コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「フィリップス・レコード」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2017年6月}}
{{出典の明記|date=2017年6月}}
'''フィリップス・レコード'''('''Philips Records''')は、[[オランダ]]の巨大企業[[フィリップス]]により創設された[[レコード・レーベル]](音楽部門)である。Philips Phonografische Industries (PPI)にり[[1950年]]スタートした。
'''フィリップス・レコード'''('''Philips Records''')は、[[オランダ]]の電気メーカー「フィリップスにより創設された[[レコード・レーベル]]である。フィリップスがオランダのバーンに近代的な工場を設立し、Philips Phonografische Industries (PPI)を通じてレコード事業出したのは[[1951年]]のことだった。<ref>フィリップ・レコード第1回発売月報(日本ビクター発行)による</ref>
クラシック系ではアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ハーグ・フィルハーモニー等,ポピュラー系ではジュリエット・グレコ、イブ・モンタン等を擁していた。

== 解説 ==
== 解説 ==
[[1950年]]代はアメリカ[[コロムビア・レコード]]のイギリス支社が供給した。この頃米コロムビアがフィリップスのクラシック音源を販売するために設立たのが[[エピック・レコード]]である
アメリカ市場では[[1953年]]米コロムビアが[[フィリップス]]と提携[[エピック・レコード]]を創設し、販売窓口となっていた<ref>岡俊雄著「マイクログルーヴからデジタルへ」上巻 1981年ラジオ技術社</ref>


現在は[[ユニバーサル ミュージック グループ]]の一部にある。
現在は[[ユニバーサル ミュージック グループ]]の一部にある。
10行目: 10行目:


== 沿革 ==
== 沿革 ==
*1950年 [[フィリップス]]により創設。
*1951年 [[フィリップス]]により創設。
*[[1957年]]5月27~28日 初のステレオ録音を、アムステルダムにて行う([[エドゥアルト・ファン・ベイヌム]]指揮による[[ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]]による演奏で、[[ドビッシー]]作曲の「[[海 (ドビュッシー)|海]]」、「[[夜想曲 (ドビュッシー)|夜想曲]]」、「[[英雄的な子守歌]]」、「[[スコットランド風行進曲]]」を録音。<ref>この録音のCDは現在、日本の[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]から発売されている(CD番号:UCCP-3336)</ref>)。
*[[1957年]]5月27~28日 初のステレオ録音を、アムステルダムにて行う([[エドゥアルト・ファン・ベイヌム]]指揮による[[ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]]による演奏で、[[ドビッシー]]作曲の「[[海 (ドビュッシー)|海]]」、「[[夜想曲 (ドビュッシー)|夜想曲]]」、「[[英雄的な子守歌]]」、「[[スコットランド風行進曲]]」を録音。<ref>この録音のCDは現在、日本の[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]から発売されている(CD番号:UCCP-3336)</ref>)。
*1962年 シーメンス傘下の[[ドイツ・グラモフォン]](DGG)と業務提携しDGG/PPIグループを形成。
*1962年 シーメンス傘下の[[ドイツ・グラモフォン]](DGG)と業務提携しDGG/PPIグループを形成。
72行目: 72行目:


