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アークティック・ロール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スライスしたアークティック・ロール イチゴ添え

アークティック・ロール英語: Arctic roll)はイギリスの冷たいデザート[1][2]

概要

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日本語に直訳した場合、「北極ロール(ケーキ)」の意となる[2]

日本で知られるロールケーキのように渦巻状ではなく、バニラアイスクリームを筒状のスポンジケーキで巻いた菓子である[1][2]

市販されているものは、冷凍庫で保管しておき、ナイフなどでスライスして食べる[2]。子供のおやつとして食されるほか、生のベリーやソースを添えてデザートとしても食される[2]

スーパーマーケットでの販売価格は、6人分/1本で1ポンドほどと安価である(2021年時点)[2]。スーパーマッケットのプライベートブランドのアークティック・ロールの中には販売価格が1ポントを下回っているものもあるが、フードライターのナイジェル・スレイター英語版が「凍ったカーペット」と評価するような味の製品もある[2]

歴史

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チェコスロバキアからの移民で、弁護士のアーネスト・ヴェルデン(Ernest Velden)が考案した[1][2]。ヴェルデンはイギリスの家庭に冷凍庫が普及し、冷凍食品ブームが起きていたの見て、1968年イングランドイーストボーンに工場を建設し、生産を始めた[1][2]。1969年には工場の運営をバーズアイ英語版社が引き継いだ[2]。1970年代から1980年代にはイギリス全土に広く知られるようになり、普段の食事の際の、友人や家族を集めて行うホームパーティの際のデザートとして重宝されるようになった[1][2]。1980年代前半には1か月で計25マイル分のアークティック・ロールが製造されていた[2]

考案者のヴェルデンには、考案の功をもって1983年OBE勲章が授けられている[1]

1982年ユニリーバ社から発売されたビエネッタや、アメリカ合衆国で生まれたベイクド・アラスカなどにアイスクリームデザートの人気を奪われる形ともなり[2]、1990年代には人気の陰りから、大手メーカーがアークティック・ロールの生産を中止することもあったが、リーマン・ショックの際に「低価格のデザート」として注目されると共に需要と人気が高まり、2008年にはバーズアイからも再販売されるようになった[1][2]

出典

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  1. ^ a b c d e f g 羽根則子『イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』(増補改訂)誠文堂新光社、2019年、15頁。ISBN 978-4416619711 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n yasuda mariko (2021年3月19日). “第184話 Arctic roll ~アークティックロール~”. あぶそる~とロンドン. イギリスおかし百科. 2024年10月24日閲覧。