iOS 15
開発者 | Apple |
---|---|
OSの系統 | iOS |
ソースモデル | オープンソースのコンポーネントを使用したクローズドソース |
製品出荷版 (GA) | iOS 15 (19A341) iPhone 13 mini、iPhone 13、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max |
最新安定版 | 15.8.3(19H386) / 2024年7月30日 |
使用できる言語 | [注 1] |
プラットフォーム | |
カーネル種別 | ハイブリッド(XNU) |
既定のUI | Cocoa Touch (マルチタッチ, GUI) |
ライセンス | プロプライエタリソフトウェア |
先行品 | iOS 14 |
後続品 | iOS 16 |
ウェブサイト | Apple - iOS 15 |
サポート状況 | |
終了(2024年8月以降のセキュリティアップデートはない[2]) | |
シリーズ記事 | |
iPadOS 15(iPad用の派生OS) |
iOS 15(アイオーエス フィフティーン)は、Appleが開発しているモバイルオペレーティングシステムiOSの15番目のメジャーリリースである。 開発者向けベータ版は2021年6月8日(日本時間)に配信され、パブリック・ベータ版は同年7月1日(日本時間)に配信され、正式リリース版は日本時間2021年9月21日午前2時に配信された。
概要
[編集]2021年6月7日、COVID-19感染拡大防止の観点からオンラインで開催されたWWDC 2021で発表された[3]。
対応端末はiOS 13及びiOS 14と同じく、iPhone 6s/6s Plus以降のiPhone及びiPod touch (第7世代)を引き続きサポート[4]。
iOS 15までサポートされたモデルのうち、iOS 16以降に対応しないiPhone 6s/6s Plus・iPhone SE (第1世代)・iPhone 7/7 Plus・iPod touch (第7世代)向けに、セキリュティアップデート限定でサポートが継続している。また、iOS 15.7.1までは、iOS 16へのアップデートを保留しているiOS 16対応の端末(iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X)もセキュリティアップデートの対象となっていた。
新機能・変更点
[編集]SharePlay
[編集]iOS 15.1では、FaceTime通話中の他のユーザーと音楽を聴いたり、映画を見たり、画面を共有したりすることができる機能「SharePlay」が導入された[5][6][7][注釈 1]。
FaceTime
[編集]iOS 15では、FaceTimeにグリッド表示とポートレートモードが追加された。また、空間オーディオや雑音を減らす機能も追加された。新たに追加されたリンクとカレンダーイベントにより、WindowsやAndroid端末のウェブブラウザからFaceTimeの通話に参加することが可能になった[8][9]。
集中モード
[編集]「集中モード」は、通知を後回しにしてフィルタリングするためのもので、睡眠時や仕事中など、さまざまな場面で集中モードを有効にすることができる。有効にしている間に表示されるAppや通知は、利用者が個別に選択できる。また、集中モードを有効にすると、仕事などに関連するウィジェットやAppを表示することができる[10]。
テキスト認識表示
[編集]カメラApp、または写真Appから画像にあるテキストや物などをスキャンし、情報を摘出できるようになった[11]。また、表示されているランドマークや花などを直接調べることが可能になった[12]。
Safari
[編集]Safariは再設計され、「タブグループ」機能が追加された。これにより、タブを整理したり、タブグループ全体を共有することが可能になった。これまでmacOSのSafariで使用できたブラウザの拡張機能は、iPhoneとiPadの両方で初めて利用できるようになった。また、新しいスタートページが追加された[13]。
マップ
[編集]マップAppでは、ランドマークや交通信号機、バスレーン、自転車レーン、横断歩道などの都市の3Dモデルがより繊細になり、拡張現実を使用したナビゲーションにはARが使われている[14]。また、特定の公共交通機関のリアルタイムの時刻表をピン留めすることが可能になった[10]。
天気
[編集]天気Appは、ユーザインタフェースが一新され、新しいアニメーションやフルスクリーンでの天気図が表示されるようになった[11]。
ウォレット
[編集]ウォレットAppは、米国の一部の州で発行された運転免許証などの身分証明証を追加できるようになった。この情報は暗号化され、Apple Payと同じくSecure Element内に保存される。自宅やアパート、ホテル、オフィスなどのデジタルキーに対応した[12]。
またこのバージョンより[注釈 2]、SMART Health Cardの仕様に基づいた、検証可能なCOVID-19のワクチン予防接種または検査結果の記録をウォレットAppにダウンロード可能になるとの発表がされた[15]。
通知センター
[編集]通知センターのユーザインタフェースが新しくなり、アイコンが大きく表示される仕様になった。新たに「通知要約」機能が追加され、特定の時間に緊急性がない通知をまとめて表示することができる[12]。
メッセージ