== 日本での事業 ==
== 日本での事業 ==
*日本では、[[1956年]]に[[日本コロムビア]]系列の[[日蓄工業]]より[[エピック・レコード]]として発売されたのが最初である。但し、この時点ではオランダ・[[フィリップス]]との直接契約ではなく、米コロムビア経由の発売であった。<ref>エピックレコード第1回発売月報 1956年9月号(日蓄工業株式会社発行)</ref>日蓄工業は当初発売も販売も自社で行っており、[[1956年]]7月27日に[[日本レコード協会]]にも加盟していた。<ref>日本レコード協会五十年史 1993年3月1日発行</ref>その為、[[エピック・レコード]]の中には、オランダ・フィリップスにはない米独自の原盤によるものも含まれていた。(ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の録音など)
*日本では、[[1960年]]に[[エピック・レコード]]のフィリップス制作[[原盤権|音源]]の発売権が[[日本コロムビア]]から[[JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント|日本ビクターレコード事業部]]に移行し、「フィリップス」レーベルが使用されたのがはじまりである。
**その後、日本ビクターレコード事業部内にさらにフィリップス事業部が設立され、[[1966年]]には邦楽作品のレコード制作を開始。邦楽制作開始当時は、[[シンコー・ミュージック・エンタテイメント|新興楽譜出版社]]が原盤の共同制作に当たっていた。1970年8月1日にフィリップスと日本ビクターと[[松下電器]]の合弁で「'''日本フォノグラム'''」として独立。以来、国内レーベル仕様では特にシングル部門などでは「日本フォノグラム」の表記が目立った。
*その後、日本ビクターレコード事業部内にさらにフィリップス事業部が設立され、[[1966年]]には邦楽作品のレコード制作を開始。邦楽制作開始当時は、[[シンコー・ミュージック・エンタテイメント|新興楽譜出版社]]が原盤の共同制作に当たっていた。1970年6月1日にフィリップスと日本ビクターと[[松下電器]]の合弁で「'''日本フォノグラム'''」として独立。以来、国内レーベル仕様では特にシングル部門などでは「日本フォノグラム」の表記が目立った。
**1984年に自社販売から、ポリドールに販売元を移管する。
*1984年に自社販売から、ポリドールに販売元を移管する。
**1979年から1987年までは、「[[ベルテルスマン]]」が買収した「[[アリスタ・レコード]]」の発売を担当していた。その後、[[ポリグラム]]の買収によりグループの一社となる。海外アーティスト・クラシックの販売業務などについては1993年までに日本ポリグラムに事業移管される。[[1988年]]頃に邦楽部門の撤退措置。[[1992年]]から邦楽部門再開。
*1979年から1987年までは、「[[ベルテルスマン]]」が買収した「[[アリスタ・レコード]]」の発売を担当していた。その後、[[ポリグラム]]の買収によりグループの一社となる。海外アーティスト・クラシックの販売業務などについては1993年までに日本ポリグラムに事業移管される。[[1988年]]頃に邦楽部門の撤退措置。[[1992年]]から邦楽部門再開。
**1995年に'''[[マーキュリー・レコード|マーキュリー・ミュージックエンタテインメント]]'''に社名変更し、2000年には親会社にあたる[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]に事業譲渡して解散。レーベルおよび制作部門は旧キティ・エンタープライズと合流した[[社内カンパニー]]「キティMME」を経て、「ユニバーサルJ」または「ユニバーサルシグマ」となっている。
*1995年に'''[[マーキュリー・レコード|マーキュリー・ミュージックエンタテインメント]]'''に社名変更し、2000年には親会社にあたる[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサルミュージック]]に事業譲渡して解散。レーベルおよび制作部門は旧キティ・エンタープライズと合流した[[社内カンパニー]]「キティMME」を経て、「ユニバーサルJ」または「ユニバーサルシグマ」となっている。
**PHILIPSロゴが停止したのに伴い、日本フォノグラム時代より発売されているキャロルのアルバムやCD選書などの旧譜のカタログは品番と価格に変更はないが、随時ユニバーサルのレーベルロゴと制作元のクレジットがユニバーサルミュージック・USMジャパンに変更された上で、製造出荷されている。
*PHILIPSロゴが停止したのに伴い、日本フォノグラム時代より発売されているキャロルのアルバムやCD選書などの旧譜のカタログは品番と価格に変更はないが、随時ユニバーサルのレーベルロゴと制作元のクレジットがユニバーサルミュージック・USMジャパンに変更された上で、製造出荷されている。
**フィリップスレコード及びキティMME所属アーティスト[[原盤権]]は、基本的にユニバーサルミュージックが承継している。
*フィリップスレコード及びキティMME所属アーティスト[[原盤権]]は、基本的にユニバーサルミュージックが承継している。
**[[シングル|8cmCDシングル]]規格パーティには当初、加盟しなかった。
*[[シングル|8cmCDシングル]]規格パーティには当初、加盟しなかった。


=== 所属していたアーティスト ===
=== 所属していたアーティスト ===

2021年8月26日 (木) 13:11時点における版

フィリップス・レコードPhilips Records)は、オランダの電気メーカー「フィリップス」により創設されたレコード・レーベルである。フィリップスがオランダのバーンに近代的な工場を設立し、Philips Phonografische Industries (PPI)を通じてレコード事業に乗り出したのは1951年のことだった。[1] クラシック系ではアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ハーグ・フィルハーモニー等,ポピュラー系ではジュリエット・グレコ、イブ・モンタン等を擁していた。

