Open Enterprise Server
OSの系統 | Unix系, NetWare |
---|---|
ソースモデル | オープンソース / クローズドソース |
最新安定版 | OES 2018 SP1 / 2019年2月9日 |
対象市場 | |
パッケージ管理 | RPM Package Manager |
先行品 | NetWare 6.5 |
Open Enterprise Server (OES) はサーバオペレーティングシステムである。2005年3月にノベル (企業)よりNetWareの後継として発表された[1]。
OESはNetWareとは違いLinuxディストリビューションベースである。具体的に言うとOESはSUSE Linux Enterprise Serverベースである。Open Enterprise Serverの最初とその次までのメジャーリリースでは、Linuxカーネル(NetWare互換レイヤーと併用)とノベルのNetWareカーネル(Linux互換レイヤーと併用)のどちらでも起動可能であった[1]が、ノベルはOES 11のリリースからNetWareカーネル版を廃止した。
OES 1とOES 2
[編集]ノベルはOESの最初のバージョンとして、OES 1を2005年3月にリリースした[1]。一部のユーザーはNetWareと後方互換であることを望んでいたため、ノベルはOES-NetWareおよびOES-Linuxの2つのインストールオプションを提供した。OES-NetWareおよびOES-Linuxは、それぞれ異なるカーネルとユーザーランドを搭載した、別々のオペレーティングシステムである。
OES-NetWareは、様々なノベルのサービス(NetWare Core Protocol、Novell eDirectory、Novell Storage Service、iPrintなど)やオープンソースソフトウェア(OpenSSH、Apache Tomcat、Apache HTTP Serverなど)向けNetWare Loadable Moduleを搭載したNetWare v6.5である。
OES-LinuxはSUSE Linux Enterprise Server (SLES) にNetWareサービスであるNetWare Core Protocol、Novell eDirectory、Novell Storage Services、iPrintを搭載したバリエーションである。
2007年10月8日にOES 2がリリースされたが、OES-NetWare版は残された。OES 2のOES-NetWare版オペレーティングシステムであるNetWare 6.5 SP7は、Xenハイパーバイザの内部で準仮想化ゲストとして実行可能であった。OES 2のOES-Linux版のSLESは、SLES 10にアップデートされた。
OES 2が搭載した機能は以下の通りである[2]:
- 64ビットサポート
- ハードウェア仮想化
- Novell Shadow Volumesを提供するための動的ストレージ技術
- Windowsドメインサービス
- Apple Filing Protocol (AFP)
OES 11
[編集]2011年12月13日、SLES 11 SP1 64-bitベースのOES 11がリリースされた。OES 11はOESで初めて64ビット版 (x86_64) およびSLESベース版のみのリリースとなった(32ビット版とNetWareベース版はリリースされなくなった)。
- Macクライアント向けNovell Kanakaの導入
- OES2より100倍高速でパッチを当てるZypperツールの採用
- OES2からの自動/無人アップグレードの追加
- より簡単なストレージ管理を提供する新型Novell Linux Volume Manager (NLVM)
2014年1月28日、ノベルはサービスパックとしてOES 11 SP2をリリースした。
OES 2015
[編集]OES 2018
[編集]- 2017年12月にリリースされたOES 2018はSLES 12 SP2ベースである。
リリース概要
[編集]- 2005年3月にOESがリリース。NetWare 6.5 SP3ベース・SLES 9 SP1ベース。
- OES SP1、2005年9月リリース。NetWare 6.5 SP4ベース・SLES 9 SP2ベース。
- OES SP2、2006年1月リリース。NetWare 6.5 SP5ベース・SLES 9 SP3ベース。。
- 2007年10月8日、OES 2がリリース。NetWare 6.5 SP7ベース・SLES 10 SP1ベース。
- 2011年12月13日、OES 11がリリース。SLES 11 SP1ベース(64ビット版のみ)。
- 2015年8月、OES 2015がリリース[3]。
- 2016年6月、OES 2015 SP1がリリース。SLES 11 SP2ベース。
- 2017年12月、OES 2018がリリース。SLES 12 SP2ベース。
- 2019年2月、OES 2018 SP1がリリース。SLES 12 SP3ベース。
End-Of-Supportスケジュール
[編集]OESバージョン | リリース日 | サポート終了日[5] | LTSS終了日 |
---|---|---|---|
1 | 2005-03-01 | ? | ? |
2 | 2007-10-08 | 2013-07-31 | ? |
11 | 2011-12-13 | 2017-06-13 | ? |
2015 | 2015-08-31 | 2019-03-31 | ? |
2018 | 2018-12-06 | 2022-12-28 | ? |
サポート終了 サポート中 現行バージョン |
コンポーネント
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- Client for Open Enterprise Server
Client for Open Enterprise Server (Client for OES) は OES2 以降の Windows 用クライアントソフトウェアである。かつては Novell Client for Windows と呼ばれていた。[6]
Client for OES は Windows とOESとの通信を NetWare Core Protocol (NCP ポート 524)によって実現する、唯一の手段である。 OES のサブスクリプションに含まれ、OES ユーザは、OES サポートポリシーにより、サポートを受けられる。 Windows ワークステーションのログインスクリプトを処理し、ローカルアカウントとネットワークアカウントの管理を行う。また Windows Explorer のシェルをOESのために拡張する。通信は NCP、ポート 524を使い、ログイン、ファイルトラスティ、ボリューム、SLPによるネットワークリソース検索などを NCP プロトコルによって管理する。
