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Red Hat Enterprise Linux

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Red Hat Enterprise Linux
RHEL 9のGNOME Shell 40デスクトップ
開発者 レッドハット
OSの系統 Unix系, Linux, Red Hat Linux
ソースモデル ソースアベイラブル・ソフトウェア
最新安定版
9:9.5 / 2024年11月13日 (42日前) (2024-11-13)
8:8.10 / 2024年5月22日 (7か月前) (2024-05-22)
7:7.9 / 2020年9月29日 (4年前) (2020-09-29)
アップデート方式 YUM/DNF
パッケージ管理 RPM
既定のUI GNOME
ライセンス プロプライエタリ
秘密保持契約
ウェブサイト www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/enterprise-linux
テンプレートを表示

Red Hat Enterprise Linux(レッドハット・エンタープライズ・リナックス)、略してRHEL(レル)とは、レッドハット社によって開発、販売されている業務向けのLinuxディストリビューション

サポート体制

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RHELは、リリースされてから10年間はRed Hatにより、セキュリティアップデートを含めた公式サポートを受けることができる[1]。ただし、RHEL 3, 4は8年目以降最後の3年間は別契約が必要。また、RHEL 5, 6はセキュリティアップデート終了後3年間はダウンロードすることができる。

新規のリリースは、2年程度ごとに行われるとされている。

RHELのライセンス料金は無料で、関連したサービス(バイナリの配布、ソースコードのダウンロード、アップデート、テクニカルサポート、特許訴訟からの保護)に対して料金を支払うサブスクリプション契約となっている。契約期間中には追加料金を支払うこと無しにアップグレードおよびダウングレードを自由に行うことができる。バイナリパッケージとソースコードを入手するためには秘密保持契約を含むサブスクリプション契約が必要だが、本ディストリビューションのアップストリームとなるCentOS StreamのソースコードはCentOSプロジェクトのFTPサイトで公開されている。サブスクリプションの種類は、RHELの種類とサポート時間(8時間または24時間)、サポート期間(1年または3年)の組み合わせによりさらに細かく分かれている。

また、レッドハットはRHELの運用技術のトレーニングを提供している。運用技術者の認定資格としてRHCSA、RHCA、RHCSS、RHCDSといった資格を提供している。詳細は レッドハット#認定資格

バリエーション

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RHELにはいくつかの種類があり、バージョン4まではRed Hat Desktop(デスクトップ用途向け)、WS(ワークステーション用途向け)、ES(エントリークラスのサーバ向け)、AS(比較的大規模なサーバ向け)の4種類のバリエーションが存在した。バージョン5はDesktop、base server、Advanced Platformの3種類となった。バージョン6はClient、Serverの2種類に、必要に応じてAdd-onを別途追加する。

RHELは、Red Hat Linux (RHL) に由来するディストリビューションであるが、Red Hat Linuxと比較して、リリースサイクルはしっかりと維持・管理されている。現在は、Fedora及びCentOS Streamの成果を活用している。

  • Red Hat Linux 6.2 → Red Hat Linux 6.2E
  • Red Hat Linux 7.2 → Red Hat Enterprise Linux 2.1
  • Red Hat Linux 9 → Red Hat Enterprise Linux 3
  • Fedora Core 3 → Red Hat Enterprise Linux 4
  • Fedora Core 6 → Red Hat Enterprise Linux 5
  • Fedora 12 / 13 → Red Hat Enterprise Linux 6
  • Fedora 19 / 20 → Red Hat Enterprise Linux 7
  • Fedora 28 → CentOS Stream 8 → Red Hat Enterprise Linux 8
  • Fedora 34 → CentOS Stream 9 → Red Hat Enterprise Linux 9

の関係にある。

AlmaLinuxRocky Linuxなどは、レッドハットが公開しているソースコードを元にした無償で利用できるLinuxディストリビューションであり、RHELとの互換性を目標としている。その他、Oracle LinuxはRHELをベースに独自のカーネルを搭載している。

リリースバージョンの経歴

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[2]

