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New Horizon (松本孝弘のアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『New Horizon』
Tak Matsumotoスタジオ・アルバム
リリース
録音 2012年 - 2014年
ジャンル
レーベル
プロデュース
チャート最高順位
Tak Matsumoto アルバム 年表
  • New Horizon
  • (2014年)
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New Horizon』(ニュー・ホライズン)は、日本音楽ユニットB'zギタリストである松本孝弘の10作目のオリジナル・アルバム。

日本で国内盤を先行発売した後、アメリカ合衆国でUS盤をリリースした。

概要

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ベスト的な内容の作品だった前作『Strings Of My Soul』以来、約2年ぶりのリリースとなるアルバム。しかしながら近年の松本の作品が、過去の自身の楽曲が中心の作品(『House Of Strings』『Strings Of My Soul』)、他アーティストとのコラボレーション作品(『TAKE YOUR PICK』)、カバー曲がメインの作品(『THE HIT PARADE』『Theatre Of Strings』)が続いていたことを考えると、松本単独での新作を網羅したアルバムは2002年に同時リリースしたアルバム『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』『』以来、約12年ぶりとなる。

本作では、リリース発表前からCMソングとして流されていたアルバムタイトル曲「New Horizon」や、2013年に敢行されたB'zのライブツアーで先行披露された「Rain」、2003年放送のアニメ主題歌として制作された楽曲のリアレンジバージョンである「BLACK JACK」等を収録。また、ジャズの名曲の再カバーや、昭和フォークソングカバーなどにも挑戦している。

購入特典として、付属の応募抽選カードを用いて応募すると、抽選で300名にアナログレコード盤がプレゼントされるというキャンペーンが行われた(2014年6月15日締切)。

アルバムの制作は2012年に開始され、レコーディングにはギブソン・ファイヤーバード、チェンバーボディのギブソン・レスポールフェンダー・ストラトキャスターが使用された[4]。ファイヤーバードの使用はギターテックからの提案によるもので、松本は「けっこう斬新だなと思って。ファイヤーバードの形が好きなんですよ」「(これまでのレスポールとの違いを聞かれ)ギターは木だから1本1本違うじゃないですか。でもこれはすごくバランスが良くて。大当たり。歪んだ音もいいしクリーンもいい。ネックもいいし。線も太いし」と語っている[4]

本作リリースから約2年後、次回作『enigma』リリース時のインタビューで松本は、『New Horizon』はファイヤーバードを使うことに執着していたために、音はいいのだがどの曲も同じトーンになってしまった、という反省点があると振り返っている[5]

記録

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発売初週で1.8万枚の売上を記録し、2014年5月12日付オリコンウィークリーチャートでは初登場3位[6]。TOP3入りしたのは、ラリー・カールトンとの共作アルバム『TAKE YOUR PICK』(2位)以来、3年11ヶ月ぶり。単独名義のインストゥルメンタルアルバムでは、『Wanna Go Home』(3位)以来、約22年ぶりとなる[6]

第29回日本ゴールドディスク大賞にてインストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞[7]

収録曲

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日本国内盤と米国盤とでは1曲目と2曲目が逆になっている。また、米国盤では日本語の曲名が英語の曲名に変更されており、「月のあかり」は「Light of the Moon」、「学生街の喫茶店」は「Once Upon a Love」と改題された。

