ようこう型輸送艦
ようこう型輸送艦 | |
---|---|
進水式当日の「ようこう」 | |
基本情報 | |
艦種 | 輸送艦 (LSV) |
運用者 | 自衛隊海上輸送群(仮称)(予定) |
建造期間 | - 現在 |
建造数 | 2隻(予定)[1] |
要目 | |
基準排水量 | 3,500トン[1] |
全長 | 約120m[1] |
最大幅 | 23m[1] |
吃水 | 約4m |
速力 | 約15ノット (17 mph; 28 km/h)(試運転最大速力) |
乗員 | 個艦要員:約40名[1]+地上部隊 |
ようこう型輸送艦(ようこうがたゆそうかん)は、日本の自衛隊が建造・計画している輸送艦 (LSV)の艦級である[2]。自衛隊が陸海空共同部隊として2025年(令和7年)3月に発足させる予定の「自衛隊海上輸送群(仮称)」配備艦船のうち、中型輸送艦と位置付けられる[1]。約40人の乗組員に加えて、千数百トン、車両数十台分の輸送力を有する[1]。
1番艦ようこうは2024年(令和6年)11月28日に進水した[1]。艦名・級名の由来は太陽[1](陽光=ようこう)である。
概要
[編集]自衛隊海上輸送群(仮称)には2025年(令和7年)度中に、中型輸送艦である本級2隻のほか、小型のにほんばれ型輸送艦(輸送能力数百トン[3])4隻、より小型の機動舟艇4隻の合計10隻が配備される予定である[1]。
ようこう級の輸送能力は20フィートコンテナ換算では数十本程度とされる[2]。海上自衛隊呉基地に配備されるが、操艦するのは大半が陸上自衛官である。機関銃を装備するが、火砲は装備されない。
台湾有事や、尖閣列島など南西諸島への侵攻を想定して、ようこう級が本土(九州や本州)と奄美大島や沖縄本島間の輸送を担い、にほんばれ型輸送艦がそれらの大きな島から宮古島や石垣島などへの輸送を、両級の接岸が難しい小島には機動舟艇が上陸・補給を担当する予定となっている[1]。
艦分類記号のLSVは自衛隊では初めての分類で、外国ではアメリカ陸軍が運用するフランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦が使用している。また1番艦ようこうの艦番号4101は、あつみ型輸送艦1番艦あつみ(LST-4101)を踏襲している。
構造
[編集]居住区前方に貨物倉、居住区下方に車両通路を有しており、貨物の荷役は艦首及び艦尾右舷側に設けられた歩板装置(ランプウェイ)を通じて行われる。艦首は球状型(バルバス・バウ)で、艦尾は2機2軸推進のシャフトブラケット型船型となっている。減揺装置として船体形状に合わせたビルジキールを装備。乗員及び便乗者を運送するため多層構造の居住区を採用している。艦首尾の歩板装置は右舷側に向けて配置されている。また、港内での操船性を高めるため、推力5トンのバウスラスタ1基を装備している[4]。
にほんばれ型やフランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦とは異なり、ビーチングの機能は有しておらず、RO-RO船の機能を有している。
同型艦
[編集]艦番号 | 艦名 | 造船所 | 起工 | 進水 | 竣工 | 除籍 | 所属 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
LSV-4101 | ようこう | 内海造船瀬戸田工場 | 2024年 (令和6年) 11月28日 |
自衛隊海上輸送群(仮称)(予定) |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k 輸送艦「ようこう」進水式/自衛隊 南西諸島防衛強化へ『毎日新聞』朝刊2024年11月29日(社会面)
- ^ a b “まるでカーフェリー! 新たな自衛艦がデビュー 配備先は自衛隊の「異色の運び屋」まもなく新編へ”. 乗りものニュース (2024年11月28日). 2024年11月28日閲覧。
- ^ 「自衛隊海上輸送群 小型船舶初公開 広島で進水式」『産経新聞』朝刊2024年10月30日(社会面)
- ^ “『ようこう』 | 過去の進水式 | 内海造船株式会社 NAIKAI ZOSEN CORPORATION”. www.naikaizosen.co.jp. 2024年11月28日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 輸送艦(LSV)「ようこう」命名式・進水式:陸所自衛隊広報チャンネル/YouTube