コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

o-フェニレンジアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
o-フェニレンジアミン[1]
{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 95-54-5 チェック
PubChem 7243
ChemSpider 13837582 チェック
UNII 8B713N8Q0F ×
EC番号 202-430-6
国連/北米番号 1673
ChEBI
ChEMBL CHEMBL70582 チェック
RTECS番号 SS7875000
特性
化学式 C6H8N2
モル質量 108.14 g mol−1
外観 白色の固体
密度 1.031 g/cm3
融点

102 - 104 °C, 271 K, -53 °F

沸点

252 °C, 525 K, 486 °F (他の文献: 256 - 258 °C (493 - 496 °F; 529 - 531 K))

への溶解度 熱水に溶ける
酸解離定数 pKa
  • 0.80 (二重プロトン型; 20 °C, H2O)
  • 4.57 (共役酸; 20 °C, H2O)[2]
磁化率 -71.98·10−6 cm3/mol
危険性
安全データシート(外部リンク) Oxford MSDS
GHSピクトグラム 急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H301, H312, H317, H319, H332, H341, H351, H410
Pフレーズ P201, P202, P261, P264, P270, P271, P272, P273, P280, P281, P301+310, P302+352, P304+312, P304+340
NFPA 704
1
3
0
引火点 156 °C (313 °F; 429 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

o-フェニレンジアミンo-Phenylenediamine)は、分子式 C6H4(NH2)2有機化合物である。この芳香族ジアミンは、複素環式化合物前駆体として重要な物質である。異性体に、m-フェニレンジアミンp-フェニレンジアミンがある。

o-フェニレンジアミンとケトンアルデヒドを混合するとシッフ塩基が形成する。この反応はベンズイミダゾールの置換反応に利用されている。また、o-フェニレンジアミンとシュウ酸キノキサリンが合成できる。

錯体化学においてフェニレンジアミンは重要な配位子である。サリチルアルデヒド誘導体のようなシッフ塩基誘導体は優れたキレート配位子である。金属–フェニレンジアミン錯体は、鮮やかな色のついた複数の酸化状態のジイミン誘導体を与える[3]

生化学の分野においては、ペルオキシダーゼとの反応により 492 nm 付近に吸収極大を持つ蛍光を発する性質を利用し、二塩酸塩の形でELISA法などの呈色試薬(基質)として用いられる。

脚注

[編集]
  1. ^ DuPont Specialty Intermediates: o-Phenylenediamine (OPD)”. 2008年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年4月25日閲覧。
  2. ^ Haynes, William M., ed (2016). CRC Handbook of Chemistry and Physics (97th ed.). CRC Press. p. 5–89. ISBN 978-1498754286 
  3. ^ Warren, L. F. "Synthesis of [M'-N4] and [M'-N6] Complexes Based on o-Benzoquinone Diimine with Cobalt, Iron, and Ruthenium" Inorganic Chemistry 1977, volume 16, pages 2814-2819.