日本国内盤

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  1. New Horizon(4:38)
    • アルバムタイトル曲で、佐川急便のCMソングとして書き下ろされた[8]
  2. Take 5(3:33)
  3. Feel like a woman tonite(3:52)
    • 女性シンガーのウェンディ・モートンボーカルに迎えた楽曲[8]しかしながら松本は、ボーカルのダビング作業はポールに任せていたため、ダビング作業には立ち会っておらず、リリース時点でウェンディに一度も会っていないという。歌手の選定に関しては、ポールから「男性と女性どっちがいい?」と確認されたときに、「絶対に女性がいい」と返答し、ポールがウェンディを選定した。[要出典]
  4. Rodeo Blues(3:14)
    • 本アルバム制作過程で最初に取り掛かった楽曲であるが、当時はワンコーラスしか出来なかった。その後2013年12月、アルバム制作過程の最後の方で再びこの楽曲制作に取り掛かり、完成させた。[要出典]
  5. Island of peace(5:22)
  6. That's Cool(3:18)
    • 本アルバム制作過程の後半に制作された楽曲。数曲制作した後に、松本が「メロウな楽曲が多い」と感じたため、明るい楽曲として制作された。[要出典]
  7. Shattered Glass(4:56)
    • マイナーコードを基盤とした楽曲。制作経緯は珍しいもので、最初は松本が「Shattered Glass」という言葉の響きを気に入り、タイトルに使用したいと思ったことがきっかけ。その後、「Shattered Glass」をテーマにした英語のストーリーを松本が制作し、そのストーリーをイメージして制作された。[要出典]松本が制作のストーリーは、本作付属のブックレットに掲載されている。
  8. 月のあかり(5:25)
    • 桑名正博が1978年にリリースしたアルバム『テキーラ・ムーン』収録の、桑名の代表曲「月のあかり」のカバー。原曲はボーカルのある楽曲であるが、今回はギターによるインストゥルメンタルでのカバーとなる。
    • 元々松本は22〜23歳の頃、桑名のライブやレコーディングのサポートメンバーとして参加していたことがあり、桑名には世話になっていた。2012年に桑名が他界し、桑名への感謝や想いを込めてカバーすることにしたと松本は語っている[4]
  9. Reason to be...(4:00)
    • この楽曲もハワイで制作された。2007年制作の「THE WINGS」、2010年制作の「hotalu」の流れを汲む作品で、この3曲は戦争をイメージして制作された。タイトルは和訳すると「...がそうなった理由」という意味であるが、「...」と言う部分には、「それが起こったのは理由があったのか?」「なんでこんなことになってしまったのか?」という自分自身の問いかけの意味が込められている。[要出典]
  10. BLACK JACK(4:33)
    • 2003年12月22日に日本テレビ系列で放送されたアニメ『ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』のテーマ曲として書き下ろされた楽曲「THE THEME OF B.J.」(2014年現在、未音源化)の新録バージョン[8]。2004年にオーケストラバージョン「BLACK JACK」が制作されており、今回で3バージョン目となる。
    • 選曲の際に、本楽曲かアニメ『真救世主伝説 北斗の拳』のために書き下ろされた楽曲「Theme from Fist of the North Star 〜The Road of Lords〜」とで迷ったらしいが、最終的に「BLACK JACK」が選ばれた。[要出典]
  11. 学生街の喫茶店(3:58)
    • ガロが1972年にリリースした「学生街の喫茶店」のカバー。原曲はボーカルのある楽曲であるが、今回はギターによるインストゥルメンタルでのカバーとなる。松本はコード進行がシンプルなわりにはメロディがとっても変わっているので、インストゥルメンタルとしては非常に活きるかなと思ってはじめたんですよねと語っている[4]
  12. Rain(5:38)
    • 2013年のB'zのライブツアー「B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-」で先行披露された楽曲[11][8]
    • 楽曲には効果音として、雨音が使用されている。これは、楽曲完成後に松本が「何か場面を空想させるようなSEがあるといい」と考えた際に、「やっぱり雨かな」と思い追加した。そのSEから、楽曲タイトルが「Rain」に決定された。[要出典]
    • 2017年にダニエル・ホーとの共同名義で発売されたアルバム『Electric Island, Acoustic Sea』には別アレンジで収録された[10]

米国盤

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  1. Take 5
  2. New Horizon
  3. Feel like a woman tonite
  4. Rodeo Blues
  5. Island of peace
  6. That's Cool
  7. Shattered Glass
  8. Light of the Moon
  9. Reason to be...
  10. Black Jack
  11. Once Upon a Love
  12. Rain

タイアップ

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  • 佐川急便「プロのための、プロがいる。」篇、「緊急納品」篇、「海外・国内一貫物流」篇CMソング(#1)

参加ミュージシャン

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脚注

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  1. ^ B'z松本孝弘 待望の新インストALをUSに先駆け日本先行リリース”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2014年3月17日). 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ New Horizon | 松本孝弘”. ORICON NEWS. oricon ME. 2024年7月21日閲覧。
  3. ^ Billboard Japan Top Albums Sales | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2014年5月7日). 2024年7月21日閲覧。
  4. ^ a b c d 烏丸哲也 (2014年4月28日). “【対談】松本孝弘×BARKS編集長、アルバム『New Horizon』への道程「今の自分なんて全く想像もしてなかった」”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク. p. 3. 2024年7月21日閲覧。
  5. ^ 烏丸哲也 (2016年4月5日). “【インタビュー】B'zの松本孝弘、『enigma』完成で「音楽創りがまた面白くなってきた」”. BARKS. 2016年6月29日閲覧。
  6. ^ a b 【オリコン】B'z松本孝弘、インストアルバムがTOP3 自身22年ぶり”. ORICON STYLE (2014年5月6日). 2014年5月7日閲覧。
  7. ^ 第29回日本ゴールドディスク大賞”. 日本レコード協会. 2021年3月14日閲覧。
  8. ^ a b c d e 音楽ナタリー編集部 (2014年3月17日). “B'z松本孝弘、約2年ぶりソロアルバム「New Horizon」”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2024年7月21日閲覧。
  9. ^ 『Player』2017年3月号、プレイヤーコーポレーション、2017年2月25日、14-25頁。 
  10. ^ a b 烏丸哲也(インタビュアー:烏丸哲也)「【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、ダニエル・ホーが語る「Takさんをもっと見て学びたい」」『BARKS』、ジャパンミュージックネットワーク、2017年2月6日https://www.barks.jp/news/?id=1000137834&page=22024年7月22日閲覧 
  11. ^ 音楽ナタリー編集部 (2013年9月26日). “B'z、55万人と25周年を祝したLIVE-GYM Pleasure 2013”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2024年7月21日閲覧。