SONG IS LOVE
『SONG IS LOVE』 | ||||
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オフ・コース の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
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ジャンル | ||||
レーベル | EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI | |||
プロデュース | ||||
チャート最高順位 | ||||
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オフ・コース アルバム 年表 | ||||
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『SONG IS LOVE』収録のシングル | ||||
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『SONG IS LOVE』(ソング・イズ・ラヴ)は、1976年11月5日に発売されたオフコース(当時の表記はオフ・コース)通算4作目のオリジナル・アルバム。
解説
[編集]かつて武藤敏史がディレクターを担当していた経緯から、ザ・ジャネットの元メンバー大間ジローと松尾一彦が初参加[注釈 1]、箱根ロックウェル・キッチンにて合宿によるレコーディングが行われた。また、「オフコースはオフコース自身にプロデュースさせる」という武藤の方針により、小田和正、鈴木康博の2人がはじめてプロデュースも手がけた。このアルバムについて武藤は「『ワインの匂い』[注釈 2]が仕事(音楽)で一所懸命格闘したものであれば、『SONG IS LOVE』は人間的に彼らといろいろ格闘した、という感じがする。とにかく一日中一緒に過ごし、夜になると毎晩のように酒を酌み交わしながら、音楽の話はもとより、様々な話をする。こうしてメンバーの人間的な面に深く触れ合うことができたのは、僕にとっても実に貴重な体験であった」と後のインタビューでこのように語り、「この時期以降、僕もメンバー同様オフコースの一員として、オフコースの音楽に深くのめりこんでしまったと言えそうだ」と当時を振り返っていた。なお、清水仁はこの頃既にサポートメンバーとしてオフコースのライブに参加していたが、当時彼の所属していたザ・バッド・ボーイズの契約上の理由から演奏ではレコーディングに参加していない。代わりにベースを担当したのは、小田が「テクニックだけなら仁でなく彼を選んでいた」と評した小泉良司。
A-6「青春」はライブ・アルバム『秋ゆく街で / オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート』[注釈 3]に収録されていたが、このアルバムへの収録に際し、歌詞を一部書き換えている。また、後に鈴木が『BeSide』[注釈 4]と『FORWARD』[注釈 5]でセルフカヴァーした。
B-6「歌を捧げて」のあとに続いて収録されている1分ほどのアウトロは、次作『JUNKTION』[注釈 6]のA-1「INVITATION」にイントロとして採用されている。本作では小田のソロ、次作では小田と鈴木が交互に歌っている。また、「歌を捧げて」は後にハイ・ファイ・セットによってカヴァーされたが、この曲は「赤い鳥」とのジョイントで、ボーカル山本潤子のために書かれたもの。当時も、ハイ・ファイ・セットのアルバム「閃光」収録時も、一番の歌詞だけしかなかった。2000年に小田が八景島シーパラダイスで「カウントダウン・コンサート」を開催した際、ゲストの山本潤子とこの曲をデュエットすることになり、急遽リハーサルの際に二番の歌詞を書いた。
このアルバムにはオフコースとしては珍しく、“僕”の一人称を使用した曲が収録されていない。
このアルバム以降、『FAIRWAY』[注釈 7]まで小田はフルートも演奏している。当時、新しい音の広がりを模索していた小田と鈴木は、小学生の頃習っていたバイオリンも候補に挙がったが、「それじゃオダじゃなくサダになる」と小田が嫌がり、代わっていつの間にかフルートをマスターしてきたので驚いたと、ライブのMCで鈴木が語っている。なお、小田自身は「フルートもピアノも独学」とギターブックでのファンからの質問への回答で語っている[注釈 8]。
このアルバムからグラフィック・デザインを木暮溢世が手がけるようになり、ロゴが“SONG IS LOVE”を併せたデザインに統一された。このロゴは「風に吹かれて」[注釈 9]までのすべてのアルバムとシングルに継続使用された。
この年、それまで所属していたサブ・ミュージックから独立し、自らのオフィスであるオフコース・カンパニーを設立。また、小田は早稲田大学大学院を卒業、プロのミュージシャンとして活動していくことを決断した。そして、このアルバムに参加していた大間、松尾に加えて、アルバムリリース直後の全国ツアーから清水も正式にサポートメンバーに参加。3人が正式にメンバーとなるのは3年後の1979年からだが、事実上、この年からオフコースは2人組から5人組のバンドへと変わっていく事になる。
収録曲
[編集]SIDE A
[編集]- ランナウェイ (4'18")
- 鈴木康博 作詞・作曲
- ピロートーク (3'44")
- 鈴木康博 作詞・作曲
- こころは気紛れ (3'52")
- 小田和正 作詞・作曲
- ひとりで生きてゆければ (3'43")
- 小田和正 作詞・作曲
- ひとりよがり (1'38")
- 鈴木康博 作詞・作曲
- 青春 (3'25")
- 鈴木康博 作詞・作曲
SIDE B
[編集]- めぐる季節 (3'55")
- 小田和正 作詞・作曲
- おもい違い (3'48")
- 鈴木康博 作詞・作曲
- 青空と人生と (3'13")
- 小田和正 作詞・作曲
- 恋はさりげなく (2'48")
- 鈴木康博 作詞・作曲
- 冬が来るまえに (5'47")
- 小田和正 作詞・作曲
- 歌を捧げて (3'14")
- 小田和正 作詞・作曲
- 歌・編曲 : オフ・コース
クレジット
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スタッフ
[編集]Keyboards & Flute KAZUMASA ODA |
Guitars & Drums YASUHIRO SUZUKI |
Drums & Percussions HITOSE “Jiro” OMA |
Electric Bass & Percussions RYOJI KOIZUMI |
Harmonica & Guitars KAZUHIKO MATSUO |
Produced by TOSHIFUMI MUTOH KAZUMASA ODA, YASUHIRO SUZUKI |
Arranged by OFF COURSE |
Engineer KENJI MURATA, RYOJI HACHIYA MASAKAZU KAWAMURA, KENICHI YAMAGUCHI, YOSHIO OKAZAKI |
