とんでけブッチー
『とんでけブッチー』はNHK総合テレビの幼児向け番組『おかあさんといっしょ』のコーナー。1971年(昭和46年)4月5日から1974年(昭和49年)3月25日まで放送[1]。
概要
[編集]『おかあさんといっしょ』の月曜後半のコーナーとして放送されていた物で、原作・飯沢匡、人形デザイン・土方重巳の子供向け着ぐるみ劇、という点では第1作『ブーフーウー』などと同じ流れを汲んでいる。
子供部屋にあるぬいぐるみのブッチー、ペンチー、フトッチーのトリオが熱気球に乗り、オープニングの歌に合わせて部屋に掲げられている4枚の絵のうち1枚の中へと毎週交替で飛び込んでいき、絵の中の世界にいる人達との交流や、またある時は葛藤、といった物語を繰り広げた[2][3]。15分の枠内で冒険活劇的に着ぐるみ劇が展開された後、再び熱気球に乗り込み、子供部屋に戻って来ると彼らは再びぬいぐるみに、という設定である。
着ぐるみや小さな人形のほか、ペープサートも使われた。
ペンチーは前々作『ダットくん』のピョン子ちゃん以来の女の子キャラクターで、姉妹ではなく友達、哺乳類以外の動物(鳥類)が選ばれた初のメインキャラクターとなった[注釈 1][5]。また、フトッチーは歴代人形劇で初めて、男性声優が声を当てた男の子キャラクターである。以後、現在まで「男性声優が声を担当するキャラクター」が各作品に必ず1人以上登場している[注釈 2][7][8]。さらに、ブッチー役の大山のぶ代は『ブーフーウー』から今作まで全ての作品に出演し[注釈 3]、出演数4回[注釈 4]は『ファンターネ!』までで歴代最多である[注釈 5]。
最初の2年間は訪問先が南方の島、アラビア、江戸時代(と思われる)の日本の城、メキシコの4ケ所で、メキシコではブーフーウーとライバルのオオカミが再登場し、ブッチー達一行と交流するストーリーだった[注釈 6]。一方、日本の城では間の抜けたペンギン好きの殿様や家老との交流と一行を付け狙う侍との攻防が描かれた[注釈 7]。放送開始から2年後には南方の島とメキシコに替わって、アメリカの岩石砂漠とアルプスの村が新たに登場した。
NHKには映像は現存していない[13]。
登場キャラクター
[編集]メインキャラクター
[編集]- ブッチー
- 声 - 大山のぶ代
- 元気な犬の男の子。三角帽子を被っている[1]。立ち位置は右。トリオの中では最も礼儀正しく、行動も冷静。
- ペンチー
- 声 - 堀絢子
- ペンギンの女の子。頭にリボンを着けている[1]。立ち位置は中央。トリオの紅一点。口やかましく、よくフトッチーと口論になる。
- なお、彼女のみ服を着ておらず、これは歴代着ぐるみキャラクターで初めてのことだった[14]。
- フトッチー
- 声 - 愛川欽也(1971年4月5日から1973年3月26日まで)→はせさん治(1973年4月2日から1974年3月25日まで)
- ブッチーの兄にあたる犬。縞模様の三角ニット帽を被っている[1]。立ち位置は左。ブツブツと文句が多く、ややひねくれ者。気球は彼が操縦。
サブキャラクター
[編集]『ブーフーウー』からのゲストキャラクター
[編集]主題歌
[編集]スタッフ
[編集]備考
[編集]- 2024年(令和6年)3月現在では定番になりつつある、着ぐるみのメインキャラクターが3人以上の作品で、名前が呼ばれたり、書かれたりする順番の2番目が「女の子」、締めが「男性声優が演じるキャラクター」を最初に取り入れた作品である[注釈 8][7][8]。
- メキシコ編でのオオカミの声は本作でも永山一夫が演じた。永山はこの出演を終えて北朝鮮へ移住、その後消息は不明になっている。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ サブキャラクターも含めれば『ブーフーウー』に登場した、インコのペロちゃん以来になる[4]。
- ^ 基本は男の子キャラクターだが、第13作『ガラピコぷ〜』のガラピコのみ性別不明[6]。
