Red Hat Enterprise Linux
RHEL 9のGNOME Shell 40デスクトップ | |||||||
開発者 | レッドハット | ||||||
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OSの系統 | Unix系, Linux, Red Hat Linux | ||||||
ソースモデル | ソースアベイラブル・ソフトウェア | ||||||
最新安定版 |
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アップデート方式 | YUM/DNF | ||||||
パッケージ管理 | RPM | ||||||
既定のUI | GNOME | ||||||
ライセンス |
プロプライエタリ 秘密保持契約 | ||||||
ウェブサイト | www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/enterprise-linux |
Red Hat Enterprise Linux(レッドハット・エンタープライズ・リナックス)、略してRHEL(レル)とは、レッドハット社によって開発、販売されている業務向けのLinuxディストリビューション。
サポート体制
[編集]RHELは、リリースされてから10年間はRed Hatにより、セキュリティアップデートを含めた公式サポートを受けることができる[1]。ただし、RHEL 3, 4は8年目以降最後の3年間は別契約が必要。また、RHEL 5, 6はセキュリティアップデート終了後3年間はダウンロードすることができる。
新規のリリースは、2年程度ごとに行われるとされている。
RHELのライセンス料金は無料で、関連したサービス(バイナリの配布、ソースコードのダウンロード、アップデート、テクニカルサポート、特許訴訟からの保護)に対して料金を支払うサブスクリプション契約となっている。契約期間中には追加料金を支払うこと無しにアップグレードおよびダウングレードを自由に行うことができる。バイナリパッケージとソースコードを入手するためには秘密保持契約を含むサブスクリプション契約が必要だが、本ディストリビューションのアップストリームとなるCentOS StreamのソースコードはCentOSプロジェクトのFTPサイトで公開されている。サブスクリプションの種類は、RHELの種類とサポート時間(8時間または24時間)、サポート期間(1年または3年)の組み合わせによりさらに細かく分かれている。
また、レッドハットはRHELの運用技術のトレーニングを提供している。運用技術者の認定資格としてRHCSA、RHCA、RHCSS、RHCDSといった資格を提供している。詳細は レッドハット#認定資格。
バリエーション
[編集]RHELにはいくつかの種類があり、バージョン4まではRed Hat Desktop(デスクトップ用途向け)、WS(ワークステーション用途向け)、ES(エントリークラスのサーバ向け)、AS(比較的大規模なサーバ向け)の4種類のバリエーションが存在した。バージョン5はDesktop、base server、Advanced Platformの3種類となった。バージョン6はClient、Serverの2種類に、必要に応じてAdd-onを別途追加する。
RHELは、Red Hat Linux (RHL) に由来するディストリビューションであるが、Red Hat Linuxと比較して、リリースサイクルはしっかりと維持・管理されている。現在は、Fedora及びCentOS Streamの成果を活用している。
- Red Hat Linux 6.2 → Red Hat Linux 6.2E
- Red Hat Linux 7.2 → Red Hat Enterprise Linux 2.1
- Red Hat Linux 9 → Red Hat Enterprise Linux 3
- Fedora Core 3 → Red Hat Enterprise Linux 4
- Fedora Core 6 → Red Hat Enterprise Linux 5
- Fedora 12 / 13 → Red Hat Enterprise Linux 6
- Fedora 19 / 20 → Red Hat Enterprise Linux 7
- Fedora 28 → CentOS Stream 8 → Red Hat Enterprise Linux 8
- Fedora 34 → CentOS Stream 9 → Red Hat Enterprise Linux 9
の関係にある。
AlmaLinuxやRocky Linuxなどは、レッドハットが公開しているソースコードを元にした無償で利用できるLinuxディストリビューションであり、RHELとの互換性を目標としている。その他、Oracle LinuxはRHELをベースに独自のカーネルを搭載している。
リリースバージョンの経歴
[編集]バージョン | コードネーム | リリース日 | サポート期限 | カーネルバージョン | |
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Red Hat Linux 6.2E | Zoot | 2000年3月27日 | |||
Red Hat Enterprise Linux 2.1 | Pensacola (AS) Panama (ES) |
2002年3月23日 | 2009年5月31日 | 2.4.9 | |
