「56式自動歩槍」の版間の差分
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2012年2月16日 (木) 07:58時点における版
このページ名「56式自動歩槍」は暫定的なものです。 代案としては56式小銃、56式 (小銃)、56式アサルトライフルがあります。 議論はプロジェクト‐ノート:軍事/話題/記事の差し戻し提案を参照してください。(2010年1月) |
折り畳み式銃剣付きの56式自動歩槍(上)とAKS-47(下) レシーバーは削り出し加工の初期型。 | |
概要 | |
---|---|
種類 | 軍用ライフル |
製造国 | 中国 |
設計・製造 |
ミハイル・カラシニコフ(設計技師) |
性能 | |
口径 | 7.62mm |
銃身長 |
414mm(56式、56-1式、56-2式) |
ライフリング | 4条右回り |
使用弾薬 | 7.62mm×39 |
装弾数 |
20連ショートマガジン |
作動方式 | ガス圧作動、ターンロックボルト |
全長 |
874mm(56式) |
重量 |
4300g(56式) |
発射速度 | 600~650発/分 |
銃口初速 | 735 m/s |
有効射程 | 400m |
56式自動歩槍(56式自动步枪)は、1956年から中華人民共和国で、ライセンス生産されたAK-47III型のコピーである。中国北方工業公司(ノリンコ社)が製造を担当し、現在までに1,000万から1,500万挺が製造されたといわれている。ソ連崩壊時にAK-47の生産元が民営化されてからは、ライセンスの効力が無くなったと主張してライセンス料を支払っていない[1]。中国人民解放軍全体で使用された他、様々な国の軍隊や武装勢力に供与された。 現在は生産は中止されている。
中華人民共和国が製造した銃には56式自動歩槍と同様に“56式”の名を冠した56式半自動歩槍(SKSカービンのライセンス生産品)と56式班用機槍(RPD軽機関銃のライセンス生産品)が存在するが、これ以降は特に必要が無い限り56式とのみ表記する。
特徴
基本的な構造はAK-47のIII型をベースとしている。前期生産型はAK-47と同様にフレームを削り出し加工で作っていたが、1960年代中ごろ以降の生産型ではAKMと同様のプレス加工に変更されている。
56式の最大の特徴はフロントサイトのカバーであり、ソ連を初めとする他の国で製造されたAKはカバーが上部まで達していないのに対して、56式は上部まで覆われ円柱形になっている[2]。
また、自国向けのモデルは切替軸部の表記が漢字で、輸出モデルは単射がD(単、ダン)で連射がL(連、レン)となっているようだが、実際は人民解放軍の写真でも両者が混在するものが見られる。
ちなみに、銃口に取り付けられる折り畳み式のスパイク型銃剣が特徴と思われる事が多いが、重心が前方により過ぎる上、実戦に使える代物ではなかったため、特にゲリラや民兵といった規律が厳しくない集団が使用する場合、銃身から取り外されていることが多い。実際に使用した元傭兵の高部正樹は、スパイク型銃剣によるバランスの悪さから、自著で「AKのバリエーションの中では珍しく駄作」と発言している。このためか、輸出型ではオリジナルや東欧諸国製のAK-47/AKMと同じ着脱式ナイフ形銃剣を装着するようになっていることも多い。
さらには、多くのソ連製以外の7.62mm口径のAKがAKMをベースとしているのに対し、56式は比較的古い時点のライセンス生産品であるため、斜めに切り落としていない銃口[3]、銃身に対して並行になっていない曲銃床、強化リブの付いていないレシーバー上部のダストカバー、左右へのふくらみのない下部ハンドガードなど、AKMよりも原型のAK-47に近いデザインをしている部分が多い[4]。
90年代に登場した大量生産された廉価版の実射性能の方は、質より量を重視したためにソ連純正のAK-47に劣るようで、アメリカ向けの輸出モデル(元はセミオートだったものをフルオートに再改造)を連射していると、木被から火が噴き出るという動画が存在する。アームズマガジンの記事によると、様々なAKが混在しているニカラグアにおいても「中国製のAKはたとえ単発でも10発も撃っていると、銃身に陽炎ができて照準が合わせられなくなる」という意見が異口同音に語られていたという要出典