[編集]メッセージAppでは、一部のユーザインタフェースが再設計された。これによって、複数の写真を送受信する際、スワイプやタップなどのジェスチャー操作で画像をすり替えたり、選択したりすることが可能になった。また、新たな「ミー文字」が追加された。
マスク着用時Face ID
[編集]iOS 15.4では、マスク着用時でもFace IDを使用できるようになった(iPhone 12以降が対象)。メガネや「Apple Watchでロック解除」機能との併用も可能。 目元周辺が隠れていたりiPhoneが横向きになっていたりすると機能しないため注意が必要である。また、サングラスをかけての使用は非推奨である。
その他
[編集]- 「探す」ネットワークがAirPods ProとAirPods Maxに対応
- 「iCloud+」が登場
- 「あなたと共有」機能が追加
- 翻訳Appがライブ翻訳に対応
- Appのデータ追跡情報が一目で確認できるように
- 「メールプライバシー保護」機能追加
- Siriが端末上のみで処理が可能に
- 「App Store」や「探す」や「Game Center」「睡眠」などのウィジェットが新たに追加
バージョン
[編集]iOS 15のアップデートについて[16][17][18][19]。
バージョン | ビルド | 配信日 | 更新内容 | |
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15.0 | ||||
19A346 | 2021年9月20日 | FaceTime
メッセージとミー文字
集中モード
通知
マップ
Safari
ウォレット
テキスト認識表示
Spotlight
写真
ヘルスケア
天気
Siri
プライバシー
iCloud+
アクセシビリティ
このリリースには、以下の機能と改善も含まれます:
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15.0.1 | 19A348 | 2021年10月1日 | iOS 15.0.1には、一部のユーザがApple WatchでiPhone 13モデルのロックを解除できない問題など、iPhone用のバグ修正が含まれます。
このアップデートには、iPhone用のバグ修正が含まれます。
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15.0.2 | 19A404 | 2021年10月11日 | iOS 15.0.2には、iPhone用のバグ修正と重要なセキュリティアップデートが含まれます。
このアップデートには、iPhone用の以下のバグ修正が含まれます:
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15.1 | 19B74 | 2021年10月25日 | iOS 15.1にはSharePlayが追加されます。SharePlayは、FaceTimeで家族や友達と同じ体験を共有できるまったく新しい方法です。このリリースには、iPhone 13 ProおよびiPhone 13 Pro MaxでProResビデオを撮影する機能と、Appleウォレット内の検証可能な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種カードが追加され、iPhoneのその他の機能の追加およびバグ修正も含まれます。
SharePlay
カメラ
Appleウォレット
翻訳
ホーム
ショートカット
このリリースには、以下の問題の修正も含まれます:
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15.1.1 [注釈 3] | 19B81 | 2021年11月17日 | iOS 15.1.1では、iPhone 12およびiPhone 13のモデルで通話中に音声が途切れる現象が改善されます。 | |
15.2 | 19C56, 19C57 | 2021年12月13日 | iOS 15.2では、Siriを使ってミュージックにアクセスできる新しいサブスクリプションタイプとしてApple Music Voiceプランが追加されます。このアップデートには、Appプライバシーレポートやデジタル遺産プログラム、およびiPhone用のその他の機能とバグ修正も含まれます。
Apple Music Voiceプラン
プライバシー
Apple ID
カメラ
TV App
CarPlay
このリリースにはiPhone用の以下の機能向上も含まれます:
このリリースにはiPhone用のバグ修正も含まれます:
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15.2.1 | 19C63 | 2022年1月13日 | iOS 15.2.1には、iPhone用の以下のバグ修正が含まれます:
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15.3 | 19D50 | 2022年1月27日 | iOS 15.3には、iPhone用のバグ修正とセキュリティアップデートが含まれ、すべてのユーザに推奨されます。 | |
15.3.1 | 19D52 | 2021年2月11日 | iOS 15.3.1ではiPhoneの重要なセキュリティアップデートが提供され、点字ディスプレイが応答しなくなることがある問題が修正されています。 | |
15.4 | 19E241 | 2022年3月14日 | iOS 15.4では、iPhone 12以降を対象に、マスクを着用したままFace IDでロックを解除できる機能が追加されます。このアップデートには、新しい絵文字のほか、SharePlayのセッションを対応Appから直接開始できるオプションが追加され、iPhone用のその他の機能およびバグ修正も含まれます。
