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④計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

④計画(マルよんけいかく)は、大日本帝国海軍の海軍軍備計画。正式名称は第四次海軍軍備充実計画だが、通称として○の中に数字を入れてマル4(まるよん)計画と呼ばれた。海軍国防所要兵力整備十年構想の後半六ヵ年計画にあたるものである。

計画概要

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  • 計画年次
    昭和十四年度より同十九年度までの六ヵ年計画(航空隊整備計画は同十八年度まで)。
    ※ アメリカの第二次ヴィンソン案成立を受け、当初構想で昭和十五年度着手予定のところを一ヵ年繰り上げた。
  • 計画概要
    • 艦艇80隻建造、航空隊75隊整備。
  • 予算総額
    • 艦艇建造予算:12億0578万円
    • 航空隊整備予算:3億7294万1千円

艦艇

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※ 建造されなかった第128-129、153号艦の予算は大和型に流用された。従って戦艦の単艦金額は1億4770万円である。

航空隊

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追加・計画変更

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構想段階からの変更

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本計画は初期構想より以下の変更が行われたことが確認されている。

昭和十六年度計画

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  • 練習艦 - 1隻(6000t、766万円)
    • 香取型 ※ 建造中止
      • 第237号艦(橿原)

計画策定の背景

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④計画③計画と同様に海軍国防所要兵力整備十年構想の後期計画に相当するものである。実際に建造された数量と構想との差異を比較すると以下のようになる。

艦種 計画 実際 差異
主力艦 2 2 0
航空母艦 3 1 -2
甲巡 6 0 -6
乙巡・旗艦巡 21 6 -15
駆逐艦 48 23 -25
潜水艦(旗艦) 5 1 -4
潜水艦(巡洋) 12 14 +2
潜水艦(海大) 28 10 -18

以上のように、④計画は想定された整備構想の予定を大幅に割り込み、実現できなかった。

計画完成時の戦時編制案

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[1]

連合艦隊第1艦隊
同 第2艦隊
同 第3艦隊
  • 第11戦隊
    • 砲艦11・二等駆逐艦5
    • 第1砲艇隊
      • 砲艇16
    • 第2砲艇隊
      • 砲艇16
    • 第3砲艇隊
      • 砲艇16
  • 第12戦隊
  • 第13戦隊
  • 第5水雷戦隊
    • 神通・駆逐艦16
    • 特設水雷母艦1
  • 第5潜水戦隊
  • 第5航空戦隊
    • 神威・特設水上機母艦5
  • 第1根拠地隊
  • 第2根拠地隊
同 第4艦隊
  • 第14戦隊
  • 第15戦隊
  • 第16戦隊
    • 特設巡洋艦6
  • 第6水雷戦隊
    • 那珂・駆逐艦16
    • 特設水雷母艦1
  • 第4潜水戦隊
  • 第3根拠地隊
  • 第4根拠地隊
  • 第5根拠地隊
  • 第6根拠地隊
  • 艦隊附属
    • 特設監視艇(甲)18
同 第5艦隊
  • 第17戦隊
  • 第18戦隊
    • 特設巡洋艦2・特設水上機母艦2
  • 第19戦隊
    • 特設巡洋艦2・特設水上機母艦2
  • 第20戦隊
    • 特設巡洋艦2・特設水上機母艦2
  • 第21戦隊
  • 第7根拠地隊
  • 艦隊附属
    • 海大3・特設監視艇(甲)27
同 第6艦隊
  • 第1潜水戦隊
    • ④巡丙1香取長鯨
    • 伊10・第1潜水隊(巡潜3)・第2潜水隊(巡潜3)・第3潜水隊(巡潜2・④巡潜1)
    • 伊11・第15潜水隊(④巡潜3)・第16潜水隊(④巡潜3)・第17潜水隊(④巡潜3)
  • 第2潜水戦隊
    • ④巡丙1・鹿島・特設潜水母艦1
    • 伊9・第5潜水隊(巡潜3)・(巡潜2・④巡潜1)・(④巡潜3)
    • 伊8・第11潜水隊(海大2・④海大1)・第12潜水隊(海大3)・第20潜水隊(海大3)
同 基地航空艦隊
  • 第1基地航空隊
    • 松島空・香取空・特設航空機運搬艦2
  • 第2基地航空隊
    • 豊橋空・横浜空・特設航空機運搬艦2
  • 第5基地航空隊
    • 美幌空・千歳空・三沢空・特設航空機運搬艦3
連合艦隊附属
  • 第3潜水戦隊
    • 阿武隈・伊7・(④海大3)・(④海大3)・(④海大3)
  • 第22戦隊
  • 第23戦隊
    • 特設巡洋艦4
  • 第3基地航空隊
    • 高雄空・新竹空・特設航空機運搬艦2
  • 第4基地航空隊
    • 鹿屋空・特設航空隊1・④飛母1・特設航空機運搬艦3
  • 第6基地航空隊
    • 台南空・特設航空隊1・特設航空機運搬艦4
  • 第7基地航空隊
    • 元山空・松江空・特設航空機運搬艦2
  • 瑞穂摂津明石・特設工作艦3

関連事項

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  • ①-③の諸計画が「海軍軍備 補充 計画」であるのに対して本計画は「海軍軍備 充実 計画」であり、本計画により帝国海軍の軍備計画が新たな段階に入ったことを示している。

脚注

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  1. ^ 昭和19年度戦時編制案。昭和13年10月策定。防衛省戦史研究室所蔵資料。

参考文献

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関連項目

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