イワニンジン
イワニンジン | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Angelica hakonensis Maxim. (1874)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
イワニンジン(岩人参)[5] |
イワニンジン(岩人参、学名: Angelica hakonensis)は、セリ科シシウド属の多年草[5][6][7][8]。
特徴
[編集]茎は直立し、多く分枝して、高さは30-120cmになる。茎に細毛が密生する。根出葉には長い葉柄がある。茎につく葉は互生し、2-3回3出羽状複葉で、小葉は不規則に中裂し、小葉または裂片は卵形から広卵形で、長さ3-8cm、先はとがり、縁に粗い鋸歯がある。葉の質は洋紙質で、裏面は淡色になる。葉柄の基部は長い葉鞘となって袋状にふくらむ[5][6][7][8][9]。
花期は8-9月。やや小型の複散形花序に小型の花を多数つける。萼歯片は目立たない。花弁は5個で、内側に曲がり、色は淡黄緑色、緑白色、白色、帯紫色になる。複散形花序の下の総苞片は無く、小花序の下の小総苞片は多数ある。雄蕊は5個あり、子房は2室ある。果実はわずかに扁平になった楕円形で、2個の分果からなり、分果に脈質の背隆条とやや広い翼状になった側隆条がある。油管は分果の表面側の各背溝下に各1個、分果が接しあう合生面に2個ある[5][6][7][8][9]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種[10]。本州の関東地方、中部地方に分布し、山地の日の当たる岩石地に生育する[7][8]。
名前の由来
[編集]和名イワニンジンは、「岩人参」の意で[5]、主に岩場に生える「ニンジン」の意味[8]。和名 Iwa-ninnjinn は、松村任三 (1889) による命名である[11]。
種小名(種形容語)hakonensis は、「箱根の」の意味[12]。タイプ標本は、神奈川県箱根において、1862年10月にマキシモヴィッチによって採集され、マキシモヴィッチ (1874) によって命名された[1]。
種の保全状況評価
[編集]国(環境省)のレッドデータブック、レッドリストでの選定はない。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は、東京都が準絶滅危惧(NT)、長野県が絶滅危惧IA類(CR)となっている[13]。
分類
[編集]イワニンジンの下位分類にノダケモドキがある。シノニム欄に示すとおり、ノダケモドキは独立した種 Angelica nikoensis とされていたことがあった[2]が、本種の変種 var. nikoensis[3][14]、または、品種 f. nikoensis[4][6]とされた。ノダケモドキは、本種と比べ、小葉がまばらにつき、花序がやや大きく、花弁の縁が暗紫色になるもので、関東地方から東海地方にかけて分布する[14][15]。同種は、東京都で準絶滅危惧(NT)に、愛知県で絶滅危惧II類(VU)に選定されている[16]。ただし、YList では、同種はイワニンジンの異名の扱いになっており、イワニンジンと区別されていない[3][4]。
ギャラリー
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花弁は5個で、内側に曲がり、色は淡黄緑色、緑白色、白色、帯紫色になる。
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複散形花序の下の総苞片は無く、小花序の下の小総苞片は多数ある。
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若い果実。
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茎葉は2-3回3出羽状複葉で、小葉は卵形から広卵形で、先はとがり、縁に粗い鋸歯がある。
脚注
[編集]- ^ a b イワニンジン 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b イワニンジン(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c イワニンジン(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c イワニンジン(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.477
- ^ a b c d 『原色日本植物図鑑・草本編II(改訂53刷)』pp.26-27
- ^ a b c d 鈴木浩司 (2017)「セリ科」『改訂新版 日本の野生植物 5』p.390
- ^ a b c d e 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1254
- ^ a b いがりまさし、「イワニンジン 」、植物検索システム・撮れたてドットコム
- ^ 門田裕一、秋山忍 (2011)「セリ科」『日本の固有植物』pp.99-100
- ^ 松村任三「日本植物新稱」『植物学雑誌』第3巻第34号、日本植物学会、1889年、421頁、doi:10.15281/jplantres1887.3.421。
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1495
- ^ イワニンジン。日本のレッドデータ検索システム、2024年1月16日閲覧
- ^ a b 北川正夫 (1982)「セリ科」『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』p.288
- ^ 北村四郎, 村田 源「原色日本植物図鑑草本編II(離辨花類)に発表した新名及び新見解」『植物分類,地理 (Acta Phytotaxonomica et Geobotanica)』第20巻第1号、植物分類地理学会、1962年、196頁、doi:10.18942/bunruichiri.KJ00002992778。
- ^ ノダケモドキ。日本のレッドデータ検索システム、2024年1月16日閲覧
参考文献
[編集]- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』、1982年、平凡社
- 北村四郎・村田源著『原色日本植物図鑑・草本編II(改訂53刷)』、1984年、保育社
- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- 松村任三「日本植物新稱」『植物学雑誌』第3巻第34号、日本植物学会、1889年、421頁、doi:10.15281/jplantres1887.3.421。
- 北村四郎, 村田 源「原色日本植物図鑑草本編II(離辨花類)に発表した新名及び新見解」『植物分類,地理(Acta Phytotaxonomica et Geobotanica)』第20巻第1号、植物分類地理学会、1962年、196頁、doi:10.18942/bunruichiri.KJ00002992778。
- いがりまさし、「イワニンジン 」、植物検索システム・撮れたてドットコム