PRESENT (玉置浩二のアルバム)
『PRESENT』 | |||||
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玉置浩二 の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | ソニー・ミュージックスタジオ | ||||
ジャンル |
ロック ポップス AOR バラード ファンク レゲエ | ||||
時間 | |||||
レーベル | Sony Music Records | ||||
プロデュース |
玉置浩二 安藤さと子 | ||||
チャート最高順位 | |||||
玉置浩二 アルバム 年表 | |||||
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EANコード | |||||
EAN一覧
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玉置浩二関連のアルバム 年表 | |||||
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『PRESENT』収録のシングル | |||||
『PRESENT』(プレゼント)は、日本のミュージシャンである玉置浩二の11枚目のオリジナル・アルバム。
2006年4月5日にSony Music Recordsからリリースされた。オリジナルアルバムとしては前作『今日というこの日を生きていこう』(2005年)以来約1年2ヶ月振りとなる作品である。作詞はほぼ全曲松井五郎が行い、一部の曲で玉置および安藤さと子が行っている。作曲はすべて玉置が行っているが1曲のみ矢萩渉との共作となっている。プロデューサーは玉置および安藤が担当している。
レコーディングは東京にあるソニー・ミュージックスタジオにて行われた。レコーディングには前年のコンサートツアーに参加したミュージシャンが多数参加しており、音楽性はロックナンバーからバラード、ファンク、レゲエなど様々なジャンルを網羅したものとなっている。
先行シングルとしてリリースされ、フジテレビ系テレビドラマ『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』(2005年)の主題歌として使用された「いつもどこかで」、日本テレビ系テレビドラマ『あいのうた』(2005年)の主題歌として使用された「プレゼント」、日本テレビ系テレビアニメ『エンジェル・ハート』(2005年 - 2006年)の第2期オープニングテーマとして使用された「Lion」が収録されている他、歌手のMISIAに提供した曲「虹のラララ」のセルフカバーが収録されている。
オリコンチャートでは最高位26位となった。
背景
[編集]前作『今日というこの日を生きていこう』(2005年)リリース後、玉置は3月5日のパルテノン多摩から5月28日の東京国際フォーラム ホールAまで「コンサートツアー2005 ~今日というこの日を生きていこう~」と題したコンサートツアーを開催、38都市全38公演が行われた[2]。ツアーメンバーは玉置、安藤、矢萩、カルロス菅野の他にギタリストとして土方隆行、ベーシストとしてコモブチキイチロウ、ドラマーとして渡嘉敷祐一が参加した[3]。土方の参加はテレビで見た土方の演奏に惚れ込んだ玉置が熱望した事で実現した[4]。
その後アンコール・ライブとして6月14日のZepp Tokyo公演が開催され、その時の模様はWOWOWにて放送された他、7月27日にはライブ・アルバム『LIVE!! 「今日というこの日を生きていこう」』として、11月2日にはライブ・ビデオ『「今日というこの日を生きていこう」LIVE in Zepp Tokyo』としてリリースされた[5]。玉置がライブ・アルバムをリリースするのは『T』(1995年)以来約10年振りとなった[5]。また玉置の意向により、『LIVE!! 「今日というこの日を生きていこう」』にはアルバム『今日というこの日を生きていこう』からは5曲のみしか選曲されておらず、アルバム6thアルバム『JUNK LAND』(1997年)から7曲選曲される形となった[6]。
10月5日にはフジテレビ系テレビドラマ『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』の主題歌として使用された「いつもどこかで」をリリース。また、前年にはなかった俳優業も行っており、同年10月12日から12月14日まで放送された日本テレビ系テレビドラマ『あいのうた』(2005年)に主演として出演した[7]。玉置の民放での連続テレビドラマ出演はフジテレビ系テレビドラマ『こんな恋のはなし』(1997年)以来約8年振りとなった[8]。ドラマ放送中の11月2日には同作の主題歌として使用された「プレゼント」をシングルとしてリリース、玉置としては異例の2ヶ月連続でのシングルリリースとなった[9]。前述のツアー中に同ドラマの企画書を受け取った玉置は、ドラマのテーマが自身の音楽性に繋がると思い出演を快諾、軽井沢に拠点を移してから玉置はテレビ出演を避ける傾向にあったため、周囲のスタッフが驚く結果となった[10]。