Windows が更新される都度、Windows 側の仕様変更に対応できるよう、ACUと呼ばれる自動クライアントアップデート機能がある。
- Automatic Client Upgrade (ACU) - 既存のワークステーション上におけるノベルクライアントソフトウェアのアップグレードを自動化する[7]。
マーケティング
[編集]ベンダーの動機
[編集]ノベルの幹部達は大半のアナリスト達[誰?]と同様に、人気上昇中のOSにサービスを移植し、ハードウェアとソフトウェアベンダーのサポートを強化すれば、ノベルはビジネス効果を高める機会を得られるだろうと期待した。
OESは、以下の2つに対するノベルの反応である:
- 企業戦略と業界全般におけるLinuxとオープンソースの重要性の増大。
- ノベルが市場シェアの多くを失ったという事実。これは、顧客がネットワーキングサービスの品質に不満を持っていたからではなく、ネットワーキングサービスが初期設計において狭義に特化されたOS上で独占的に実行されることがほとんどで、さらに大半の競合他社のようにISVの強力なサポートを得られなかったことが理由の大半であった。
ライセンスコスト
[編集]ライセンスコストはプラットフォームに関係なく同一であり、同一ライセンスの下ではプラットフォームを混在させてもよい。OESはノベルの他の製品と同様に、サーバの数に関係なく、ユーザー毎にライセンスが与えられる。価格設定は通常、物理CPUてあってもハードウェア仮想化技術(例えばVMware、Xen)の使用であっても変わることはない。NetWareとOESには、共にNovell Cluster Services用の2ノードライセンスが含まれているため、追加のライセンス料金なしで基本的なクラスタ環境を作成できる。
OESと比べると、Microsoft Windowsはサーバごとやクライアントごとに課金され、大きなSMPサポートとクラスタリングには追加料金がかかる。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c Prickett Morgan, Timothy (13 December 2011). “NetWare-Linux Love Child Turned Up to 11”. The Register. 2017年2月7日閲覧。
- ^ “Upgrading to OES2: Planning & Implementation Guide”. 2018年6月30日閲覧。
- ^ a b c “Manage File & Print Networks - Open Enterprise Server”. 20 November 2015閲覧。
- ^ a b c d e “Product Support Lifecycle”. 2018年6月30日閲覧。
- ^ Product Support Lifecycle
- ^ https://www.novell.com/documentation/windows_client/windows_client_admin/data/h4rudg93.html
- ^ Harris, Jeffrey (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, NetWare Edition. Novell Press. Pearson Education. ISBN 9780672332784 2015年2月15日閲覧. "Automatic Client Upgrade[:] Although the Client Upgrade Agent has largely replaced this functionality, Novell still offers the ACU feature to automate the upgrade of multiple existing workstations to the latest Novell client."
外部リンク
[編集]参考文献
[編集]- Harris, Jeffrey; Mike Latimer (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, SUSE LINUX Edition. Novell Press. ISBN 978-0-672-32749-0
- Harris, Jeffrey (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, NetWare Edition. Novell Press. ISBN 978-0-672-32748-3
- Bastiaansen, Rob; Sander van Vugt (2006). Novell Cluster Services for Linux and NetWare. Novell Press. ISBN 978-0-672-32845-9
- Hughes, Jeffrey (2005). Novell's Guide to Open Enterprise Server Networks. Novell Press. ISBN 978-0-7897-3196-8
- Williams, Jason; Peter Clegg; Emmett Dulaney (2005). Expanding Choice: Moving to Linux and Open Source with Novell Open Enterprise Server. Novell Press. ISBN 978-0-672-32722-3
- Simpson, Ted (2006). Hands-On Novell Open Enterprise Server for Netware and Linux. Course Technology. ISBN 978-1-4188-3531-6
- van Vugt, Sander (2005). Pro Novell Open Enterprise Server. Apress. ISBN 978-1-59059-483-4
- Tomkinson, Larry (2009). Upgrading to OES2 Planning and Implementation Guide. Novell
- “Novell Open Enterprise Server 11 Authorized Beta” (5 April 2011). 28 July 2011閲覧。