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TVオバケてれもんじゃ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Nice Accidentから転送)
TVオバケてれもんじゃ
ジャンル 特撮テレビドラマ
原作 石森章太郎
脚本 浦沢義雄ほか
監督 田中秀夫ほか
出演者
声の出演 龍田直樹
音楽 本間勇輔
オープニング 「Nice Accident」(榊原郁恵
エンディング 「チャンネルX」(榊原郁恵)
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
プロデューサー
制作
放送
放送チャンネルフジテレビ系列
音声形式MONO放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1985年1月10日 - 3月28日
放送時間木曜19:30 - 20:00
放送枠フジテレビ木曜7時30分枠の連続ドラマ
放送分30分
回数11回
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TVオバケてれもんじゃ』(テレビオバケてれもんじゃ)は、1985年1月10日から同年3月28日までフジテレビ系で放送された特撮テレビドラマである。

概要

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日曜朝9時の東映不思議コメディーシリーズペットントン』の成功を受け、同シリーズの作風を取り込み木曜のゴールデンタイム(19:30 - 20:00)で放送された[1][2][3]。原作が石ノ森章太郎、メインライターが浦沢義雄など、東映不思議コメディーシリーズのスピンオフ的作品であり、文献によっては本作品も東映不思議コメディーシリーズに含めて紹介されている[4]

バラエティ番組色が強く、局の人気番組の出演者が大量に出演した[5][1][2]

しかし、視聴率は振るわず、全11回で打ち切られた[5][2]。メインライターの浦沢義雄は、「スタッフ全員がゴールデンタイムを知らず、自然と自粛してしまったのだろう」と述べている[3]

映像はフィルム撮影を基本としつつ、特殊効果の施されたシーンには一部VTR撮影・編集を行なっている。当時、ジョージ・ルーカスが開発したとされるフィルムの質感を表現可能なVTRは日本で普及しておらず、キネコ処理しなければならなかった当時の純フィルム作品と異なり、質感の異なる映像が交互に現れる点が特徴だった[5]。だがそうした本作品での映像技術は特撮では定着することなく、東映特撮では当時すでに一般向け東映作品に導入していたファイン・ネガ・ビデオシステムがようやく導入された1990年代中期でも、VTR合成やオプチカル処理はキネコやフィルム焼き付けが主流となっていた。その後、東映のVTR撮影特撮は『超光戦士シャンゼリオン』まで現れなかった。

次回予告で『どきんちょ!ネムリン』と共演し、てれもんがネムリンの予告に出たこともあった。

あらすじ

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冒頭で、主人公の林トンボが「僕の家のテレビは8チャンネルしか映らない、だから大好きなキン肉マントップテン[注釈 1]キャプテン翼[注釈 2]が視られない…」と語るところから始まる。

テレビを買い替えてくれない両親に業を煮やしたトンボは、自宅のテレビを壊して無理矢理にでも買い替えてもらおうとする[注釈 3]。いざ、テレビの目の前で壊そうとした瞬間…そこにテレビから現れたのは、林家のテレビの中に住み着き「電波の滓」を食べて生きているというオバケのてれもんだった。

ライバルの「ザ・グレートデンキ」は、近所の電器店(屋号:小俣電器)のオヤジである。『てれもんがいるから林家はテレビを買い替えてくれない』と思い込み、てれもん退治に奔走する。「でんでんでんでん電気の神様…」と祈りながらザ・グレートデンキに変身し、自分で発明した奇妙奇天烈な効果を起こす不思議な銃を使っててれもんを攻撃するのだった。

