SAP Business ByDesign
SAP Business ByDesign(エスエイピー・ビジネス・バイデザイン)はドイツのソフトウェア大手SAP社のクラウドネイティブ型のERPソフトウェアサービスである。
概要
[編集]SAP Business ByDesignはSAPのSAP Cloud Platformを標準プラットフォームとして採用したSaaS型のクラウドネイティブERPであり、中小企業および大企業の子会社での利用に適したERPである。SAPが提供するSAP S/4HANAやSAP Business All-in-One、SAP Business Oneなどの複数のERPのラインナップの1つであり、主に従業員数100人から500人の企業に焦点を絞ったサービスである[1]。グローバルでは2007年に発表され[1]、日本語版は2013年11月から提供されている[2] 日本を含む世界117か国で提供され、2018年時点で約3,700社に導入されている[3]。
会計管理、人事管理、購買管理、生産管理、販売管理など36の業務プロセスに対応している[4]。
特徴
[編集]SAP Business ByDesignの最大の特徴はSaaS型のERPサービスであるため、従来のオンプレミス型のERPパッケージと比較して、導入までに要する期間が短くでき、初期導入コストが安い点である。料金は初期費用のほか、ユーザー数に応じたユーザーライセンス体系で課金される[1]。
導入形態としてはシングルおよびマルチテナントの両方がサポートされている[5]。ユーザビリティやレポーティングなどのアナリティクス機能も強化されているほか、Microsoft Excelとの統合が図られている[5][4]。
SAPはSAP Business ByDesignを「2層ERP」のコンセプトに適したサービスであり、本社等の拠点に導入済のメインERP(1層目)を利用しつつ、その他拠点に当該ERPを短期間かつ低コストで導入可能なERP(2層目)として利用することでグループ全体での最適化を図れるとしている[6]。SAPと日本電気 (NEC) はSAP Business ByDesignの販売で協業を締結しており、「2層ERP」の2層目のERPとしての拡販に力を入れている[7][8][6][9][10]。NEC自体も「2層ERP」に基づき自社のグループ企業に対してSAP Business ByDesignを採用している[11][12]。
SAPの日本法人であるSAPジャパンも中堅・中小企業へのSAP Business ByDesignの販売を強化しており、2017年4月から営業体制を強化している[13]。
脚注
[編集]- ^ a b c SAPがSaaSに本格参入、中小向けERP発表
- ^ SAPジャパン、クラウド型ERP「Business ByDesign」国内投入
- ^ “SAP Business ByDesign, Cloud ERP for Subsidiaries: Joint Integrated Growth” (英語). itelligence Malaysia (2018年8月23日). 2019年5月21日閲覧。
- ^ a b SaaS型ERP「SAP Business ByDesign」が日本でも--2層アプローチを提案
- ^ a b SAP、「Business ByDesign」の最新版を発表
- ^ a b NEC、「SAP ERP」「SAP Business ByDesign」導入で2層ERPを展開
- ^ NECとSAP、クラウド型ERPサービス「SAP(R) Business ByDesign(R)」ビジネスでグローバル協業
- ^ NEC、「SAP Business ByDesign」を東南アジア6カ国に展開
- ^ NEC、サントリーグループのアジア3拠点にERP「SAP Business ByDesign」を導入
- ^ NEC、SAPのクラウド型ERP「Business ByDesign」のグローバル導入を支援
- ^ NEC、海外グループ会社向けに「SAP Business ByDesign」を採用、「2層ERP」により自社基幹システムを強化
- ^ NEC、SAP Business ByDesignを活用して自社基幹システムを強化
- ^ 中堅・中小企業のデジタル変革にもSAPを――営業体制とパートナーを大幅強化