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Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/藍藻 20200111

選考終了日時:2020年1月25日 (土) 00:04 (UTC)2020年2月8日 (土) 00:04 (UTC) 

  • (自動推薦)2019年12月の月間強化記事賞受賞記事。--Trgbot会話2020年1月11日 (土) 00:04 (UTC)[返信]
  • コメント 個人的事情を前置きしますが、体調不良でWikibreak明けのスローペース状態でして、記事全部をきちんと精査できていない段階でいったんこのコメントを寄せます。他の方々からの賛否票いずれも付きづらい状況でしたら、のちほど私の方から査読のため延長申請するかもしれません。
全体的に押さえるべきポイントはカバーされており、出典も手堅いです。ただし、他の記事との重複感が否めず、今後は一部転記を進めていくのが良いのではないかと思います。この提言は、私が先日植物の「レッドエッジ」を突貫工事で新規立項する際に、「光合成」や「クロロフィル」、「Strain 121」、「地下生物圏」 (en: Deep biosphere) などの関連文献も軽く通読した経験に基づきます。特に光合成やクロロフィルとの間での書き分けは難しいですねぇ。
転記 + {{See also}}などで転記先とリンクした上で文字数を削った分、「藍藻」の記事でより充実させるべきは、生物進化論における位置づけですかね。原核生物群の中で唯一、酸素発生型光合成を行うのが藍藻なのですが、この凄さが素人読者には伝わりきっていないといいましょうか。後ろの方で書かれているけれど、そこに到達する前に一般読者は脱落しそうです。私の理解では、地下生物圏に独立栄養 (しかも太陽の光が届かないので光合成以外の手段で自給自足している種) の微生物がいる。その微生物が進化して、陸上に近づくにつれて栄養手段が光合成に変化していく。そして光合成を行う植物を喰らう従属栄養の動物が出てくる...という進化の過程を大きく俯瞰した時、藍藻というのはターニングポイント的で面白い種なのだと思います。現在の導入節の第1段落と第2段落は、この進化論の意味が少しでも分かる人には非常にエキサイティングな文章なのですが、一般読者の目にはつまらなく映ってしまって、とても勿体ないです。WP:LEADを私は良質な記事の選考で重視しているので、できれば導入節は大きく書き換えてほしいです。
加えて、導入節直後の「#体制」節では、単細胞、群体、糸状の3パターンが書かれていますが、淡泊な記述に読めてしまいます。生物進化の文脈が導入節で触れられていれば、導入節直後にまずは体制3パターンを説明すべき理由が一般読者にも伝わるはずです。
この提言を受け入れて頂く場合は、「#進化」節の挿入場所と記述レベル感にも影響が出ます。現在の進化節は11番目とかなり後ろの方に書かれてしまっているのですが、「藍藻の誕生によって地球環境は激変し (好気的環境、有機物安定的供給など)、現在の地球生態系の基礎が築かれた」 「初期の藍藻が生成した酸素は、当初は海水中の鉄などを酸化し (中略)、その後、海や大気中に放出されて地球が急速に酸化的環境に変化していった。この急速な変化は、大酸化事変 (Great Oxygenation Event, GOE) とよばれる」といった文章は、導入節でフィーチャーするに値する重要な内容でしょう。さらには玉突きで、「#分類」節を最後に持ってくるのははたして良いのか。藍藻が植物なのか、細菌なのかという論争は進化論と切り離せないので、全体目次構成的に悩ましいところであります。
いろいろ書きましたが、現時点でざっくり読んだ限りでは良質な記事の水準は大きく上回っていると思います。きちんと読み直してから賛成確定票を入れるつもりです。--ProfessorPine会話) 2020年1月17日 (金) 02:23 (UTC) --ProfessorPine会話) 2020年1月17日 (金) 07:58 (UTC) ⇒ 引用箇所を間違えたので訂正。誤: 打消し線、正: 下線表示。私ならば、今ある地球のオゾン層などは藍藻のような生物がいなければ発達しなかったかも、といったより分かりやすい表現に変えると思います。天文学的には、酸素で覆われている惑星というのはそこそこ珍しいわけで、地球が地球たるゆえんだと思います。このあたりはハビタブルゾーンとかにも出てくるので、よければチラ見してみて下さい (私が現在改訳作業中なのですが)。あと酸化還元、つまり好気と嫌気の違いなどは用語説明しないと分かりづらいので、導入節にそのまま使わない方が良いと思います。--ProfessorPine会話2020年1月17日 (金) 07:58 (UTC)[返信]
返信 記事改訂者です。ご意見ありがとうございます。
とりあえず導入部を改訂してみました。自分としてはこのくらいが限界で (能力的な理由と好みの理由で) ...