登場人物

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てれもんと林一家

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てれもん
電波の滓から生まれた全身オレンジ色のTVオバケ[6][7]。本名は「てれもんじゃ」だが作中では「てれもん」と呼ばれることが多い。テレビの中と現実を行き来し、テレビに映った物体や人物を実体化させて外に出すことができる[8][7][6]。どこまでも伸びる喉ちんこを自在に操って攻撃する[8][7][6]。また、大量の電気を体内にためこんでおり、家電を動かすことも可能[7]。風邪を引くと熱の代わりに電気を放出する。「じ〜」が口癖[6]。電波の滓が食糧という設定だが、OPをはじめ普通の食品も食べる場面がある。
林 トンボ
本編の主人公。家のテレビがフジテレビだけしか映らないことが原因でネクラな性格になっている。
林 アゲハ
トンボの母。明るくお茶目な性格[7]
林 カブト
トンボの父。区役所勤務の平凡なサラリーマン[5][7]。第7話では中学教師という設定になり、偶然から不良少女を更生させた。

町の人たち

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サヤカ
トンボやてれもんの憧れの少女[注釈 4]。ザ・グレートデンキに感銘を受けて同様のメイクとコスチュームでファンクラブ会長を名乗ったこともある[9]
ラドン
トンボの同級生。アゲハに恋し、結婚しようと目論んでいる。
屋台のラーメン屋
カブトの友人[5]

てれもんの敵

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小俣/ザ・グレートデンキ
林一家の近所の電器店・小俣電器の店主。第2話から登場だが、第5・7・10話には登場しない。ザ・グレートデンキは小俣が店奥の祭壇にある電気大明神に祈祷を捧げて瞬間的に変身した電気の怪人で、自称「電器メーカーの正義の味方」[9]。林家のテレビを壊して最新式に買い換えさせようと目論んでおり[9]、そのために目障りなてれもんを憎む。毎回、後述の新製品(武器)を手にてれもんに挑むが敗北を重ねている。林家を含む近所の電器店の馴染み客の奥さんたちには「へんなことをやっている」と思われるなど正体が知れ渡っている[9]
強力瞬間冷凍フリーザー銃
第2話で使用。
ターボ乾電池付灼熱ヒーター型ストリップ銃あっちっち
第3話で使用。
逆転早送り等々あらゆる機能が鮮明画像で楽しめるスライドバリヤー赤外線フォーカス百万時間ビデオマシーンぴっぴっぴ
第4話で使用。
改良型強力瞬間冷凍フリーザー銃
第6話で使用。
ハンマー
第8・11話で使用。小俣が普段から所持している仕事道具。新製品の開発が間に合わなかった際に武器として使用する。
無公害節約省エネタイプの強力瞬間クッキングマシーン
第9話で使用。
総天然色カラーボーイ
第6話登場。小俣が電気大明神に祈って誕生させた怪人。頭部はテレビでテストパターンのような衣を纏い、おネエ言葉で話す。全てを総天然色に変えてしまう「ステレオウィンク」を使う。ザ・グレートデンキの命令も聞かず、単独で暴走、このためグレートデンキはてれもんと共闘する事になる。
林家のテレビ
林家が東京オリンピックの年(1964年)に購入したカラーテレビ。最終回第11話では意思を持ち、トンボが福引で新型のカラーテレビを当てたことで自身が捨てられそうになったため、激怒して暴れ出した。てれもんにも止めることはできなかったが、グレートデンキのハンマーに叩かれたショックで遥か彼方へ飛び去り、人工衛星となって地球の周囲を回りだすという結末を迎えた。てれもんにとっては自分の家であり生みの親のような存在ではあるが、無くては生きていけないというわけでもなく、その後も元気にトンボと遊ぶ姿が描かれて物語は幕を閉じる。

スタッフ

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主題歌

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両曲を収録したEPレコードは、日本コロムビアより発売。なお、OP映像とED映像では、歌詞テロップは表示されなかった。

