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IronRuby

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
IronRuby
パラダイム マルチパラダイム
開発者 動的言語ランタイム設計チーム(マイクロソフト
最新リリース 1.1.3 / 2011年3月13日 (13年前) (2011-03-13)
型付け ダック・タイピング
プラットフォーム .NET Framework, Mono (Windows, Linux, Mac OS X)
ライセンス Apache License, v2.0
ウェブサイト http://ironruby.net/
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IronRubyは、.NET Framework上で動作する、マイクロソフトによるRubyの実装である。 CLR 2.0/4.0上で動的型付けや動的メソッドディスパッチの機能を提供する動的言語ランタイムの上に実装されている。 現在ではApache License ver. 2.0のもと公開され、ユーザーコミュニティにて開発と管理がなされている。

歴史

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IronRubyはWilco BauwerのIronRubyプロジェクトの名称を許可をとって使用している[1]2007年4月30日MIX 2007において発表され、OSCON英語版 2007で公開されることが予定されていた[2]2007年7月23日、約束どおりJohn LamとDLRの設計チームはIronRubyコンパイラのプレアルファ版をOSCONにて公開した。彼はまた、IronRubyを迅速にオープンソースコミュニティに提供すると発表した[3]

  • 2009年5月21日 RailsConf 2009にてバージョン0.5を発表、Ruby On Railsのデモが行われた。[4]
  • 2009年7月2日 バージョン0.6公開。[5]
  • 2009年7月23日 OSCON 2009でバージョン0.9の発表と、1.0への道筋が示された。[6]
  • 2009年8月1日 バージョン0.9公開。主要な機能の実装は0.9で一度終了し、バージョン1.0.0リリースまで品質の向上が主な作業となった。[7]
  • 2009年11月2日 バージョン0.9.2公開。バグ修正とDLRの更新に伴う更新が主な修正点。[8]
  • 2010年4月12日 バージョン1.0.0公開。正式なリリースで、初の安定版となる。[9]
  • 2010年7月17日 ライセンスがそれまでのMicrosoft Public LicenseからApache License ver. 2.0に変更される。[10]
  • 2010年10月21日 IronRuby, IronPythonがマイクロソフトの管理下でなくなる事が示される。[11]
  • 2010年10月21日 バージョン1.1.1リリース。マイクロソフトとしての最後のリリース。このリリースよりVisual Studioへのアドオン機能が追加される。また、このリリースで互換性を持つRubyのバージョンが1.9.1とされた。[12]
  • 2011年2月7日 バージョン1.1.2リリース。コミュニティへの移管後の初めてのリリース。[13]
  • 2011年3月13日 バージョン1.1.3リリース。[14]

IronRubyはRubySpecを元に実装されており、 GithubにあるIronRubyのリポジトリにはMSpecテストフレームワークを使用したRubySpecのテストが含まれている。[15]

Monoへの対応

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IronRubyはマイクロソフトのCommon Language Runtime (CLR) ではないオープンソースソフトウェア実装であるMonoでも動作する[16]。しかし、マイクロソフト管理下の時点でのIronRubyチームはWindowsのCLR上でしか動作確認を行っておらず[17]、Mono上でのビルド確認は行われなかった[18][19][20]

Monoでのビルドに関してはGithubのWikiに記述がある。[21]

動作保証となっているランタイムのバージョン

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Version 1.0.0

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  • .NET Framework 2.0 SP1
  • .NET Framework 4.0

Version 1.1 以降

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  • .NET Framework 4.0
  • Silverlight 4

.NETとの相互互換性

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Rubyからの視点だと、.NETのクラスはRubyのクラスではないので、そこでの相互運用性については限定的である。ただし、.NETのアセンブリの呼び出しや、.NETからのRubyスクリプトの呼び出しは他の環境に比べれば遙かに容易である。

ライセンス

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IronRubyは、BSDスタイルのライセンスに近いMicrosoft Public Licenseの下でリリースされていたが、2010年7月16日にIronRuby、IronPython、Dynami Language Runtime (DLR) はマイクロソフトによってApache License, v2.0に変更された。[22]

関連書籍

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  • Shay Friedman, "IronRuby Unleashed", Sam's, 2010, ISBN 0672330784
  • Ivan Porto Carrero and Adam Burmister, "IronRuby in Action", Manning, 2010, ISBN 1933988614

関連項目

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外部リンク

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脚注

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  1. ^ Bauwer, Wilco (2007年5月5日). “Microsoft's IronRuby”. 2007年8月24日閲覧。
  2. ^ Lam, John (2007年5月31日). “Microsoft and IronRuby”. 2007年8月24日閲覧。
  3. ^ Lam, John (2007年7月23日). “A first look at IronRuby”. 2007年8月24日閲覧。
  4. ^ Schementi, Jimmy (2008年5月25日). “IronRuby at RailsConf 2009”. 2008年5月25日閲覧。 “IronRuby running Rails is not new, but doing it well or completely – is. IronRuby can now run real Rails applications, rather than just toy-hello-world examples. This does not mean IronRuby on Rails is ready for production, but it’s a great measure of forward progress
  5. ^ Schementi, Jimmy (2008年5月25日). “IronRuby 0.6 Released!”. 2008年5月25日閲覧。
  6. ^ IronRuby at OSCON 2009: Mono, Moonlight, and scripting open source apps” (2009年7月23日). 2009年7月24日閲覧。
  7. ^ Schementi, Jimmy (2008年8月1日). “IronRuby 0.9 Released!”. 2008年8月2日閲覧。
  8. ^ RubyForge: IronRuby: リリースノート!” (2008年11月2日). 2008年11月3日閲覧。
  9. ^ [Ironruby-core [ANN] IronRuby 1.0 Released!]” (2010年4月12日). 2010年4月12日閲覧。
  10. ^ Microsoft Licensing Changes for IronRuby and IronPython” (2010年7月17日). 2010年7月18日閲覧。
  11. ^ New Components and Contributors for IronPython and IronRuby” (2010年10月21日). 2010年10月22日閲覧。
  12. ^ 1.1.1” (2010年10月21日). 2010年10月22日閲覧。
  13. ^ 1.1.2” (2011年2月7日). 2011年2月8日閲覧。
  14. ^ 1.1.3” (2011年3月13日). 2011年3月15日閲覧。
  15. ^ RubySpec”. 2010年10月23日閲覧。 “The IronRuby GIT repo includes a copy of the RubySpec tests, including the MSpec test framework, under External.LCA_RESTRICTED\Languages\IronRuby\mspec. This makes it easy to modify existing tests or write new tests, and fix the bugs in the IronRuby sources, all in a single commit to the IronRuby repo.
  16. ^ Miguel de Icaza (2009年7月27日). “Improving Mono's compatibility with .NET CLR”. 2009年8月3日閲覧。 “For as long as we remember, most new versions of IronPython, IronRuby or the Dynamic Language Runtime exposed new missing functionality in Mono
  17. ^ Sanghyeon, Seo (2008年8月6日). “IronRuby and Mono”. 2008年9月13日閲覧。
  18. ^ Vander Schelden, Wim (2008年9月4日). “IronRuby and Mono”. 2008年9月13日閲覧。
  19. ^ Hall, Ben (2009年1月23日). “DLR Daily Builds (including IronRuby)”. 2009年1月23日閲覧。
  20. ^ Porto Carrero, Ivan (2009年5月26日). “mono builds”. 2009年6月5日閲覧。
  21. ^ Building - mono” (2010年1月18日). 2010年4月12日閲覧。
  22. ^ IronRuby License” (2010年7月16日). 2010年7月27日閲覧。