ERPソフトウェアパッケージの一覧
主な企業資源計画(ERP)ソフトウェアの一覧である。最初の章ではフリーでオープンソースのソフトウェアを紹介し、2番目の章ではプロプライエタリソフトウェアを紹介している。
自由なオープンソースERP
[編集]2000年代からいくつかのERPシステムがロイヤルティーフリーのオープンソースライセンスの下でオープンソースシステムとして自由に利用できるようになっている。
名前 | プラットフォーム | ソフトウェアライセンス | 説明 | 発祥国/地域 | 最新の安定バージョン |
---|---|---|---|---|---|
Adaxa Suite | Java | GPL | Adempiere/iDempiere上に構築された統合ERP | オーストラリア | |
Adempiere | Java | GPL | Compiereのフォークとして始まった | 全世界 | 2019-12 (3.9.3) |
Apache OFBiz | Java JavaScript FreeMarker Groovy XML | Apache License 2.0 | Apache SoftwareFoundationのビジネスソリューションとアプリケーションフレームワーク | 全世界 | 2018 (16.11.04) |
Compiere | Java | GPL/商用 | 2010年6月にConsona Corporationに買収 | 米国 | 2010 (3.3.0) |
Dolibarr | JavaScript, PHP, MySQL または PostgreSQL | GPLv3 | 中小規模のエンティティを管理するためのWebアプリケーション(LAMPベースのシステム) | 全世界 | 2020-02 (11.0.1) |
Epesi | PHP, MySQL | MIT License | ERP / CRMアプリケーションを構築するためのフレームワーク | ポーランド、米国 | 2017 (1.8.2) |
ERP5 | Python, JavaScript, Zope, or MySQL | GPL | ERP5上で構築された中規模から大規模の組織向けのERP | 全世界 | 2014 (5.5) |
ERPNext | Python, JavaScript, MariaDB | GPL | 中小企業向けERP | インド | 2019 July 22 (12.0.0) |
HeliumV | Java | AGPL | 中小企業向けERP(当初は電子機器製造向け) | オーストリア、ドイツ | 2015[1] |
iDempiere | Java | GPLv2 | OSGI + Adempiere。Compiere → Adempiere → iDempiereと発展しているコミュニティーベースのオープンソースのERPソフトウェア。 | 全世界 | 2019 (7.1) |
inoERP | PHP, JavaScript, MySQL/Oracle 12c | MPL | オープンソースのWebベースのエンタープライズ管理システム | シンガポール | 2018-10 (0.7.2) |
intarS | Objective-C | IOSCL[注釈 1] | オープンソースのWebベースのエンタープライズ管理システム | オーストリア | |
Kuali | Java | AGPL | 高等教育機関向けのERP | 米国 | |
LedgerSMB | Perl, PostgreSQL | GPL | 複式簿記とERPシステム(2006年のSQL-Ledgerのフォーク) | 全世界 | 2024 December (1.12.0) |
metasfresh | Java, JavaScript, PostgreSQL | GPL | ADempiereのフォークとして始まった 統合ERP | 全世界 | 週次安定リリース |
Openbravo | Java, PostgreSQL, Oracle | OBPL[注釈 2] | ERPおよびPoint of sale (POS)ソフトウェア | スペイン | 2013 (3.0) |
Odoo | JavaScript, Python, PostgreSQL | LGPLv3/商用 | OpenERPから名前変更 | 全世界 | October 2, 2020 (14.0) |
SplendidCRM | C#, Microsoft SQL | GNU AGPL | Microsoftの技術に基づくCRM(Microsoft IISおよびMicrosoft SQL Server) | 米国 | 2005 |
SQL-Ledger | Perl, PostgreSQL | GPL | 複式簿記とERPシステム | カナダ | 2020-01 (3.2.9) |
WebVella | C#, PostgreSQL v.12 | Apache License 2.0 | ビジネスWebアプリケーションを作成するためのオープンソースで無料のプラットフォーム | 全世界 | 2020-09-10 (0.0.5) |
Tryton | Python, PostgreSQL, GTK+, JavaScript | GPLv3 | もともとTinyERPからフォークされ、継続的な更新/移行パスを備えたクリーンアップされたコードベース | 全世界 | 2019 (5.4) |
- ^ IntarS Open Source Commercial License
- ^ Openbravo Public License Version 1.1 (OBPL) はMozilla Public License (MPL) Version 1.1に基づいている[2]。
商用ERPソフトウェア