録音
[編集]本作のレコーディングは東京にあるソニー・ミュージックスタジオにて行われた。プロデュースは玉置と安藤の共同プロデュースとなっている。東京でレコーディングを行う事となった切っ掛けはテレビドラマ『あいのうた』への出演であり、ドラマ撮影中の3ヶ月間に軽井沢から通う事が困難であったために玉置は東京でマンションを借りる事となった[11]。ドラマ撮影中にアルバム制作への意欲が出た玉置はそのまま東京に残り、本作のレコーディングを行う事となった[12]。
レコーディングには前年のコンサートツアーのメンバーが参加しており、プロデューサーとして多数のスタジオ・ミュージシャンを迎えてレコーディングを行うのは玉置としては初の試みであった[13]。また、3rdアルバム『カリント工場の煙突の上に』(1993年)以降、玉置個人が様々な楽器を演奏し、それを多重録音していく方法が主立っていたのに対し、本作のようなレコーディングは玉置にとって新鮮な体験となった[13]。
参加メンバーの内、ギタリストの土方隆行はかつてハードロックとプログレッシブ・ロック、フュージョンを融合した技巧派バンドのマライアに所属していた事があり、浅川マキや吉田美奈子など多くのミュージシャンをサポートしていた事で知られる[4]。また、リリース当時にはスピッツや河村隆一のプロデュース業などでも知られていた[4]。ベーシストのコモブチキイチロウは23歳からプロとして活動しており、ホベルト・メネスカル、ヴァンダ・サー、カルロス・リラ、ドリィ・カイミ、ミウシャなどブラジルのミュージシャンと多く共演していた[4]。ドラマーの渡嘉敷祐一は1970年代には杉本喜代志グループや鈴木宏昌グループに所属しており、1986年から渡辺貞夫グループに所属して日本国外においても活躍していた実力派のジャズミュージシャンであった[4]。また、渡嘉敷と玉置は前年のツアー以前から面識がある状態であった[4]。
ミキシング・エンジニアは玉置の意向により『LIVE!! 「今日というこの日を生きていこう」』を担当した松尾順二が指名され、『JUNK LAND』以来となる参加であった[14]。玉置が東京在住時に最後にリリースしたアルバムが『JUNK LAND』であり、また本作において東京へと帰還した玉置は同作を指標として本作を制作する事となった[14]。
音楽性
[編集]本作にはシングルとしてリリースされた「いつもどこかで」およびカップリング曲の「発散だー!!」、「プレゼント」および「おいでよ僕の国へ」、「Lion」および「夜想」が収録された他、玉置がMISIAに提供しアルバム『SINGER FOR SINGER』(2004年)に収録された「虹のラララ」のセルフカバー・バージョンが収録されている[15]。
軽井沢時代の玉置はエフェクターの使用などを極力控え、玉置の生理感覚をダイレクトに反映させた作品作りを行っていたが、本作では演奏やミキシングにおいて他者のアイデアを受け入れている事が大きく異なる点となった[15]。また、全13曲の内4曲ではギターを弾いておらず作曲とボーカルに集中している点や、「ヒトリゴト」においてレゲエのリズムを使用している点などが特筆される[13]。
本作にはブルージーなロック・ナンバーやバラード、ファンク、レゲエなど多彩なジャンルを盛り込んでいるが、全体に統一感を持たせた内容となっている[16]。また歌詞に関しては前作から引き続き松井五郎が担当しており、前年7月に急死した玉置の愛猫ドーキュウをテーマにした歌詞が「いつもどこかで」や「おいでよ僕の国へ」などにおいて採用された[17]。本作での作詞に関して松井は死を身近に感じる年齢になった事もあり、「命を懸けて君を守る」というフレーズにもリアリティが出る事を示唆した上で、「体温や感触などのリアリティがあるものを作っていきたいっていうのは、ずっと思ってます」と述べている[18]。また「プレゼント」に関しては「聴いた人が好きなように考えましょうっていうものになればよいと思ってる」、「今っていう瞬間が、どれほどかけがえのないものなのかを伝えられるといいな」と述べている[19]。
リリース
[編集]2006年4月5日にSony Music RecordsよりCDにてリリースされた。初回限定盤はシングル「プレゼント」および「Lion」のPVと、「Lion」のメイキングシーンを収録したDVDが付属され2枚組でリリースされた。
2018年8月15日にはBlu-spec CD2、紙ジャケット仕様でソニー・ミュージックダイレクトのGT musicレーベルより再リリースされた[20][21]。
ツアー
[編集]本作を受けてのコンサートツアー「Koji Tamaki Concert Tour 2006 - PRESENT -」は、同年4月5日の和光市民文化センターサンアゼリアから6月30日の東京国際フォーラム ホールAまで34都市全35公演に及んで開催された[22]。