RHEL 2.1 Update 1 | 2003年2月14日 | ||||
RHEL 2.1 Update 2 | 2003年3月29日 | ||||
RHEL 2.1 Update 3 | 2003年12月19日 | ||||
RHEL 2.1 Update 4 | 2004年4月21日 | ||||
RHEL 2.1 Update 5 | 2004年8月18日 | ||||
RHEL 2.1 Update 6 | 2004年12月13日 | ||||
RHEL 2.1 Update 7 | 2005年4月28日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 3 | Taroon | 2003年10月22日 | 2010年10月31日(標準) 2014年1月30日(延長) |
2.4.21 | |
RHEL 3 Update 1 | 2004年1月16日 | ||||
RHEL 3 Update 2 | 2004年5月18日 | ||||
RHEL 3 Update 3 | 2004年9月3日 | ||||
RHEL 3 Update 4 | 2004年12月21日 | ||||
RHEL 3 Update 5 | 2005年5月20日 | ||||
RHEL 3 Update 6 | 2005年9月28日 | ||||
RHEL 3 Update 7 | 2006年3月15日 | ||||
RHEL 3 Update 8 | 2006年7月20日 | ||||
RHEL 3.9(旧表記: Update 9) | 2007年6月11日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 4 | Nahant | 2005年2月15日 | 2012年2月29日(標準) 2017年3月31日(延長) |
2.6.9 | |
RHEL 4 Update 1 | 2005年6月9日 | ||||
RHEL 4 Update 2 | 2005年10月5日 | ||||
RHEL 4 Update 3 | 2006年3月7日 | ||||
RHEL 4 Update 4 | 2006年8月10日 | ||||
RHEL 4.5(旧表記: Update 5) | 2007年5月1日 | ||||
RHEL 4.6(旧表記: Update 6) | 2007年11月15日 | ||||
RHEL 4.7(旧表記: Update 7) | 2008年7月24日 | ||||
RHEL 4.8(旧表記: Update 8) | 2009年5月18日 | ||||
RHEL 4.9(旧表記: Update 9) | 2011年2月16日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 5 | Tikanga | 2007年3月14日 | 2017年3月31日(標準) 2020年11月30日(延長) |
2.6.18 | |
RHEL 5.1 | 2007年11月7日 | ||||
RHEL 5.2 | 2008年5月21日 | ||||
RHEL 5.3 | 2009年1月20日 | ||||
RHEL 5.4 | 2009年9月2日 | ||||
RHEL 5.5 | 2010年3月30日 | ||||
RHEL 5.6 | 2011年1月12日 | ||||
RHEL 5.7 | 2011年7月21日 | ||||
RHEL 5.8 | 2012年2月21日 | ||||
RHEL 5.9 | 2013年1月8日 | ||||
RHEL 5.10 | 2013年9月30日 | ||||
RHEL 5.11 | 2014年9月16日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 6 | Santiago | 2010年11月10日 | 2020年11月30日(標準) 2024年6月30日(6.10でELS利用時のみ) |
2.6.32 | |
RHEL 6.1 | 2011年5月19日 | ||||
RHEL 6.2 | 2011年12月6日 | ||||
RHEL 6.3 | 2012年6月20日 | ||||
RHEL 6.4 | 2013年2月21日 | ||||
RHEL 6.5 | 2013年11月21日 | ||||
RHEL 6.6 | 2014年10月14日 | ||||
RHEL 6.7 | 2015年7月22日 | ||||
RHEL 6.8 | 2016年5月10日 | ||||
RHEL 6.9 | 2017年3月29日 | ||||
RHEL 6.10 | 2018年6月19日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 7 | Maipo | 2014年6月10日 | 2024年6月30日 (標準) 2028年6月30日(7.9でELS利用時のみ) |
3.10.0 | |
RHEL 7.1 | 2015年3月5日 | ||||
RHEL 7.2 | 2015年11月19日 | ||||
RHEL 7.3 | 2016年11月3日 | ||||
RHEL 7.4 | 2017年7月31日 | ||||
RHEL 7.5 | 2018年4月10日 | ||||
RHEL 7.6 | 2018年10月30日 | ||||
RHEL 7.7 | 2019年7月28日 | ||||
RHEL 7.8 | 2020年3月31日 | ||||
