Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/ゲーム理論 20161011
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選考終了日時:2016年10月25日 (火) 00:07 (UTC)
- (自動推薦)2016年9月の月間強化記事賞受賞記事。--Trvbot(会話) 2016年10月11日 (火) 00:07 (UTC)
- 賛成 今年8月から編集に携わっている者です。一部節で数式が出てきますが内容は概説的なので数式を無視しても文意は掴めると思います。専門家の方からも高く評価して頂いているようですので[1][2][3]、「項目に記述されるべきトピックがある程度網羅され」という基準はクリアしていると思います。その他の形式的な点も含め問題等お気づきの点がありましたらご教示ください。長い記事ですが途中の節から読まれても理解に差し障りないと思いますのでご関心のある節だけでも読んで頂けたら幸いです。--ミクロ経済学(会話) 2016年10月12日 (水) 01:43 (UTC)
- 賛成 骨太の記事で大作ですね。「良質の記事」の水準はゆうに超えていると思います。私は経済学に関する知識は皆無に近い人間ですが、ゲーム理論と種々の経済学との関係性を描く箇所からは、ゲーム理論自体のみならず経済学全体の概観も知ることができました。難しい部分もありますが読んででわくわくしてくる記事です。GA選出に関係しませんが以下のようなコメントを持ちました。
- 「ゲームの構成要素」節で「~~プレイヤー、戦略集合、利得関数、情報構造、特性関数について解説する。」とあるが、情報構造についての説明がない。
- 単純ミスですが「a set of rules」「the game of human society」が斜体でない。
- 「齎す」は難読過ぎるので、特別な理由が無いならひらがな表記がいいと思います。
- 「集合」とか「直積」などの(数理分野になじみがある人なら)基礎的なものでも記事へリンクを張った方がいいと思います。多くの人は知らない/忘れていると思うので。
- "被支配戦略逐次排除均衡" について、成立条件の説明はあるんですが、それ自体が何なのかという説明がないのが気になりました。
- 画像のソース上の位置について。例えば、ポール・サミュエルソンの画像のソース記述を=== 新古典派経済学の代替理論としてのゲーム理論 ===の上に置いてますが、これは止めた方がいいと思います。スマートフォン+モバイルビュー環境や公式アプリなどでは、画像は右隣ではなくcenter配置になって、文章の回り込みが起きません。よってこれらの環境でみるとポール・サミュエルソンの画像は「ドイツ語圏ユダヤ人思想の影響」節の最後に現れるという変な表示になります。
- 「不動点アプローチ」節の「したがって、そこにはそのプレイヤー自身に対する観察が必然的に入り込んでいるから、各プレイヤーの「社会」に対する知見は、観察者主体を含んだ社会に関する彼自身によって認識された事実そのものが彼自身の観察したそのものに対して頑健であり、整合的である必要がある[164]。」は「~事実そのものと彼自身の観察したそのもの」の間違いではないんですねよ。「が」が正とすると、「整合的である」の主語が「各プレイヤーの「社会」に対する知見は」あるいは「観察者主体を含んだ社会に関する彼自身によって認識された事実そのものが」の2通りの可能性があり、混乱しました。(それを除いてもこの辺の記述は形而上学的で難しいですが)。
- 上の4番とも通じますが、「シグナリングゲーム」や「ワルラス的な模索過程」のワルラスとか、もっとリンクを張ってもいいかなと思いました。ベタベタ張り過ぎるのはよくないですが、様々な話題を巡っていく総論記事なのでリンクが多いのは必然的な姿だと思います。
- あと長期的な視点からのコメントとして、
- 300kBのかなり大きな記事になってきており編集し易さ・可読性を落としてきている点、日本に関する話題の優遇になっている点から、「日本におけるゲーム理論」節は「日本におけるゲーム理論研究史」といった記事へ分割・独立化させるべきかなと思いました。