Graphic Concept, Design & Photography ISSEY KOGURE |
Recorded at ROCKWELL KITCHEN in Hakone from August 15 to September 2,1976. |
Remixed at TOSHIBA EMI STUDIO 1. |
Thanks to JIN TERADA (ROCKWELL KITCHEN) |
TOCT-25635, TOCT-95035
[編集]『SONG IS LOVE』 | |
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オフ・コース の スタジオ・アルバム | |
リリース | |
録音 |
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ジャンル | |
時間 | |
プロデュース | |
EANコード | |
EAN 4988006195950 (TOCT-25635) EAN 4988006218406 (TOCT-95035) |
解説
[編集]2005年、レコード・デビュー35周年にあわせ“オリジナル・アルバム15タイトル紙ジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍中のオリジナル作品がリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁を復刻した紙ジャケット仕様にてリリースされた。2009年にはSHM-CDフォーマット、通常のプラ・ケース仕様で再発された。
収録曲
[編集]- ランナウェイ
- ピロートーク
- こころは気紛れ
- ひとりで生きてゆければ
- ひとりよがり
- 青春
- めぐる季節
- おもい違い
- 青空と人生と
- 恋はさりげなく
- 冬が来るまえに
- 歌を捧げて
クレジット
[編集]- リマスタリング・エンジニア:行方洋一
- ジャケット資料協力:喜多雅美 (サウンドステーション)
- ライナーノーツ:田家秀樹
リリース履歴
[編集]# | 発売日 | リリース | 規格 | 品番 | 備考 |
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1 | 1976年11月5日 | エキスプレス ⁄ 東芝EMI | LP | ETP-72212 | |
2 | 1979年 | CT | ZT25-322 | ||
3 | 1983年11月21日 | CD | CA35-1041 | 初CD化(以降全てアーティスト非監修による再発)。 | |
4 | 1985年9月28日 | CD | CA32-1159 | 品番および価格改定。 | |
5 | 1987年7月5日 | CD | CA25-1484 | オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)の中の1枚。 | |
CT | ZH22-1854 | オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12本組カセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)の中の1本。 | |||
6 | 1991年6月7日 | CD | TOCT-6204 | ||
7 | 1992年6月24日 | CD | TOCT-6563 | 音蔵シリーズでの再発。 | |
8 | 1998年2月25日 | CD | TOCT-10087 | Q盤シリーズでの再発。 | |
9 | 1998年11月18日 | CD | TOCT-10545 | オリジナル・アルバム+ライブ・アルバム全13タイトルの14枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)の中の1枚。 | |
10 | 2001年9月7日 | CD | TOCT-10775 | スーパーリマスタリングシリーズでの再発。 | |
11 | 2005年3月24日 | CD | TOCT-25635 | 紙ジャケット仕様。24ビット・デジタル・リマスタリング音源による再発。 | |
12 | 2009年1月21日 | エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン | SHM-CD | TOCT-95035 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 松尾はハーモニカで4曲にのみ参加。
- ^ 『ワインの匂い』 1975年12月20日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72123
- ^ 『秋ゆく街で / オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート』 1974年12月20日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72024
- ^ 『BeSide』 1996年10月23日発売 ZIG ZAG ⁄ BMG VICTOR CD:BVCR-772
- ^ 『FORWARD』 2004年12月8日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI CD:TOCT-25563
- ^ 『JUNKTION』 1977年9月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72269
- ^ 『FAIRWAY』 1978年10月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-80040
- ^ 小田が初めて人前でフルートを披露したのは高校2年生の時のクリスマス・パーティー。
- ^ 「風に吹かれて」 1979年6月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI EP:ETP-10583
出典
[編集]- ^ “【CD】SONG IS LOVE<初回生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。
- ^ “【SHM-CD】SONG IS LOVE<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- SONG IS LOVE - Discography
音楽配信サイト
[編集]- SONG IS LOVE - iTunes
- SONG IS LOVE - AmazonMP3
- SONG IS LOVE/オフコース - mora
ハイレゾ配信
[編集]- SONG IS LOVE/オフコース - mora
- SONG IS LOVE | オフコース | 192kHz/24bit - VICTOR STUDIO HD-Music.
- SONG IS LOVE - e-onkyo music
- SONG IS LOVE - HQM STORE
- SONG IS LOVE - レコチョク