「#進化」「#分類」の移動に関してはその方がいいのかもしれませんが、個人的には「#分類」は多くの情報をもとにしたものなので最初の方にはもっていきにくいかなと (最もマニアックになる部分でもあり、最初の方ではない方がいいと感じています) ...「#進化」は「#分類」に最も大きく関わりその前提となるものなので、最近更新している他の記事と同様、このような構成になっています。ただ、藍藻に関しては、確かに「#進化」に関する記事が最も興味を引きやすい話題であると思います。そのため導入部から直接「#進化」へ飛べるようにしてみました。ただ、能力・好みとして「読み物」にはできない・したくない、という部分もあります。
オゾン層についてはご意見ありがとうございます。私は有効なオゾン層の形成はもっと後のことであると誤解していましたが、そうでもないようですね。書き加えてみました。ただ、大酸化事変とはっきり関連づけてよいものかどうかは調べきれておらず、ちょっと不安です。--Neobodo会話2020年1月19日 (日) 14:37 (UTC)[返信]
Neobodoさん、お知らせ頂きありがとうございます。今回の差分を確認しまして、私の知る限りでは正しいと思いますし、より丁寧な説明になったと思います。ちょうど図書館から借りている河原 (2018, 東大出版会, pp. 32-33)が手元にあったので要約すると、約24億年前に大酸化事変英語版が起こったとのこと。で、これを発見した記載論文が、Farquhar & Wing (2003) なのだそうです (←まだこの英語論文は未読です)。オゾン層が出現する前は、硫黄同位体 (アイソトープ) の比率がバラバラだったのが、約24億年前に一定の比率に落ち着いています。この比率がバラバラなのは、紫外線による光化学反応が原因です。つまり24億年前の大酸化事変で急激に酸素濃度が上昇し、オゾン層が形成されたことにより、地球の表面に届く紫外線が遮断されたから、アイソトープの比率が安定した、という理屈のようです。
あと、返却してしまった本にはチューブワームについて書かれていました。深海に住んでいて、硫黄酸化細菌と細胞内で共生している種です。見た目が植物っぽいけど、実は動物。かつ熱水噴出孔に住んでいるので、暑さにも強い。こういう種と、たぶん藍藻はなんだか近いのだろうな、と素人ながら思いました。前回の紅藻の選考の時にも、火山の近くや温泉など劣悪な環境で生きていることに驚いたのですが、チューブワームみたいに地下生物圏から進化してきたら、そりゃ硫黄にも高温にも強い藻がいてもおかしくないな、と。何とも奥深いテーマですね (ほぼ雑談)。この手の話が、導入節の直後に「#前史」みたいな節で軽く触れられていると、たぶん読者はワクワクするし、本論に入る前の良い助走になるんだろうなぁと思うのですが、私も知識がまだ足りないので力になれずすみません。ひとまず、今回の加筆修正箇所のみ、お返事させて頂きました。--ProfessorPine会話2020年1月20日 (月) 16:25 (UTC)[返信]
返信 ありがとうございます。幸いご紹介いただいた論文を読めました (馴染みがない分野なのでちょっと苦しいですが)。おっしゃる通り、24–20億年前の時期には薄いながらもオゾン層が存在していたことが示唆されているようです。もうちょっと読んでみますが、引用文献は入れ替えておきます (恥ずかしながら引用していた文献は出典にはならない内容だったようです)。--Neobodo会話2020年1月21日 (火) 12:30 (UTC)[返信]
チェック 出典差替え箇所、確認致しました。--ProfessorPine会話2020年1月24日 (金) 23:52 (UTC)[返信]
  • 提案 とりあえず2週間、査読・加筆のため期限延長を希望します。--ProfessorPine会話2020年1月20日 (月) 16:25 (UTC)[返信]
  • 賛成 様々な角度からまとめられており、良い記事になっているものと思います。ProfessorPineさんの指摘事項を反映しながら、もう少し出典の付け方を丁寧にすれば、秀逸な記事も望めると思います。門外漢の疑問なので的外れかもしれませんが、「生態」の節、「この種は従属栄養能をもつため、貧栄養でも増殖できる」とあります。従属栄養能ということは、光合成によらず周辺から炭水化物などを得て生きるわけですよね。そうであれば、富栄養の方が増殖しやすく、貧栄養では増殖が困難なのではないかと思ってしまうのですが、どうでしょうか?--Tam0031会話) 2020年1月21日 (火) 14:36 (UTC)ProfessorPineさんのお名前を間違えていました。失礼しました。--Tam0031会話2020年1月23日 (木) 14:07 (UTC)[返信]