出演者

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放送リスト

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放送日 話数 サブタイトル 脚本 監督 ゲストキャラクター
1985年
1月10日
1 ザンゲの神様 クラッシュも真っ青!! 浦沢義雄 加藤盟
1月17日 2 正義の味方ザ・グレートデンキ誕生!!
1月24日 3 必殺! (秘)ストリップ銃あっちっち 田中秀夫
1月31日 4 紙テープはスーパースターの夢を見る!!
2月7日 5 高見山直伝! 強い女の子に勝つ方法 加藤盟
2月14日 6 恐怖の音声多重総天然色カラーボーイ
2月28日 7 不良少女XYZ 積木くずしパニック!! 田中秀夫
  • テレビの中の中学教師(ビートきよし[10]
  • テレビの中の不良少女(茂野幸子
  • 山本(井浦秀智
  • 宮脇志都
  • 志賀律子
  • 上野由美子
  • 知野方子
  • 大谷和世
  • 中村麻記
  • 染谷早苗
  • 尾崎泰子
3月7日 8 トンボが初めて百点満点をとった日!!
3月14日 9 逃げろや逃げろ!! ヒーローはつらい 浦沢義雄
加藤盟
佐伯孚治
  • 映画監督(吉田重幸
  • ふくしまとしえ
  • 鈴木克久
  • 田中愛子
3月21日 10 私は恋するフランケンシュタイン 水谷龍二
佐伯孚治
  • フランケン(大友龍三郎
  • 今野亜紀
  • 山本緑
  • 大館光信
  • 舟久保信之
  • フランケンシュタイン博士(市川勇)
3月28日 11 突然サヨナラ! いとしのテレビ 浦沢義雄 加藤盟

映像ソフト

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2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」にテレビシリーズの第1話が収録され、初めてソフト化された。

放送局

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CS放送・ネット配信

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CS放送

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ネット配信

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脚注

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注釈

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  1. ^ 主題歌歌唱の榊原郁恵が司会を担当。
  2. ^ 関東などでは裏番組だった。
  3. ^ この時の格好は映画『ゴーストバスターズ』のパロディ。
  4. ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では女子中学生[5]、書籍『特撮ヒーローの常識 80年代篇』では女子高生[9]と記載している。
  5. ^ 同日、当番組の後に放送の「木曜ファミリーワイド」で、引退相撲の模様などを収めた企画『どすこい大五郎 高見山物語 ジェシー振り向かないで』が組まれており、劇中ではてれもんがインタビューすると、高見山が『どすこい大五郎』を宣伝する台詞があった。なお、後年の東映チャンネルでの放送や、東映特撮YouTube Officialでの配信では、高見山の宣伝台詞はカットしなかった。

出典

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  1. ^ a b 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、177頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  2. ^ a b c 「ヒーローファイル TVオバケてれもんじゃ」『甦る!石ノ森ヒーローファイル』Gakken〈Gakken Mook〉、2013年9月10日、84頁。ISBN 978-4-05-610166-9 
  3. ^ a b 「スーパー戦隊制作の裏舞台 浦沢義雄」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1996 激走戦隊カーレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年8月9日、32頁。ISBN 978-4-06-509607-9 
  4. ^ 常識 2013, p. 152.
  5. ^ a b c d e f 全怪獣怪人 下 1990, p. 403
  6. ^ a b c d 東映×石ノ森 2010, p. 154, 「TVオバケてれもんじゃ」
  7. ^ a b c d e f 常識 2013, p. 116, 「てれもんが生まれたテレビの秘密とは?」
  8. ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 402
  9. ^ a b c d e 常識 2013, pp. 118–119, 「てれもんを狙う強敵の正体は?」
  10. ^ a b c d e f g h i 常識 2013, p. 117, 「てれもんが生まれたテレビの秘密とは?」
  11. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1985年(昭和60年)3月、テレビ欄。
  12. ^ a b 『福島民報』1985年1月10日 - 3月28日付朝刊、テレビ欄。

参考文献

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フジテレビ 木曜19時台後半
前番組 番組名 次番組
ふたり鷹
【金曜17:00枠へ移動
(ローカル枠降格)】
【これのみアニメ
TVオバケてれもんじゃ
【当番組よりドラマ