RHEL 7.9 | 2020年9月29日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 8 | RHEL 8.0 | Ootpa | 2019年5月7日 | 2029年5月31日 (標準) 2032年5月31日 (8.10でELS利用時のみ) |
4.18 |
RHEL 8.1 | 2019年11月5日 | ||||
RHEL 8.2 | 2020年4月28日 | ||||
RHEL 8.3 | 2020年11月3日 | ||||
RHEL 8.4 | 2021年5月18日 | ||||
RHEL 8.5 | 2021年11月9日 | ||||
RHEL 8.6 | 2022年5月10日 | ||||
RHEL 8.7 | 2022年11月9日 | ||||
RHEL 8.8 | 2023年5月16日 | ||||
RHEL 8.9 | 2023年11月14日 | ||||
RHEL 8.10 | 2024年5月22日 | ||||
Red Hat Enterprise Linux 9 | RHEL 9.0 | Plow | 2022年5月18日 | 2032年5月31日 (標準) 2035年5月31日 (9.10でELS利用時のみ) |
5.14 |
RHEL 9.1 | 2022年11月15日 | ||||
RHEL 9.2 | 2023年5月10日 | ||||
RHEL 9.3 | 2023年11月7日 | ||||
RHEL 9.4 | 2024年4月30日 | ||||
RHEL 9.5 | 2024年11月13日 |
色 | 状況 |
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サポート終了 | |
サポート中 |
バージョンの読み方として、旧表記でRHEL 4 Update 5だったものは、新しい表記で4.5と呼ぶようになっている。
派生版
[編集]※CentOS/RHEL派生版一覧に掲載され、パッケージ管理等が同様のもの
配布版 | 説明 |
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AlmaLinux | CloudLinux OSの開発元であるCloudLinux Inc.により支援されたコミュニティによるCentOS代替 |
Asianux | Red Hat Enterprise Linux派生。日、中、韓、越、タイのアジア5ヵ国の企業が共同開発。前身はMIRACLE LINUX、Red Flag Linux、Haansoft Linux(韓国製)。 |
CentOS | Red Hat Enterprise Linuxの無償版。 |
ClearOS | Small Business Server. File, Print, Messaging, UTM, VPN. |
Fermi Linux LTS | Scientific Linuxの前身。フェルミ国立加速器研究所の研究施設に特有のソフトウェアを追加[3]。 |
MIRACLE LINUX | 商用、Oracle対応、日本製。Asianuxへと移行。 |
Oracle Linux | OracleがOracle製品に最適化したUnbreakable Enterprise Kernel (UEK) を採用。 |
Red Flag Linux | 紅旗Linux 是中国製。Asianuxへと移行。 |
Rocky Linux | Red Hat Enterprise Linux派生。2020年のCentOS開発方針変更により、CentOS創設者の一人であるGregory Kurtzer氏が立ち上げた。 |
Rocks Cluster Distribution | RHEL(初期版)とCentOS(最近の配布版)より派生。 |
Scientific Linux | Fermi Linuxの後継。Red Hat Enterprise Linuxから派生。 |
SME Server | CentOSから派生。 |
その他RPM系
[編集]※その他RPM系派生版一覧に掲載
配布版 | 説明 |
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CAOS Linux | (複数の系列)Red Hat Enterprise Linux派生ディストリビューションも参照。 |
その他の派生版
[編集]- RedHawk Linux - RHELのカーネル(核)をリアルタイムLinuxカーネルに置き換えた。商用。
- RedSleeve - ARM環境向け。
開発停止
[編集]- White Box Enterprise Linux - Red Hat Enterprise Linuxから派生。
- StartCom Linux - Red Hat Enterprise Linux母体のGNU/Linux。
脚注
[編集]- ^ Red Hat Enterprise Linux Life Cycle
- ^ Red Hat Enterprise Linux Release Dates
- ^ “DistroWatch.com: Fermi Linux”. distrowatch.com. 2018年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月23日閲覧。
外部リンク
[編集]ウィキメディア・コモンズには、Red Hat Enterprise Linuxに関するカテゴリがあります。