Face ID
絵文字
FaceTime
Siri
ワクチン接種カード
このリリースにはiPhone用の以下の機能向上も含まれます:
このリリースにはiPhone用のバグ修正も含まれます:
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15.4.1 | 19E258 | 2022年3月31日 | iOS 15.4.1には、iPhone用のバグ修正とセキュリティアップデートが含まれ、すべてのユーザに推奨されます。
このアップデートには、以下のiPhoneのバグ修正が含まれます:
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15.5 | 19F77 | 2022年5月16日 | iOS 15.5には、Apple Podcastやその他機能の強化、およびバグ修正が含まれます。
iOS 15.5には、以下の機能改善とバグ修正が含まれます:
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15.6 | 19G71 | 2022年7月20日 | iOS 15.6には、機能強化、バグ修正、およびセキュリティアップデートが含まれます。
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15.6.1 | 19G82 | 2022年8月17日 | セキュリティアップデート[20] | |
15.7 | 19H12 | 2022年9月12日 | セキュリティアップデート[21] | |
15.7.1 | 19H117 | 2022年10月27日 | セキュリティアップデート[22] | |
以下からのバージョンは、iOS 16以降に対応していないiPhone 6s/6s Plus、iPhone 7/7 Plus、iPhone SE(第1世代)、iPod touch(第7世代)向けのセキュリティアップデート | ||||
15.7.2 | 19H218 | 2022年12月13日 | セキュリティアップデート[23] | |
15.7.3 | 19H307 | 2023年1月26日 | セキュリティアップデート[24] | |
15.7.4 | 19H321 | 2023年3月27日 | セキュリティアップデート[25] | |
15.7.5 | 19H332 | 2023年4月10日 | セキュリティアップデート[26] | |
15.7.6 | 19H349 | 2023年5月18日 | セキュリティアップデート[27] | |
15.7.7 | 19H357 | 2023年6月21日 | セキュリティアップデート[28] | |
15.7.8 | 19H364 | 2023年7月24日 | セキュリティアップデート[29] | |
15.7.9 | 19H365 | 2023年9月12日 | セキュリティアップデート[30] | |
15.8 | 19H370 | 2023年10月25日 | セキュリティアップデート[31] | |
15.8.1 | 19H380 | 2024年1月22日 | セキュリティアップデート[32] | |
15.8.2 | 19H384 | 2024年3月5日 | バグ修正 | |
15.8.3 | 19H386 | 2024年7月30日 | セキュリティアップデート |
- ^ iOS 15の配信当初はこの機能が利用できなかったが、iOS 15.1から使用可能になった。
- ^ 2021年11月7日現在、iOS 15.1にてカリフォルニア州のワクチンパスポートがダウンロード可能となっている。
- ^ iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro および iPhone 13 Pro Maxのみ
凡例: 過去のバージョン 最新のバージョン
対応端末
[編集]iOS 13〜14に引き続きA9以降を搭載するiPhoneとiPod touchでインストール可。以下は、iOS 15に対応している端末の一覧である[4]。
iPhone[編集]
|
iPod touch[編集]
|
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英語, 広東語, 中国語(繁体字、簡体字), フランス語, ドイツ語, イタリア語, 日本語, 韓国語, スペイン語, ポルトガル語, アイヌ語, アルバニア語, アムハラ語, アラビア語, アルメニア語, アッサム語, アッシリア語, アゼルバイジャン語, ベンガル語, ベラルーシ語, ボド語, ブルガリア語, ビルマ語, カタロニア語, チェロキー語, クロアチア語, チェコ語, デンマーク語, ディベヒ語, ドーグリー語, オランダ語, 絵文字, エストニア語, フェロー語, フィリピノ語, フィンランド語, フラニ語, ジョージア語, ギリシャ語, グジャラート語, ハワイ語, ヘブライ語, ヒンディー語, ハンガリー語, アイスランド語, イボ語, インドネシア語, アイルランド・ゲール語, カンナダ語, カシミール語, カザフ語, クメール語, コンカニ語, クルド語, キルギス語, ラオ語, ラトビア語, リトアニア語, マケドニア語, マイティリー語, マレー語, マラヤーラム語, マルタ語, マニプル語, マオリ語, マラーティー語, モンゴル語, ナバホ語, ネパール語, ノルウェー語, オディア語, パシュト語, ペルシャ語, ポーランド語, パンジャブ語, ロヒンギャ語, ルーマニア語, ロシア語, サンスクリット語, サンタル語, セルビア語, シンド語, シンハラ語, スロバキア語, スロベニア語, スワヒリ語, スウェーデン語, タジク語, タミール語, テルグ語, タイ語, チベット語, トンガ語, トルコ語, トルクメン語, ウクライナ語, ウルドゥー語, ウイグル語, ウズベク語, ベトナム語, ウェールズ語[1]