[編集]商用のERPソフトウェアとしては、1972年に創業したドイツSAP社のSAP R/3やSAP S/4HANAを始め、オラクルのE-Business Suite、PeopleSoftなどの大手企業向けERPソフトウェアが市場を席巻しており、SAP R/3およびSAP ERP、SAP S/4HANAなどを有するSAP社が過半数のシェアを握っている。特に経済誌フォーブズが毎年選出するフォーブス・グローバル2000にランクインする大企業においては、87%がSAP製を採用している。又、昨今ではオラクルがJD Edwards、SAP社がSAP Business OneやSAP Business All-in-Oneなどの中堅・中小企業向けを提供しているほか、マイクロソフトが2007年にDynamics AXを発売して国内市場に参入するなど中堅・中小企業向けのERPソフトウェアが各社より活発にリリースされている。2015年にはSAPがインメモリプラットフォームを活用した第4世代ERPであるSAP S/4HANAをリリースした。ERPソフトウェア市場は拡大と激しい競争の時期を迎えている。
また、クラウドコンピューティングの普及とともに、ERPも2000年代末からSaaSでの提供が増えている。SaaSでは従来型のライセンシングに対し、サービス利用企業の初期投資が低額で済むため、今後の急速な普及が予測されている。
主なERP製品には以下のものがある(アルファベット順):
- ALL IN CUBE: コムコシステムの開発した勤怠管理システムを中核とする純国産ERPソフトウェア。
- A.S.I.A.: 東洋ビジネスエンジニアリングの開発した純国産ERPソフトウェア。
- 奉行V ERP: OBCの開発したクラウド型ERPソフトウェア。
- キャムマックス: キャムの開発したクラウド型ERPソフトウェア。
- COMPANY: ワークスアプリケーションズの開発したERPソフトウェア。
- Compiere Professional Edition: 買収したオープンソフトウェエアを元にConsona Corporationが開発したERPソフトウェア。
- dDREAMS: ドコモ・システムズの開発したクラウド型ERPソフトウェア。
- EXPLANNER: NECの開発したERPソフトウェア。
- GEMPLANET: 日立製作所の開発したERPソフトウェア。
- GLOVIA G2[3]: 富士通の開発したERPソフトウェア。国内中小企業のERPシェアの調査でトップとなったことがある。
- GRANDIT: GRANDITの開発した純国産ERPソフトウェア。
- GrowOne Cube: ニッセイコムの開発したERPソフトウェア。
- HUE: ワークスアプリケーションが提供する大手企業向けERPパッケージ。
- Infor M3: Infor社の開発した流通、製造業向けERPソフトウェア。旧製品名はMovex。
- MA-EYES: ビーブレイクシステムズの開発したプロジェクト管理型ERPソフトウェア。
- MCFrame: 東洋ビジネスエンジニアリングの開発した純国産ERPソフトウェア。
- MCFrame online 原価管理:MCFrameをベースとしたSaaSモデル。
- Microsoft Dynamics 365: マイクロソフトの開発したERPソフトウェア。Microsoft Dynamics AX、Microsoft Dynamics NAVの最新バージョン。
- NetSuite: ネットスイート社の開発したERPソフトウェア。
- OBIC7: オービック社の開発したERPソフトウェア。
- Openbravo ERP: Openbravoの開発したオープンソースERPソフトウェア。
- Oracle E-Business Suite: オラクル社の開発したERPソフトウェア。
- ProActive: 住商情報システム(現社名:SCSK)の開発したERPソフトウェア。
- Reforma PSA: オロ社の開発したクラウド/SaaS型PSAソフトウェア。
- RossERP: CDC Softwareの開発した食品・化学向けERPソフトウェア。
- QAD Adaptive ERP: 米国QAD社が開発した製造業向けERP
- SAP Business All-In-One: SAPの開発した中堅企業向けERPソフトウェア。
- SAP Business ByDesign: SAPが提供する中堅・中小企業向けクラウドネイティブのSaaS型ERPソフトウェア。
- SAP Business One: SAPが提供する中堅・中小企業向けERPソフトウェア。
- SAP R/3: SAPの開発した第3世代ERPソフトウェア。(提供終了)
- SAP S/4HANA: SAPの開発したインメモリプラットフォームを採用した第4世代ERPソフトウェア。
- SMILE: 大塚商会の開発した中小企業向けERPソフトウェア。現在は子会社のOSKが開発。
- SuperStream-NX: SuperStreamの開発したERPソフトウェア。
- ツバイソ: ツバイソの開発したクラウド/SaaS型ERPソフトウェア。
- WorkPLAN: 個別受注生産管理向けに開発したERPソフトウェア。
- ZAC Enterprise: オロの開発したクラウド/SaaS型ERPソフトウェア。
- Workday: ワークデイが開発しているSaaS型ERPソフトウェア。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “heliumv”. GitHub. 2020年12月21日閲覧。
- ^ “Open Source Software Retail & ERP Public License – Legal – Openbravo”. www.openbravo.com. 2015年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月3日閲覧。
- ^ Barney, Patrick (24 July 2018). “ERP System Updates Offer New Functionality, Enhancements”. Modern Machine Shop. 2 August 2019閲覧。