- ^ 『ダットくん』のゴンタくんのみメインキャラクターではない[9][7]。
- ^ 後に『おかあさんといっしょ』土曜枠限定で放送された『ミューミューニャーニャー』のブル子さんも含めれば、5回になる[10]。
- ^ 次いで多いのは、第8作『にこにこ、ぷん』で、ふくろこうじ・じゃじゃまる、ぽろり・カジリアッチIII世の声を担当した肝付兼太と中尾隆聖の3回[7][8]。
- ^ ブー役は小原乃梨子、ウー役は増山江威子が担当。
- ^ そのためペンチーは、殿様から気に入られた。
- ^ 前者は『にこにこ、ぷん』の「ふぉるてしも・ぴっころ」(ぴっころ)、第10作『ぐ~チョコランタン』のアネム、第11作『モノランモノラン』のスイリン、第12作『ポコポッテイト』のミーニャがこれに該当する[16]。後者に至っては『ぐ〜チョコランタン』から継続中である。
出典
[編集]- ^ a b c d “おかあさんといっしょ とんでけブッチー”. NHKアーカイブス. NHK. 2024年3月5日閲覧。
- ^ 「昭和四七年度NHK学校放送番組 幼稚園・保育所/小学校の部」『放送教育』第26巻第9号、日本放送教育協会、1971年12月1日、86頁、NDLJP:2341328/43。
- ^ 「幼稚園保育所」『放送教育』第28巻第11号、日本放送教育協会、1974年2月1日、74頁、NDLJP:2341354/38。
- ^ “おかあさんといっしょ 「ブーフーウー」”. NHKアーカイブス. NHK. 2024年3月5日閲覧。
- ^ “「おかあさんといっしょ」歴代キャラクターを徹底紹介!人気順は?”. エントピ. HACK Media Solution (2022年5月31日). 2024年1月4日閲覧。
- ^ “「おかあさんといっしょ」2016年春からの新人形劇「ガラピコぷ~」を紹介します♪”. すくコム. NHKエデュケーショナル (2016年1月28日). 2023年2月9日閲覧。
- ^ a b c d “NHKおかあさんといっしょの歴代キャラクター一挙公開!豪華声優陣も♡”. mamagirl. Donuts (2020年8月22日). 2023年8月12日閲覧。
- ^ a b c “「おかあさんといっしょ」新人形劇に中尾隆聖、平原綾香、四宮豪が出演”. アニメハック. エイガ・ドット・コム (2022年4月18日). 2023年8月12日閲覧。
- ^ “おかあさんといっしょ ダットくん”. NHKアーカイブス. NHK. 2024年3月5日閲覧。
- ^ “おかあさんといっしょ ミューミューニャーニャー”. NHKアーカイブス. NHK. 2024年3月5日閲覧。
- ^ おかあさんといっしょ - NHKクロニクル
- ^ おかあさんといっしょ - NHKクロニクル
- ^ 高橋浩一郎「NHK幼児向けテレビ番組の変遷―『おかあさんといっしょ』から広がった在宅向け幼児番組―」『NHK放送文化研究所 年報2020 第64集』、NHK出版、2020年1月30日、216頁。
- ^ “おかあさんといっしょ「歴代人形劇」についてまとめています”. RENOTE. DoubleDown (2023年4月1日). 2023年4月10日閲覧。
- ^ “とんでけブッチー”. 歌ネット. ページワン. 2023年3月25日閲覧。
- ^ “【モノランモノラン】世代がわかる!?「おかあさんといっしょ」の歴代人形劇【にこにこぷん】”. RENOTE. DoubleDown (2022年12月24日). 2024年1月4日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]NHK総合テレビジョン おかあさんといっしょ内人形劇 | ||
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とんでけブッチー
(1971年4月5日 - 1974年3月25日) |