出典
[編集]- ^ “iOSとiPadOS - 利用できる機能”. Apple(日本). 2021年9月20日閲覧。
- ^ Appleのセキュリティリリース
- ^ Johnson, Allison (2021年6月7日). “Apple previews iOS 15 at WWDC 2021” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b Faulkner, Cameron (June 7, 2021). “Here are the devices that can run iOS 15, iPadOS 15, macOS Monterey, and watchOS 8”. The Verge June 7, 2021閲覧。
- ^ “Apple just revealed iOS 15, the future of iPhone” (英語). インデペンデント (2021年6月7日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ Clark, Mitchell (2021年6月7日). “Apple is building video and music sharing into FaceTime” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ “iOS15”. 2021年9月21日閲覧。
- ^ Kastrenakes, Jacob (2021年6月7日). “FaceTime is coming to Android and Windows via the web” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b “Apple「iOS15」、ビデオ通話アプリに新機能 Zoom対抗”. 日本経済新聞 (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b “Appleが発表したiOS15の注目すべき新機能10選”. Lifehacker. mediagene (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b Inc, mediagene (2021年6月8日). “iOS 15 の新機能まとめ:iPhoneが使いやすくなる機能満載 #WWDC21”. ギズモード・ジャパン. 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b c d “iOS 15が、つながりを保ち集中できる、探索できる、パワフルな新機能を提供”. Apple Newsroom (日本). Apple Japan. 2021年6月8日閲覧。
- ^ “Safari、アドレスバーやツールバーをタブにまとめて一行にしたのは英断だわ! #WWDC21”. ギズモード・ジャパン. mediagene (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ Porter, Jon (2021年6月7日). “You’ll soon be able to use your iPhone as ID at the airport” (英語). The Verge. 2021年6月8日閲覧。
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- ^ “About the security content of iOS 15.7.6 and iPadOS 15.7.6”. Apple Support (2023年5月18日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ “iOS 15.7.7 および iPadOS 15.7.7 のセキュリティコンテンツについて”. Apple Support (2023年6月23日). 2023年6月23日閲覧。
- ^ “iOS 15.7.8 および iPadOS 15.7.8 のセキュリティコンテンツについて”. Apple Support (2023年7月24日). 2023年7月24日閲覧。
- ^ “iOS 15.7.9 および iPadOS 15.7.9 のセキュリティコンテンツについて”. Apple Support (2023年9月12日). 2023年9月12日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.8 and iPadOS 15.8” (英語). Apple Support (2023年10月25日). 2023年10月26日閲覧。
- ^ “About the security content of iOS 15.8.1 and iPadOS 15.8.1”. Apple Support (2024年1月22日). 2024年1月22日閲覧。