批評
[編集]専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
CDジャーナル | 肯定的[23] |
TOWER RECORDS ONLINE | 肯定的[24] |
- 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、本作を「アダルト層に強力にアピールしそうなAOR歌謡」と位置付けた上で、「シンプルで手堅いバッキングもいい」と称賛した他、「Melon Water」や「発散だー!!」、「Help」に関しては「まだまだ若いところも見せる」と評価、「やせっぽちの星」は「亡き愛猫に捧げた美しい作品」であると称賛した[23]。また、「珠玉の名曲ばかりで構成された、玉置浩二の新たな名盤の誕生」と総括した[23]。
- 音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、ブルージーなロックナンバーやバラード、ファンクと多彩な曲が収録されている事や外部ミュージシャンの参加が多い事を指摘した上で、「かつてないほどのオープンな作品となった」と称賛した[24]。
チャート成績
[編集]オリコンチャートでは最高位26位、登場回数5回となり、売り上げ枚数は1.4万枚となった。
収録曲
[編集]CD
[編集]全作詞: 松井五郎(特記除く)、全作曲: 玉置浩二(特記除く)、全編曲: 玉置浩二、安藤さと子。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「Melon Water」(作曲: 玉置浩二、矢萩渉) | |
2. | 「シェルター」 | |
3. | 「延長戦」 | |
4. | 「いつもどこかで」(作詞: 玉置浩二、安藤さと子、松井五郎) | |
5. | 「虹のラララ」(作詞: MISIA) | |
6. | 「Lion (album ver.)」 | |
7. | 「ヒトリゴト」 | |
8. | 「夜想」 | |
9. | 「発散だー!!」 | |
10. | 「プレゼント」 | |
11. | 「Help」 | |
12. | 「おいでよ 僕の国へ」 | |
13. | 「やせっぽちの星」(作詞: 玉置浩二、安藤さと子/編曲:安藤さと子) | |
合計時間: |
DVD
[編集]- プレゼント(ビデオクリップ)
- Lion(ビデオクリップ)
- Lion(ビデオクリップ・メイキング映像)
スタッフ・クレジット
[編集]参加ミュージシャン
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スタッフ
[編集]- 玉置浩二 - プロデューサー
- 安藤さと子 - プロデューサー
- 松尾順二(ソニー・ミュージックスタジオ) - レコーディング・エンジニア、ミックス・エンジニア
- 茅根裕司(ソニー・ミュージックスタジオ) - マスタリング・エンジニア
- 高山浩也(ソニー・ミュージックスタジオ) - アシスタント・エンジニア
- 小柳晃(ソニー・ミュージックスタジオ) - アシスタント・エンジニア
- 池田修平(ソニー・ミュージックスタジオ) - アシスタント・エンジニア
- アンクルオニオン - マネージメント・オフィス
- 福谷京子(アンクルオニオン) - マネージメント・デスク
- 伊藤一臣 (MSE) - ミュージシャンズ・コーディネーション
- 平澤一成(ハイウェイグラフィックス) - アート・ディレクション、デザイン
- 吉田恒星 (JUNK LAND) - 写真撮影
- 鍋田由美 - スタイリスト
- 宮内直人 (SUGAR) - ヘアー&メイク・アップ
- ジェリー・K・ホワイト - インターナショナル・コーディネーション
- ケヴィン・H・ヤマザキ - インターナショナル・コーディネーション
- アーネル・ロペス・キャピル - インターナショナル・コーディネーション
- 高木伸二(ソニー・ミュージックレコーズ) - A&R
- 志倉幸代(ソニー・ミュージックレコーズ) - A&R
- 八田雅美(ソニー・ミュージックコミュニケーションズ) - プロダクト・コーディネーション
- ヤマ犬猫病院 - スペシャル・サンクス
- モントゥトゥ - スペシャル・サンクス
- 関正春 - スペシャル・サンクス
- 松山洋子 - スペシャル・サンクス
- 柳澤敏幸 - スペシャル・サンクス
- 吉田輝久枝 - スペシャル・サンクス
- 乃木坂アーティストリアム - スペシャル・サンクス
- 平賀裕二(サウンドクルー) - スペシャル・サンクス
リリース履歴
[編集]No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
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1 | 2006年4月5日 | Sony Music Records | CD+DVD CD |
