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2009年8月18日 (火) 16:01時点における版
川崎重工業車両カンパニー(かわさきじゅうこうぎょうしゃりょうカンパニー、英語: Kawasaki Heavy Industries Rolling Stock Company)は、川崎重工業の鉄道車両製造部門である。1906年に創業以来、9万両以上の鉄道車両を製造している。2009年時点では神戸市兵庫区にある兵庫工場で生産している。同カンパニーの配下には、建設機械ビジネスセンターと大型構造物ビジネスセンターがある。
概要
- 敷地面積 223,000m²
- 建屋面積 131,500m²
- 月間標準生産能力 客電車80両・機関車8両
川崎造船所時代の1906年に鉄道車両の生産を開始し、客車の他に蒸気機関車の製造も手掛けていた。昭和初期には「川造形」と呼ばれる独特の形態を持った私鉄向け全鋼製車両を製造して各社に供給するなどしていた。1928年に鉄道車両部門を川崎車輛として分社化、国鉄や私鉄、地下鉄向けに各種の鉄道車両を生産してきたが、1969年に再び川崎重工業本体に合併された。
新幹線車両や特急形電車、公営事業者向け車両などに強みがあり、普通鋼製に限らずステンレス鋼製、アルミ合金製など、あらゆる材質の鉄道車両の製造が可能である。JR向けには、「2シート貼り合わせ工法」と呼ばれる従来工法に見られる骨組みを用いない工法(JR東日本の209系車両向けに開発された)によって製作したステンレス車を、通勤・近郊用途に供給している。
この他、台車やホームドア、リニアメトロ用のリアクションプレートを製造している。
ニューヨーク市都市交通局をはじめとする日本国外向けの車両も積極的に受注している。
完成車両の輸送方法
車両を製造している兵庫工場の周辺には和田岬線と兵庫運河がある。完成した車両は以下の方法で運搬される。
- 和田岬線を通して鷹取駅まで運搬後、各事業者の車両基地まで直接運搬(甲種輸送)。主にJRやJRと線路がつながっている私鉄・地下鉄が発注した車両がこの方法を使う。西日本旅客鉄道(JR西日本)向けの場合は鷹取から自力回送することが多い。
- 工場から甲種輸送によって最寄取り降ろし貨物駅まで輸送後、鉄道車両専用のトレーラーを使って、深夜帯に各事業者の車両基地まで運搬。主にJRと線路のつながっていない各私鉄や地下鉄が発注した車両がこの方法を使う。
- 工場から直接鉄道車両専用のトレーラーを使って鉄道事業者の受け取り設備まで道路輸送、地元警察の許可を得て真夜中に各事業者の車両基地まで運搬される。東海旅客鉄道(JR東海)発注の新幹線車両の鳥飼車両基地への輸送、山陽電気鉄道・神戸電鉄・京阪電気鉄道への新造車輸送がこの方法で行われている。
- 工場裏にある兵庫運河から船を使って各事業者の最寄の港まで運搬。主に北海道地区(特に札幌市営地下鉄)の車両や、JR西日本・東日本旅客鉄道(JR東日本)発注の新幹線車両はこの方法を用いる。なお、阪神大震災直後はJR東海向け新幹線車両や京阪向け新造車も泉北港まで海上輸送され、そこからトレーラーで車両基地へ陸送された。
- 日本国外への輸出車両については通関手続の関係上、神戸港までトレーラーで輸送する。
沿革
- 1906年(明治39年) - 川崎造船所運河分工場として創業開始。
- 1907年(明治40年)11月 - 鉄道車両の第一号機を南海鉄道に納入。
- 1919年(大正8年)10月 - 日本初の8時間労働制を導入。
- 1925年(大正14年)11月 - 阪神急行電鉄に日本初の全鋼製車両を納入。
- 1928年(昭和3年)5月 - 川崎車輛として独立。
- 1937年(昭和12年) - 日本初の3両編成流線形電気式ディーゼル動車(キハ43000形)を鉄道省に納入。
- 1957年(昭和32年) - 小田急電鉄に3000形(SE)を納入。
- 1962年(昭和37年) - 日本初の全アルミニウム合金製電車(2000系)を山陽電気鉄道に納入。
- 1969年(昭和44年) - 川崎重工業に吸収合併される。
- 1970年(昭和45年) - 日本初の案内軌条方式ゴムタイヤ地下鉄車両を札幌市交通局に納入。
- 1972年(昭和47年) - 汽車製造株式会社を合併。
- 1980年(昭和55年) - 日本初の実用新交通システムである神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)向けの車両が完成。
- 1983年(昭和58年) - ニューヨーク市地下鉄にR62型ステンレス車両を納入。
- 1989年(平成元年) - 日本貨物鉄道(JR貨物)にEF66形100番台を納入。初期の車両は坂出工場(その後川崎造船に移管)で製造された。
- 1990年(平成2年) - 東海旅客鉄道(JR東海)に300系の試作車両を納入。
- 1995年(平成7年) - リニアモーターカーの試作車両を鉄道総合技術研究所に納入。
- 2000年(平成12年) - 台湾高速鉄道の正式契約を締結。
- 2001年(平成13年) - 社内カンパニー制に移行、鉄道車両製造部門は車両カンパニーになる。
- 2004年(平成16年) - 台湾高速鉄道に700T型を納入。
製品
鉄道車両の製造を中心としている。1980年代以降は日本国外向けの車両も積極的に受注しており、特にニューヨーク市都市交通局への納入は多く、近く同局への納入車両数では最大の企業になる見通しである(これにはアメリカ同時多発テロ事件発生時に倒壊したビルの下にいた同社製車両がほとんど無傷だったことが影響)。そのため、アメリカにも現地法人を立ち上げており、アメリカ向けの車両の一部はそこで製造されている。
また、生産している台車の形式名は、JR向けの動力車用は「DT」、付随車用では「TR」、私鉄・第三セクター・地下鉄向けでは「KW」、京浜急行電鉄向けでは「TH」(台車形式の末端に「K」が付いていることが多い)と表記される。また、私鉄向け台車形式が「KW」になる前には、台車形式が「OK」(岡村 - 川崎の頭文字)になっていた車両もあった。