- 難度について。自分は上で述べたとおり経済学知識皆無ですが、以前ゲーム理論に興味が沸いて、清水武治「図解入門ビジネス ゲーム理論の基本と考え方がよ~くわかる本」秀和システム、という超初心者向け本を一読したことがあります。加えて集合論の基礎知識はある(つもりな)ので「枠組み」節の種々の数学的定義は「あれを一般化させたやつか」ぐらいで呑み込むことができましたが、難しいなあというのも正直なところです。個人的には最も基礎的な道具立てを行う「ゲームの構成要素」節を最初に持ってきた方がわかりやすくなるように感じました。という記号さえもピンと来ない人も多いでしょうから、分かり易さと記述の簡潔さのバランスは悩ましい問題です。
- この記事自体は非常に完成度が高い状態になっており、分かり易くするといっても大掛かりな編集は難しそうなので、英語版で見られるような入門的記事(en:Category:Introduction articles)の別立てがアイデアとして浮かびました。初心者向け書籍のような、テクニカルな数学的説明を抑えた記事のイメージです。
- 以上です。--Yapparina(会話) 2016年10月15日 (土) 01:43 (UTC)
- 賛成 ゲーム理論の数式展開、歴史、応用分野など丁寧に手を入れている良質な記事と思います。Yapparinaさんが言っているように日本におけるゲーム理論の歴史についてはいずれ分割すべきかと。あとは応用分野では、政治学分野(とりわけ、国際政治)を追加、加筆したほうがいいかなと。--Wushi(会話) 2016年10月15日 (土) 02:38 (UTC)
- コメント たいへん丁寧なコメントありがとうございます。あの長い記事を細かな所も含めて通読して頂きさらに経済学への関心を持って頂けたとすれば、編集者冥利に尽きます。以下、それぞれのご指摘についてのご回答です。
- 「情報構造」については以前ノートページでも「今後加筆する」と申し上げており、未だに筆が進んでいないのは完全に私の怠慢です。①情報構造(展開形ゲームの定義)は教科書によって異なり②戦略形ゲームや提携形ゲームの定義に比べるとかなり専門的で簡潔に説明するのが難しい、という理由から棚上げ状態でした。しかしご指摘の通り記事の構成上「情報構造」を扱わないのは明らかに不自然ですので、早急に対処します。
- 訂正しました[4]。仰る通り単純ミスです。
- 同じく、訂正しました。手書き作業ではなく入力作業だと無意識のうちに難漢字を使ってしまうことがあるので、こういったご指摘はありがたいです。
- 気づいたものについては訂正しました。通読して内部リンクが必要そうなものが見つかり次第、随時改善していきます。
- 再帰的な定義なので具体例を交えないと分かりづらいかもしれませんがとりあえず説明を加えました。
- パソコン上だと一部画像が下の節に侵食してしまうというご指摘を受けて試験的に画像を上方に移動する措置をとっていましたが、訂正しました。私は普段は携帯液晶端末から編集・閲覧しているので、他の端末からご覧になった際の問題点のご指摘はたいへん参考になります。
- 浦井先生の文献を参考にした箇所は、ゲーム理論を概説する上では欠かせないと思いますが同時にとにかく難解です。『経済セミナー』の特集記事(浦井 2011)で浦井 & 吉町 2012と同内容の解説があったので、それを参考に#不動点アプローチの前半部分を書き直してみました[5]。表現そのものは出典とより離れたものになったので、私の誤解の余地が広がりましたが、少しは理解しやすくなったと思います。浦井先生は学部2年生向け(!)の講義でもこのような哲学的なお話にかなりの時間を割かれているそうなので、今学期は授業に潜ったり質問したりして理解を深め、この部分の記述の質を向上させたいと思います。
- 訂正しました。この他にも参考のためにリンクすべき記事を見つけ次第随時追加していきます。
- 長期的な視点に基づいたご指摘について
- #日本におけるゲーム理論の節はWP:JPOVの観点から問題があり、今後検討していく必要があると思います。WP:JPOVのノートページでも質問したことがあるのですが、研究史の類において「日本」ではなく「日本語圏」に焦点を当てていればそれを特筆することに問題はないようですが、長すぎる記事において冗長な感もあるので、新設した別の記事に転記する案は他の経済学関連のページとも連携して検討していこうと思います。というのも、日本語圏における経済学研究は戦後しばらくガラパゴス化しており「日本の経済学史」などとして十分にまとまった一記事に出来そうだからです。