バージョン コードネーム リリース日 サポート期限 カーネルバージョン
Red Hat Linux 6.2E Zoot 2000年3月27日
Red Hat Enterprise Linux 2.1 Pensacola (AS)
Panama (ES)
2002年3月23日 2009年5月31日 2.4.9
RHEL 2.1 Update 1 2003年2月14日
RHEL 2.1 Update 2 2003年3月29日
RHEL 2.1 Update 3 2003年12月19日
RHEL 2.1 Update 4 2004年4月21日
RHEL 2.1 Update 5 2004年8月18日
RHEL 2.1 Update 6 2004年12月13日
RHEL 2.1 Update 7 2005年4月28日
Red Hat Enterprise Linux 3 Taroon 2003年10月22日 2010年10月31日(標準)
2014年1月30日(延長)
2.4.21
RHEL 3 Update 1 2004年1月16日
RHEL 3 Update 2 2004年5月18日
RHEL 3 Update 3 2004年9月3日
RHEL 3 Update 4 2004年12月21日
RHEL 3 Update 5 2005年5月20日
RHEL 3 Update 6 2005年9月28日
RHEL 3 Update 7 2006年3月15日
RHEL 3 Update 8 2006年7月20日
RHEL 3.9(旧表記: Update 9) 2007年6月11日
Red Hat Enterprise Linux 4 Nahant 2005年2月15日 2012年2月29日(標準)
2017年3月31日(延長)
2.6.9
RHEL 4 Update 1 2005年6月9日
RHEL 4 Update 2 2005年10月5日
RHEL 4 Update 3 2006年3月7日
RHEL 4 Update 4 2006年8月10日
RHEL 4.5(旧表記: Update 5) 2007年5月1日
RHEL 4.6(旧表記: Update 6) 2007年11月15日
RHEL 4.7(旧表記: Update 7) 2008年7月24日
RHEL 4.8(旧表記: Update 8) 2009年5月18日
RHEL 4.9(旧表記: Update 9) 2011年2月16日
Red Hat Enterprise Linux 5 Tikanga 2007年3月14日 2017年3月31日(標準)
2020年11月30日(延長)
2.6.18
RHEL 5.1 2007年11月7日
RHEL 5.2 2008年5月21日
RHEL 5.3 2009年1月20日
RHEL 5.4 2009年9月2日
RHEL 5.5 2010年3月30日
RHEL 5.6 2011年1月12日
RHEL 5.7 2011年7月21日
RHEL 5.8 2012年2月21日
RHEL 5.9 2013年1月8日
RHEL 5.10 2013年9月30日
RHEL 5.11 2014年9月16日
Red Hat Enterprise Linux 6 Santiago 2010年11月10日 2020年11月30日(標準)
2024年6月30日(6.10でELS利用時のみ)
2.6.32
RHEL 6.1 2011年5月19日
RHEL 6.2 2011年12月6日
RHEL 6.3 2012年6月20日
RHEL 6.4 2013年2月21日
RHEL 6.5 2013年11月21日
RHEL 6.6 2014年10月14日
RHEL 6.7 2015年7月22日
RHEL 6.8 2016年5月10日
RHEL 6.9 2017年3月29日
RHEL 6.10 2018年6月19日
Red Hat Enterprise Linux 7 Maipo 2014年6月10日 2024年6月30日 (標準)
2028年6月30日(7.9でELS利用時のみ)
3.10.0
RHEL 7.1 2015年3月5日
RHEL 7.2 2015年11月19日
RHEL 7.3 2016年11月3日
RHEL 7.4 2017年7月31日
RHEL 7.5 2018年4月10日
RHEL 7.6 2018年10月30日
RHEL 7.7 2019年7月28日
RHEL 7.8 2020年3月31日
RHEL 7.9 2020年9月29日
Red Hat Enterprise Linux 8 RHEL 8.0 Ootpa 2019年5月7日 2029年5月31日 (標準)
2032年5月31日 (8.10でELS利用時のみ)
4.18
RHEL 8.1 2019年11月5日
RHEL 8.2 2020年4月28日
RHEL 8.3 2020年11月3日
RHEL 8.4 2021年5月18日
RHEL 8.5 2021年11月9日
RHEL 8.6 2022年5月10日
RHEL 8.7 2022年11月9日
RHEL 8.8 2023年5月16日
RHEL 8.9 2023年11月14日
RHEL 8.10 2024年5月22日
Red Hat Enterprise Linux 9 RHEL 9.0 Plow 2022年5月18日 2032年5月31日 (標準)
2035年5月31日 (9.10でELS利用時のみ)
5.14
RHEL 9.1 2022年11月15日
RHEL 9.2 2023年5月10日
RHEL 9.3 2023年11月7日
RHEL 9.4 2024年4月30日
RHEL 9.5 2024年11月13日
状況
    サポート終了
    サポート中

バージョンの読み方として、旧表記でRHEL 4 Update 5だったものは、新しい表記で4.5と呼ぶようになっている。

派生版

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Red Hat系統樹

CentOS/RHEL派生版一覧に掲載され、パッケージ管理等が同様のもの

配布版 説明
AlmaLinux CloudLinux OSの開発元であるCloudLinux Inc.により支援されたコミュニティによるCentOS代替
Asianux Red Hat Enterprise Linux派生。タイアジア5ヵ国の企業が共同開発。前身はMIRACLE LINUXRed Flag Linux英語版Haansoft Linux(韓国製)。
CentOS Red Hat Enterprise Linuxの無償版。
ClearOS英語版 Small Business Server. File, Print, Messaging, UTM, VPN.
Fermi Linux LTS Scientific Linuxの前身。フェルミ国立加速器研究所の研究施設に特有のソフトウェアを追加[3]
MIRACLE LINUX 商用、Oracle対応、日本製。Asianuxへと移行。
Oracle Linux OracleがOracle製品に最適化したUnbreakable Enterprise Kernel (UEK) を採用。
Red Flag Linux英語版 紅旗Linux中国製。Asianuxへと移行。
Rocky Linux Red Hat Enterprise Linux派生。2020年のCentOS開発方針変更により、CentOS創設者の一人であるGregory Kurtzer氏が立ち上げた。
Rocks Cluster Distribution英語版 RHEL(初期版)とCentOS(最近の配布版)より派生。
Scientific Linux Fermi Linuxの後継。Red Hat Enterprise Linuxから派生。
SME Server英語版 CentOSから派生。

その他RPM系

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その他RPM系派生版一覧に掲載

配布版 説明
CAOS Linux (複数の系列)Red Hat Enterprise Linux派生ディストリビューションも参照。

その他の派生版

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開発停止

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脚注

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  1. ^ Red Hat Enterprise Linux Life Cycle
  2. ^ Red Hat Enterprise Linux Release Dates
  3. ^ DistroWatch.com: Fermi Linux”. distrowatch.com. 2018年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ2018年12月23日閲覧。

外部リンク

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ウィキメディア・コモンズには、Red Hat Enterprise Linuxに関するカテゴリがあります。

関連項目

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