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Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/桃山文化 20130511

選考終了日時:2013年5月24日 (金) 18:39 (UTC)

コメント文化史については知識が乏しいことをまずお断りします。全般にわたって評価をする力量も識見もありませんが、文献選択が気になるものが見受けられます。歴史学では、自然科学系のように査読誌掲載の論文以外は文献の名に値しないなどということはなく、一般向けという体裁で書かれた書籍であっても文献として扱ってかまわないことは承知していますが、あまりにもナンセンスな選択が見受けられるようでは、記事自体の信頼性に疑問がついてしまいます。

もっとも顕著な例をひとつだけ挙げると西尾幹二氏の『地球日本史3 江戸時代が可能にした明治維新』です。これは個人的にはまったくありえない選択です。西尾氏はそもそもドイツ文学者であって歴史学者としての訓練は一切受けていませんし、出版元も学術書出版社として評価がある会社ではありません。氏のいわゆる歴史への関与の仕方(プロパガンダや党派的主張のネタ、とまでは言わぬにせよ)からすると果たしてWikipedia:信頼できる情報源と見なしてよいのか不安が残ります。しかもどのように参照されているのかというと、単なる事実についての記述ではなく、脚注内であるとはいえ桃山文化の性格付けに関するかなり踏み込んだ記述です。「一種の古典復興時代ともいうべき状況が現出した」という論述に関してまでは他の歴史学の専門辞典(とはいえ、30年以上前の刊行)によって裏付けられているからおそらく妥当なのでしょうが、果たしてそれを国民形成にまで結び付けるというのは、歴史学・政治学あたりの学会である程度のコンセンサスをもって受け入れられている説なのでしょうか。私には知識がなく直ちには判断できませんが、すくなくとも非専門家であることが明らかな人物の著作を出典として断言するには、あまりにも踏み込みすぎた危険な記述であるようと感じました。むしろ、他の信頼できる専門的文献によって裏付けられるまでは除去するべきかもしれません。『ちょっとまじめな日本史Q&A』については著者については問題ありませんが、使うのであれば掲載されている識見のオリジナルソースに当たるべきではなかったかと感じます。

非常に大きなテーマを扱った意欲的な記事で、そのような力量の無い私には驚嘆の念を禁じえませんが、そうした性格の記事であるだけに冒険をするところではなく、関連する専門分野・学会のコンセンサスの水準を丁寧におさえたかたちで記述されるべきではないかと考えました。--ikedat76会話2013年5月10日 (金) 19:49 (UTC)[返信]

  • 賛成 私も文化史は詳しくないですし、細かく精査する能力もないのですけど、多くの文献に当たりながらとりあえず全体を通してよくまとめられているように思います。Ikedat76さんの指摘された文献選択の問題はあるかもしれませんが、良質な記事の段階でそこまで厳しく見なければならないか、という考えもあるかと思います。査読などを経て、秀逸な記事にしていく段階でそういった面を厳しく見て行けばよいのではないでしょうか。内容的には、生活文化の節が庶民の暮らしの一端が見えて面白かったのですが、食事の点などもう少し詳しく書ければ嬉しいかなと思いました。--Tam0031会話2013年5月12日 (日) 07:56 (UTC)[返信]
  • 反対 考えましたが、反対票に切り替えます。信頼できる情報源に依拠することは良質な記事においても明確に求められており、一見するだけで疑問を感じさせるような参考文献リストが構成されていることは、品質上の瑕疵となるものと理解します。--ikedat76会話2013年5月12日 (日) 08:53 (UTC)[返信]

選考終了時点で賛成1票、反対1票のため、今回は見送りとなります。--ぱたごん会話2013年5月24日 (金) 23:38 (UTC)[返信]