園芸、NHK出版
- "Ardisia crispa". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Ardisia crispa (Thunberg) A. de Candolle" - Encyclopedia of Life
- 波田善夫. “カラタチバナ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学. 2011年7月4日閲覧。