中国語版のウィキペディアでも、56式はAK49がモデルだとされている。
実戦投入
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(※この項目は出典や根拠がほとんど有りません。)
中国はワルシャワ条約機構に加盟こそしていなかったものの、1960年代に対立が表面化するまでは共産主義国家としてソ連から軍事援助を受けており、東側兵器の多くを製造していた。56式もその内の一つだが、中国ではソ連から購入した生産ライセンスの期限が切れた後も製造を続け、第三国の軍隊に供与、或いは売却した。
特に有名なのはベトナム戦争における北ベトナム軍と南ベトナム解放民族戦線であろう。北ベトナム軍とベトコンでは56式はソ連製や東欧製のAKと共に使用されており、1979年の中越戦争においても使用されている。中国人民解放軍自身も中越戦争のときの主力小銃は56式であった。
また、1980年代のソ連のアフガニスタン侵攻においてはCIAの資金援助によって大量の56式がムジャーヒディーンに供与されており、ソ連軍撤退後に続いた内戦においてもターリバーンや北部同盟をはじめとする各軍閥においてソ連製オリジナルや東欧諸国製のAKに混じって使用され続けた。
イラン・イラク戦争においても中国はイランとイラクの双方に56式を輸出し、双方が使用した。
1983年から始まったスリランカ内戦においては、スリランカ政府軍が1980年代中ごろからFN FALとH&K G3の後継小銃に56式を選定して使用したほか、タミル・イーラム解放のトラも政府軍から鹵獲した56式を使用している。
ミャンマー(ビルマ)では、1960年代後半から同国内での反中運動の高まりに対する同政府の対応への不満と、中国の文化大革命の「革命輸出」路線により、中国に接するシャン州北部を支配下とするビルマ共産党に対して中国が支援を行うようになった。これは大々的に行われ、一時期は紅衛兵や軍事顧問の派遣すら行われた。こうした同共産党への軍事支援の一環として56式など中国製の装備が大量供与された。90年代以降、中国とミャンマー政府が急速に接近し、同共産党も内部崩壊したものの、中国からの支援は細々と続けられており、ワ州連合軍などの分裂した後身の少数民族民兵組織(軍閥)が使用している。これらの民兵組織は中国式の(旧式の)装備を保有し、中国式の訓練を施されている。
一方、ミャンマー政府軍はH&K G3及びガリルを主力小銃とし、国内でライセンス生産して装備している。しかし、少数の鹵獲・押収した56式も一部の部隊で運用していると見られる。
クロアチア紛争及びボスニア・ヘルツェゴビナ紛争ではクロアチアが56式を導入した[5]他、コソボ紛争においてもコソボ解放軍がアルバニアから流出した56式を使用した。
現在はさらに、イランやサウジアラビア、アルメニアなどという国がこの56式をコピーしている。 またパレスチナ自治区政府もこれを使用している。 日本国内の保守派や反中国的な立場を取る人々からは、56式が平和を破壊していると批難される場合も有る。
(ただし、56式をさらにイランなどがコピーしているために、必ずしもそのアサルトライフルが56式とは限らない。) またこのようなコピー兵器は中国のみに限ったことではない。 ガザ地区を実効支配するハマスが使用する56式はイランが、ダルフール紛争で戦闘を繰り返している民兵組織ジャンジャウィードの装備する56式はスーダン政府がそれぞれ供与したものと見られている。
バリエーション
- 56式自動小銃(56式) - AK-47III型の中国生産版。フレームが切削加工。オリジナルと異なりスパイクバヨネットを備える。
- 56式自動小銃1型(56-1式) - AKS-47と同様の折畳ストックを装備する戦車兵、空挺部隊向けモデル。
- 56式自動小銃2型(56-2式) - 1980年に生産開始された輸出専用型。IMI ガリルとよく似たデザインの側面折畳ストックが特徴で、このストックは81式自動小銃にも使われている。
- 56式自動小銃3型(56-3式) - AKMのコピー。フレームがプレス加工。オリジナルの小改良を各部に施している。
- 56式自動小銃C型(56-C式) - 56-2式をベースとしたショートカービン。ガスバイパスを含む銃身を短縮、木製だったパーツを黒塗りのプラスチック製に変更し、20連ショートマガジンを使用する。