解説

アメリカ市場では1953年に米コロムビアがフィリップスと提携してエピック・レコードを創設し、販売窓口となっていた。[2]

現在はユニバーサル ミュージック グループの一部にある。

フィリップス・クラシック・レコードは同社のクラシック音楽部門であったが、現在はユニバーサルミュージックデッカ・レコードに統合されている。長らく茶色の横帯がジャケットに入るのが特徴だった。

沿革

現状

資本的にフィリップス系列を離れたことから、これまでフィリップスレーベルで発売された音源の内、クラシック以外は順次マーキュリー・レーベルに切り替えられた。クラシックのみフィリップスレーベルが存続していたが、2009年からは、順次デッカレーベルで再発売されている。

フィリップスへ録音している主な演奏者(クラシック)

日本での事業

  • 日本では、1956年日本コロムビア系列の日蓄工業よりエピック・レコードとして発売されたのが最初である。但し、この時点ではオランダ・フィリップスとの直接契約ではなく、米コロムビア経由の発売であった。[5]日蓄工業は当初発売も販売も自社で行っており、1956年7月27日に日本レコード協会にも加盟していた。[6]その為、エピック・レコードの中には、オランダ・フィリップスにはない米独自の原盤によるものも含まれていた。(ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の録音など)
  • その後、日本ビクターレコード事業部内にさらにフィリップス事業部が設立され、1966年には邦楽作品のレコード制作を開始。邦楽制作開始当時は、新興楽譜出版社が原盤の共同制作に当たっていた。1970年6月1日にフィリップスと日本ビクターと松下電器の合弁で「日本フォノグラム」として独立。以来、国内レーベル仕様では特にシングル部門などでは「日本フォノグラム」の表記が目立った。
  • 1984年に自社販売から、ポリドールに販売元を移管する。
  • 1979年から1987年までは、「ベルテルスマン」が買収した「アリスタ・レコード」の発売を担当していた。その後、ポリグラムの買収によりグループの一社となる。海外アーティスト・クラシックの販売業務などについては1993年までに日本ポリグラムに事業移管される。1988年頃に邦楽部門の撤退措置。1992年から邦楽部門再開。
  • 1995年にマーキュリー・ミュージックエンタテインメントに社名変更し、2000年には親会社にあたるユニバーサルミュージックに事業譲渡して解散。レーベルおよび制作部門は旧キティ・エンタープライズと合流した社内カンパニー「キティMME」を経て、「ユニバーサルJ」または「ユニバーサルシグマ」となっている。
  • PHILIPSロゴが停止したのに伴い、日本フォノグラム時代より発売されているキャロルのアルバムやCD選書などの旧譜のカタログは品番と価格に変更はないが、随時ユニバーサルのレーベルロゴと制作元のクレジットがユニバーサルミュージック・USMジャパンに変更された上で、製造出荷されている。
  • フィリップスレコード及びキティMME所属アーティスト原盤権は、基本的にユニバーサルミュージックが承継している。
  • 8cmCDシングル規格パーティには当初、加盟しなかった。

所属していたアーティスト

あ行
伊藤敏博とあみんの原盤権はヤマハミュージックパプリッシングが所持しているため、現在伊藤の分はテイチクエンタテインメントから、あみんの分はキングレコードから発売中。
か行
さ行
た行
な行
は行
いずれも日本ビクター時代(※は日本フォノグラムとして独立後も引き続き在籍)。原盤権シンコー・ミュージック・エンタテイメントが所持しているため、現在はクロニクルから発売中。
ま行
や行
ら行
わ行

脚注

  1. ^ フィリップス・レコード第1回発売月報(日本ビクター発行)による
  2. ^ 岡俊雄著「マイクログルーヴからデジタルへ」上巻 1981年ラジオ技術社
  3. ^ この録音のCDは現在、日本のユニバーサルミュージックから発売されている(CD番号:UCCP-3336)
  4. ^ この録音のCDはかつてCD番号:411 473-2で発売されたことがあるが、現在は廃盤である。
  5. ^ エピックレコード第1回発売月報 1956年9月号(日蓄工業株式会社発行)
  6. ^ 日本レコード協会五十年史 1993年3月1日発行

外部リンク

');