SRCL-6244~5(初回盤) SRCL-6246(通常盤) |
26位 | 初回限定盤のみDVD付属 |
2 | 2018年8月15日 | GT music | Blu-spec CD2 | MHCL-30529 | - | 紙ジャケット仕様 |
脚注
[編集]- ^ “ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
- ^ “玉置浩二 -玉置浩二コンサートツアー2005 ~今日というこの日を生きていこう~”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年2月25日閲覧。
- ^ 志田歩 2006, pp. 209–210- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ a b c d e f 志田歩 2006, p. 210- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ a b 志田歩 2006, p. 209- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ 志田歩 2006, p. 211- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ “あいのうた - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2020年3月2日閲覧。
- ^ “ディスコグラフィ|玉置浩二”. ソニーミュージック オフィシャルサイト. ソニー・ミュージックエンタテインメント. 2020年3月2日閲覧。
- ^ 志田歩 2006, p. 217- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, pp. 216–217- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, pp. 213–214- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ 志田歩 2006, p. 214- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ a b c 志田歩 2006, p. 212- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ a b 志田歩 2006, p. 213- 「第14章 東京への帰還」より
- ^ a b 志田歩 2006, p. 219- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, p. 220- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, pp. 217–219- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, p. 218- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ 志田歩 2006, p. 221- 「第15章 夜空に寄り添う星のように」より
- ^ mio (2018年5月24日). “玉置浩二 オリジナルアルバム 紙ジャケットコレクション発売”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “玉置浩二のソロアルバム13作品を紙ジャケ再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年8月15日). 2019年2月3日閲覧。
- ^ “玉置浩二 -Koji Tamaki Concert Tour 2006 - PRESENT -”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年3月2日閲覧。
- ^ a b c “玉置浩二 / PRESENT”. CDジャーナル. 音楽出版. 2020年3月2日閲覧。
- ^ a b JMD (2018年6月4日). “玉置浩二/PRESENT<完全生産限定盤>”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年3月2日閲覧。
参考文献
[編集]- 志田歩『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、209 - 221頁。ISBN 9784876722006。
外部リンク
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