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アムハラ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アムハラ語
አማርኛ
話される国 エチオピアの旗 エチオピア
地域 東アフリカ
話者数 2100万
言語系統
表記体系 ゲエズ文字
公的地位
公用語 エチオピアの旗 エチオピア
統制機関 -
言語コード
ISO 639-1 am
ISO 639-2 amh
ISO 639-3 amh
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アムハラ語(アムハラご、አማርኛ IPA: [amarɨɲːa] ( 音声ファイル) アマルンニャ)は、エチオピアの事実上の公用語アフロ・アジア語族セム語派に属する言語としては、アラビア語に次いで話者人口が多い。表記はゲエズ文字(アムハラ文字)。

発音

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アムハラ語には正式に定められたラテン文字転写法がなく、以下はエチオピアのセム語を専門とする言語学者の間で用いられる方式の一つを用いることとする。

子音

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アムハラ語の放出音は非常に鋭い発音である。これは他のセム語における強調音に対応しており、アムハラ語の転写においても下点を打つことによって示している。

下表では、国際音声記号と異なる表記を括弧書きで示す。

子音
唇音 歯音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
鼻音 [m] [n] [ɲ] (ñ)
閉鎖音 無声音 [p] [t] [k] [ʔ] (ʾ)
有声音 [b] [d] [ɡ]
放出音 [pʼ] (p', p̣) [tʼ] (t', ) [kʼ] (q, )
破擦音 無声音 [tʃ] (č)
有声音 [dʒ] (ǧ)
放出音 [tsʼ] (s', ṣ) [tʃʼ] (č', č̣)
摩擦音 無声音 [f] [s] [ʃ] (š) [h]
有声音 [v]* [z] [ʒ] (ž)
接近音 [l] [j] (y) [w]
ふるえ音 [r]

* - 英語等を由来とする外来語にしか用いられない

各子音は、声門音([ʔ]及び[h])を除いて重複しうるが、アラビア語のシャクルと同様、通常の文章中で示されることはない。

母音

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母音
前舌 中舌 後舌
[i] [ɨ] (ə) [u]
中央 [e] [ə] (ä) [o]
[a]
アムハラ語のvowel chart[訳語疑問点]

文字体系

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アムハラ語に用いられているゲエズ文字の構造はアブギダであり、各文字は<子音+母音>の構造を取る。これらの文字の形状は子音と母音の双方に基づき、類型で分類することが可能である。ただし、/ '/、/ S'/、/ H /の三種類の子音については、それぞれ複数の異字体系が存在している(/ '/と/ S'/は二種類、/ H /は四種類)。

非話者にとってこのような文字体系はしばしば混乱のもととなっているが、アムハラ語の動詞は他のセム語と同様3字語根のものが多く、子音を見れば大意が把握できる上、母音によって補足的な意味も読み取れるので、熟達したアムハラ語使用者にとって読解に支障は生じない。

エチオピア航空の機体に記されたゲエズ文字: የኢትዮጵያ (ye-Ītyōṗṗyā).
コカコーラのペットボトルにゲエズ文字で記されたኮካ-ኮላ (koka-kola)の文字
アムハラ語のアルファベット表
  ä
[ə]
u i a e ə
[ɨ]
o ʷä
[ʷə][1]
ʷi ʷa ʷe ʷə[2]
[ʷɨ]
h  
l    
   
m    
ś    
r    
s    
š    
b    
v    
t    
č    
n    
ñ    
ʾ    
k
x  
w  
ʿ  
z    
ž    
y  
d    
ǧ    
g
*    
č̣*    
*    
[3]    
ṣ́*  
f    
p    
  ä
[ə]
u i a e ə
[ɨ]
o ʷä
[ʷə]
ʷi ʷa ʷe ʷə
[ʷɨ]

*ドット符号放出音を表す

脚注

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  1. ^ /o/として発音される
  2. ^ /u/として発音される
  3. ^ /t͡sʼ/と発音される

参考文献

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  • Abraham, Roy Clive (1968) The Principles of Amharic. Occasional Publication / Institute of African Studies, University of Ibadan. [rewritten version of 'A modern grammar of spoken Amharic', 1941]
  • Bennet, M.E. (1978) Stratificational Approaches to Amharic Phonology. PhD thesis, Ann Arbor: Michigan State University.
  • Cohen, Marcel (1936) Traité de langue amharique. Paris.
  • Leslau, Wolf (1995) Reference Grammar of Amharic. Harrassowitz, Wiesbaden.
  • Praetorius, Franz (1879) Die amharische Sprache. Verlag der Buchhandlung des Waisenhauses, Halle

外部リンク

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