- 56式自動小銃S型(56-S式) - 民間向け輸出専用型。セミオートのみ。
- 56式自動小銃SS型(56-SS式) - ストックを取り外し、さらに短銃身化したもの。
- 56式自動小銃S-1型(56S-1式) - 56-1式の民間向け輸出専用型。セミオートのみ。
- 56式分隊支援火器S-7型(56S-7式) - 56-3式をベースとした分隊支援火器。いわば中国製のRPK軽機関銃。
- NHM-91 - 56S-7式をベースとした民間向け輸出専用型スポーツライフル。セミオートのみ。20インチ長の肉厚銃身。レシーバーはプレス加工。ストックは白樺や榎の木製。
- 84式自動小銃2型 (84-2式) - 56-2式の派生型。側面折畳ストックを装備。5.56mm NATO弾を使用。
- 84式自動小銃S型 (84-S式) - 56-S式の派生型。5.56mm NATO弾を使用。
採用国
中国から共産主義的な軍事政権への援助が行われた場合、必ずといって良いほど56式とそのバリエーションが供与された。現在はそこからさらに、イランやアルメニアなどがコピー品を作り軍事政権やゲリラ、民兵、テロリストへと流れ、大きな社会問題にもなっている(要出典)
ここでは、現在までに56式自動歩槍を制式に採用した経験のある国のみを表記する。
- 中国
- アフガニスタン
- アルバニア
- イラク
- イラン
- インド
- ウガンダ
- エチオピア
- カンボジア
- クロアチア
- コソボ
- スーダン MAZとしてライセンス生産している。[6]
- スリランカ
- ナイジェリア
- パキスタン
- バングラデシュ - 製造ライセンス無し。生産はバングラディッシュ造兵廠が担当。[7]
- ベトナム - 正規軍の他、ベトナム戦争中には南ベトナム解放民族戦線などでも使用された。
- ベナン
- ボリビア
- フィンランド - 戦時ストックとして1990年代初頭に約200,000丁の56式(多くは56-2式)を購入している。
- マルタ
- ミャンマー
- ラオス
注釈
- ^ 松本仁一 「中国製」新幹線や銃を問う
- ^ 厳密には、フロントサイト真上の部分にはねじで照準の上下を調整するために円形の穴があいている。
- ^ AKMの銃口の斜めに切り落とされたマズルブレーキは厳密には銃身とは別の部品であり、サプレッサーやライフルグレネードのソケットなどを装備する際にはこれを取り外す。
- ^ これらの改良点は国ごとに取り入れている部分が異なり、中には独自の改良を加えてあるケースもある。
ルーマニア製のAIM/AIMSや、ハンガリー製のAKM-63及びそのカービンモデルであるAMD-65は垂直のフォアグリップを装備。ユーゴスラビア(セルビア)製のツァスタバ M70は、銃身とガスシリンダーをつなぐガスポートに発射ガス遮断器兼用のライフルグレネード照準器を装備。 - ^ ユーゴスラビア紛争勃発前のユーゴスラビア社会主義連邦共和国でもザスタバ・アームズがAKシリーズを国産化していたが、ザスタバ・アームズの工場はセルビアのクラグイェヴァツに存在しているため、クロアチアではAKシリーズを別途調達する必要があった。
- ^ “MAZ”. Military Industry Corporation. 2009年2月8日閲覧。
- ^ Type 56 Submachine Gun. Retrieved on October 28, 2008.
登場作品
56式シリーズはAK-47シリーズとほぼ同一の外見を持ちながらも、AK-47に比べて遥かに多い生産数を誇り入手が容易であること、程度の良いソ連製オリジナルのAK-47にはある程度のプレミアがつくことから、映画などではコスト削減のため、AK-47シリーズの代用品として用いられる事が非常に多い。 特にハリウッド映画のプロップガン(実銃を改造したもの)などは、大概56式が改造ベースであると考えていい。
関連項目
- 小銃
- アサルトライフル
- 銃の部品
- デッドコピー
- CQ 311 - M16のデッドコピー
- 69式ロケットランチャー - RPG-7のデッドコピー
- 63式自動歩槍
- 81式自動歩槍
- 95式自動歩槍
- 03式自動歩槍