返信 コメントありがとうございます。貧栄養や富栄養という用語は確かに誤解されることが多いのですが、この「栄養」とは従属栄養生物にとっての栄養 (有機物) という意味ではなく、光合成生物にとっての栄養 (特に窒素やリンなどの無機塩類) を意味するものだと理解しております。霞ヶ浦のような湖沼ですとこの意味での富栄養が植物プランクトンの大増殖を招き、結果として有機物も多くなりますが、このような有機物は分解されて窒素やリンが有機物から切り離されて再び無機塩になる、というサイクルを繰り返しています。ところが例えば高層湿原のような低温・酸性の環境ですと、外部 (周囲の植物など) からの有機物の流入があっても分解がなかなか進まず、植物プランクトンが利用可能な窒素やリンが少ないままになってしまいます。このような環境では、従属栄養が可能な藻類は、有機物を直接利用することや有機物を分解して得られる窒素などを利用することができるため、有利になると考えられています。本文中で「貧栄養の湖沼」とあった部分を「 貧栄養の (窒素などの無機塩類に乏しい) 湖沼」に変えてみました。また引用文献もよりふさわしいと思われるものがあったので変更しました。--Neobodo会話2020年1月23日 (木) 10:43 (UTC)[返信]
ありがとうございました。納得しました。--Tam0031会話2020年1月23日 (木) 14:07 (UTC)[返信]
  • 賛成 私自身門外漢のためわからないことも多いですが、しっかり文ごとに出典を提示しており、画像も説明に加えて付けられているため、問題ないと思います。--氷川深碧(会話) 2020年1月22日 (水) 10:38 (UTC)[返信]
  • 賛成 構成、情報量、出典とも他の生物に関する良質な記事と比較して十分な内容だと思います。Librotyrannus会話2020年1月24日 (金) 16:25 (UTC)[返信]
  •  追記 全体を通読し、内容的には問題なし。Tam0031さんがおっしゃる通り、ゆくゆくは秀逸な記事を狙える有力候補だと思います。が、外形的な点で2点課題が残ります。1つ目は、ページ名「藍藻」です。これは「シアノバクテリア」に改名すべきと考えます。導入節では「生物学においてはシアノバクテリア (藍色細菌) (英: cyanobacteria) とよばれることが多い」と書かれています。その注釈として高校の教育指導要領でもシアノバクテリアを採用している、と補記されています。さらに私の方で、生物学ではなく専門家が書いた地球史の書籍を5冊チェックしましたが、いずれもシアノバクテリアを採用していました。これについては、私の方で記事ノートページ側に改名提案を提出したいと思います。2つ目は、注釈の出典不足です。注釈にも検証可能性はおよびます (でなければ、本文から注釈に落とした上で、独自研究オンパレードする輩が出てきてしまいますので)。特にシアノバクテリアはどのように分類するか悩ましい細菌だったので、過去の呼称や分類方法を注釈で付記するには、当時の文献を出典提示する必要があるでしょう。
このままだと早期通過の要件を満たすはずなので、最後のコメントとして残しておきます。他の生物記事と比較し、難しい専門用語を使いつつも、それを一般読者でも読み進められるよう、用語の簡易説明をうまく文中に挿入している工夫がなされており、他の生物記事の模範になると思います。これは藍藻に限らず、既に良質な記事に認定されている紅藻でも同じことを感じました。個人的には、藍藻のような進化論的に複合要素が多い記事ではなく、もう少しシンプルな紅藻のような記事から秀逸な記事にエントリーして経験値を溜め、その後に藍藻もエントリーする段階を踏んだ方が良いのかな、と思います。--ProfessorPine会話2020年1月24日 (金) 23:52 (UTC)[返信]
コメント 記事名についてですが、記事のテーマから考えると地球史学は本筋ではないと思います。微生物学または藻類学を根拠に置いた方が良いのではないでしょうか。微生物学ではシアノバクテリアまたは藍色細菌も良く使われていますが、藻類学での使用状況から、現記事名の藍藻でも大きな問題はないと思います。--Crion会話2020年1月25日 (土) 07:28 (UTC)[返信]

賛成のみ3票以上の状態が48時間継続のため、早期終了・通過となります。--Tam0031会話2020年1月27日 (月) 14:49 (UTC)[返信]