製造メーカの車内表示は、以前は「(川崎グループのマーク)川崎重工」であったが、二輪車と同じ「(Kマーク)Kawasaki」に変更されているものもある。
JRグループ
九州旅客鉄道(JR九州)とは車両としての取引がない。四国旅客鉄道(JR四国)も5000系まで取引がなかった。
EF66形100番台は一部を除き坂出工場で製造された。
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JR西日本 207系
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JR西日本・東海 N700系
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JR西日本・東海 700系
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JR四国5000系・JR西日本223系
- 小田急電鉄 - ロマンスカーなど。
- 京阪電気鉄道 - 2200系以降の京阪線全車、京津線800系、鋼索線客車(2代目)も製造。
- 京浜急行電鉄 - 2100形など(およそ半数の車両を担当)。
- 東京地下鉄 - 帝都高速度交通営団時代に取引あり(08系は除く。03系は第1編成のみ)。
- 西日本鉄道 - 600形(2代目)以降、鉄道線の全車両。
- 阪神電気鉄道 - 9000系(全車両)、5500系(一部)
- 西武鉄道 - 151系(典型的な昭和初期の川崎造船型。戦後は取引なし)
- 京成電鉄 - 3500形(1979年6月を最後に取引なし)
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京阪電気鉄道 3000系(2代)
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京浜急行電鉄 2100形
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西日本鉄道 3000形
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阪神電気鉄道 9000系
準大手・中小私鉄・第三セクター
- 大阪府都市開発(泉北高速鉄道) - 5000系の一部と7000系の全車両。
- 神戸電鉄 (全車両)
- 埼玉高速鉄道(全車両)
- 山陽電気鉄道(全車両)
- 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス) - TX-1000系(全車両)
- 仙台空港鉄道 - SAT721系 (全車両)
- 東京臨海高速鉄道(全車両)
- 北神急行電鉄(全車両)
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泉北高速鉄道 7000系
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神戸電鉄 5000系
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山陽電気鉄道 5000系
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つくばエクスプレス TX-1000系
公営
- 札幌市交通局 - 地下鉄(全車両)、路面電車(一部)
- 仙台市交通局 - 1000系(全車両)
- 東京都交通局 - 地下鉄は12-000形と10-300形を除く。
- 横浜市交通局 - 1000形(一部)、10000形(全車両)
- 大阪市交通局 - 100系を除く。
- 神戸市交通局(全車両)
- 福岡市交通局
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札幌市交通局 6000形
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大阪市交通局 10系
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神戸市交通局 1000形
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東京都交通局 6300形
モノレール・新交通システム
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神戸新交通 8000型
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大阪モノレール 1000系
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埼玉新都市交通 1010系
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多摩都市モノレール 1000系
日本国外輸出
- SMRTトレインズ(シンガポール) - C151形、C751B形
- 台湾鉄路管理局 - TP32850形三等普通客車、TPK32850形三等普通緩急客車
- 台北捷運 - EMU301(米URCで最終組立)、EMU371
- 台湾高速鉄道 - 700T型
- 中華人民共和国鉄道部(高速鉄道車両を含む)
- ニューヨーク市都市交通局 - R62、R142A
- 九広鉄路(香港) - SP1900形(九広東鉄・九広西鉄・馬鞍山鉄路)、軽鉄二次車(1071-1090,1201-1210)(軽鉄)
- 南満州鉄道 - パシナ形蒸気機関車 他多数
- マサチューセッツ湾交通局
- パナマ運河庁
-
台湾高速鉄道 700T型
-
中国高速鉄道 CRH2型
研究開発中
鉄道関連製品
- ホームドア
- リアクションプレート
- 新幹線車両用連続換気装置
- 新交通システム用自動検査装置
- 鉄道車両用大型環境試験設備
- 鉄道車両用構体荷重試験装置
外部リンク
- 車両カンパニー公式ホームページ
- Kawasaki Rail Car, Inc.(英語)(アメリカ現地法人)