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メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー(Mary Wollstonecraft Godwin Shelley、1797年8月30日 - 1851年2月1日)は、イギリスの小説家。
ゴシック小説『フランケンシュタイン』で名を残したが、SFの先駆者と呼ばれたり、あるいは創始者と見なす者も少なくない。フェミニズムの創始者、あるいは先駆者とも呼ばれるメアリ・ウルストンクラフトを母、無神論者でアナキズムの先駆者であるウィリアム・ゴドウィンを父として生まれた。詩人のパーシー・シェリーは夫。
1816年5月、メアリーはパーシー・シェリーと駆け落ちし、バイロンやバイロンの友人のジョン・ポリドリ(John William Polidori)らと、スイスジュネーヴ近郊のレマン湖畔(ジュネーヴ湖畔)のディオダティ荘に滞在していた。天候不順で長く降り続く雨のため屋内に閉じこめられていた際、バイロンが一人一作ずつ小説を書いてみようと提案(ディオダディ荘の怪奇談義)。バイロンが断片を書き、これに触発されてポリドリがのちに書き上げた小説が『吸血鬼』で、これはバイロン作と宣伝されたため、話題を呼び好評を博することになる。メアリは、その時に得た着想で一年かけて書き上げ、1818年3月11日に匿名で出版された作品が、小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメシュース』(Frankenstein: or The Modern Prometheus)である。1831年に改訂された版が今日もなお売れ続けている。また、詩人パーシー・シェリーの妻だったため、日本では単にシェリー夫人と呼ばれることもあった。(→『フランケンシュタイン』邦訳、著者名表記の変遷)