- 総論的な記事なので個々の記事(「非協力ゲーム」や「囚人のジレンマ」など)に書かれるべき具体例を恣意的にピックアップして教科書的に説明する構成を避けたため、テクニカルな内容に関しての分かりにくさが問題となると思います。とはいえ、閲覧者に理解して頂くことを目的にしてしまうと、WP:NOTTEXTBOOKや(適度な具体例を挙げる際に)WP:NORや(扱う具体的トピックの選別において)WP:NPOVに抵触する可能性が高く、難しい所であります。以前ノートページで同様の指摘があった際の解決案として①内部リンクを徹底しリンク先の記事を充実させる、②ウィキブックスと連携する、等が挙がったと思います。
- ①については、現状のような簡潔で概論的な記事に徹し、具体的な内容については{{main}}や青リンクの先の記事でご理解して頂く。「非協力ゲーム」や「協力ゲーム」の記事中でも書ける内容は「ゲーム理論」中には書かず、「非協力ゲームと協力ゲームの関係」のような「ゲーム理論」という主題ならではの内容を扱い、水先案内的な立場に徹する。という方針です。これはYapparinaさんの「様々な話題を巡っていく総論記事なのでリンクが多いのは必然的な姿だと思います。」というご指摘にも通じる所だと思いますが、閲覧者の利便性を図ればさらに一歩進んで、リンク先記事の向上も必要と考えております。
- ②はEarthboud1960さんの案です。閲覧者に百科事典的な「事実」以上のテクニカルな内容を理解して頂こうとするのであれば、そのために存在するウィキブックスを活用しよう、というアイデアです。ウィキブックスであれば、ウィキペディアほどの厳密な検証可能性が必要無く、具体例を自由に使って「理解して頂く」ことに特化出来ます。ウィキペディア内の「ゲーム理論」の記事中にウィキブックスへのリンクを随時添付して、百科事典的な「ゲーム理論」の解説と教科書的な「ゲーム理論」の解説とを融合するという試みは、非常に魅力的であり、「秀逸な記事」まで到達したら(あるいは選考の際に再三指摘されたら)取り組んでいこうと思っております。
- ③「入門記事」についてはWP:TECHNICALでも言及されていたので認識はしておりましたが、先述のWP:NOTTEXTBOOKとの整合性から個人的にあまり良い策でないと考えており(前者はガイドラインですらないのに対し後者は方針です)、どちらかと言えば「ウィキブックス」を用いる案を採用したいと考えております。
- 以上がとりあえずの回答です。余談ですが、私がウィキペディアの編集を開始したのは今年8月からですが、「専門分野に関する上質な情報を無料で万人に提供する方法としてウィキペディアにはまだまだ潜在的な可能性があるのではないか」と感じたきっかけの一つに当時ちょうど秀逸な記事の選考に挙げられていた「ロジスティック方程式」を見つけたことが挙げられます。そのため今回の選考で、「ロジスティック方程式」の執筆者であるYapparinaさんからコメントを頂けたことには運命的なものを感じ、とても嬉しく思います。たいへん参考になるご指摘をありがとうございました。また至らぬところがあればご教示ください。--ミクロ経済学(会話) 2016年10月15日 (土) 07:06 (UTC)
- コメント 昨日ご指摘を受けた「情報構造」について、一通り追記したことを報告いたします[6]。また、「応用分野」については(細かなものについては「研究史」で言及しているとはいえ)導入部で列挙した「政治学」などは一通り「応用分野」としてある程度体系的に解説する必要があると思います。しかし、(「生物学」のように標準的なゲーム理論のテキストでも特集しているものは例外ですが)応用分野を体系立てて解説するとなるとそのために専門書を通読しなければならず、その部分の執筆ペースが遅くなってしまうのが実情です。国際関係論などのテキストを現在読んでおり随時充実させていきます。--ミクロ経済学(会話) 2016年10月16日 (日) 05:19 (UTC)
- 加筆ありがとうございます。確認しました。コメントに急かす意図はありませんので、ミクロ経済学さんのお好きなペースで進めてください。①も②も適正なアプローチだと思います。また、まさかロジスティック方程式のFACをきっかけの一つにしていただいていたとは... 驚きと共にこちらこそ大変光栄です。--Yapparina(会話) 2016年10月16日 (日) 14:37 (UTC)
賛成のみ3票の状態が48時間経過のため、早期終了・通過となります。--Tam0031(会話) 2016年10月18日 (火) 15:20 (UTC)