アワタケ
アワタケ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Xerocomus subtomentosus (L.) Quél. (1888)[1][2] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
アワタケ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Suede Bolete |
アワタケ(泡茸[4]、学名: Xerocomus subtomentosus)はイグチ目イグチ科イグチ属の菌類で小形から中形のキノコ。可食種。英国ではSuede Bolete、Boring Broun Bolete、Yellow-cracked Bolete
分布・生態
[編集]日本各地、ボルネオ、ヨーロッパ、北アメリカなどの北半球[1]、オーストラリアなど広い範囲で見つかっている[2][3]。
菌根菌[4]。夏から秋にかけて、ブナ科やカバノキ科の広葉樹林の地上の草地や道端などに、群生から単生する[4][2]。
形態
[編集]子実体は傘と柄からなる。傘は3 - 10センチメートル (cm) 程度の大きさで、初めはまんじゅう形で、のちにほぼ平らに開く[2]。傘の表面は黄褐色から帯褐オリーブ色から灰褐色のビロード状で、ときにひび割れて黄色い地色が見える[4][1]。
傘の裏はイグチの特徴である管孔がよく見える[2]。管孔部は柄に直生またはわずかに垂生する[2]。管孔の目が粗いのが特徴で角形[3]、鮮やかな黄色から帯緑黄色で、傷つくと弱い青変性を示す[4][1]。
柄は中実で、長さ5 - 12 cm[2]、太さ1 - 2 cmで上下同大または下方に細まる[3]。柄の表面は傘上面と同色、または淡黄色から淡赤褐色[4]、しばしば上部に縦筋の隆起線を現す[1][2]。肉は淡黄色で厚く、傷つくときに多少青変性がある[1][2]、または変色しないこともある[3]。
担子胞子は大きさ12 - 14 × 4.5 - 5マイクロメートル (μm) の楕円状類紡錘形で、淡オリーブ色、非アミロイド性[2]。胞子紋はオリーブ褐色[2]。
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傘表面は褐色から灰褐色のビロード状
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傘裏面の管孔部
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断面、柄は中実
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胞子の顕微鏡画像
食用
[編集]この種は食用できる[1][2]。近縁のアミタケと同様の調理法で食用になる。肉質は比較的やわらかく、柄は歯切れが良い[1]。風味にクセはないが、ややうまみに欠ける[1]。
類似するキノコ
[編集]良き見かけられるイグチ科のキノコであるが、いくつも似ている種があり、肉眼での識別は難しい[4]。傘に水酸化アンモニウムを滴下すると一瞬にして赤褐色に変わる。この特徴によって同属他種と区別を行う。
傘表面のひび割れが強く、地色が紅色のものはキッコウアワタケ属のキッコウアワタケ(Xerocomellus chrysenteron)である[4]。 アミタケ(Suillus bovinus)と良く似ている。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。
- 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5。
- 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。ISBN 978-4-8326-0747-7。
- 今関六也・本郷次雄『続原色日本菌類図鑑』保育社、1965年3月5日。ISBN 4-586-30042-6。
関連項目
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