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JR東日本E127系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
E127系から転送)
JR東日本E127系電車
0番台(2012年10月21日 新潟駅
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
製造所
製造年 1995年 - 1998年
製造数 50両
運用開始 0番台:1995年5月8日[2]
100番台:1998年(平成10年)12月8日[3][4]
主要諸元
編成 2両編成(1M1T
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500 V[5]
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h[5]
起動加速度 2.0 km/h/s(応加重付)[6]
減速度(常用) 3.6 km/h/s(応加重付)[6]
編成定員
  • 0番台2両:275名
  • 100番台2両:271名
編成重量 2両:62.0 t[5]
全長 20,000 mm
車体長 0番台:19,570 mm
100番台:19,500 mm
全幅 2,800 mm[5]
全高 4,017 mm(空調機高さ)
0番台:4,090 mm
100番台:3,980 mm(パンタグラフ折りたたみ)
車体高 0番台:3,620 mm
100番台:3,622 mm
床面高さ 1,130 mm
車体 ステンレス[5]
台車 軸梁式ボルスタレス台車
0番台:DT61A・TR246A
100番台:DT61F・TR246A
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT71形[5]
主電動機出力 120 kW × 4
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式[6]
歯車比 14:99(7.07)[6]
編成出力 480 kW
制御方式
制御装置 SC51形・SC51A形(1C2M2群制御)[5][7]
→SC102A形
制動装置
保安装置
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E127系電車(E127けいでんしゃ)は、1995年平成7年)に登場した、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流電車[注 1]

本項では、えちごトキめき鉄道へ譲渡されたET127系電車についても概説する。

概要

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新潟支社長野支社管内の普通列車向け車両として、両地区で主力車両となっていた115系を補完する形で製造された。

合計2両25編成(計50両)が製造され、新潟地区向けの0番台、長野地区向けの100番台の2種類のグループに大別される。川崎重工業(現・川崎車両)、東急車輛製造(当時)のほか、100番台4両のみが川崎重工業で製作した構体を使用して東日本旅客鉄道土崎工場(現・秋田総合車両センター)でノックダウン生産された[1][12]

0番台は2015年3月に北陸新幹線金沢延伸開業に伴い、信越本線が経営分離されるのに合わせて10編成が経営分離先のえちごトキめき鉄道に譲渡、残る2編成が弥彦線に転用となった。

2023年には、南武線尻手駅 - 浜川崎駅間(南武支線)で運用されている205系1000番台の置き換えによる省エネルギー化を目的に、弥彦線の2編成が転用された[13]

導入の経緯

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新潟・長野地区では前述の通り115系が普通列車の主力車両として運用されていた他、急行形車両165系・169系も普通列車として運用されていた[14][15]。しかし、当時これらの車両は老朽化が進んでおり、また急行型車両は2扉のデッキ付き構造であったためラッシュ時における乗降に時間を要し、列車遅延の原因となっていた(急行形車両#淘汰とその要因も参照)[14][15][7]。また新潟地区では、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応、および同都市圏でのデータイムにおける効率的な輸送形態の整備が求められることとなった[14][7]

こうした経緯から開発・製造されたのが本系列である[14]

構造

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本項では共通事項について述べ、番台ごとの詳細については番台別概説でそれぞれ述べる。

車体

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同時期に開発された209系をベースとしたステンレス製で、新潟・長野地区に対応させた両開き式3扉のストレート車体となっている。客用扉はドアチャイムを標準装備として、冬季の車内保温のため各出入口の内外に開閉用スイッチを設けた半自動構造としている[16][17]

構体構造は0番台1次車が川崎重工業で開発したシート貼り合わせ工法(2シート工法[注 2])を採用した[16]。0番台2次車以降は東急車輛製造製が加わり、こちらは従来からの骨組み工法で構成している[17]

車体側面には主電動機の冷却風取入口や車外スピーカーが設けられている[18]

2両編成を4本連結した最大8両までの運用が可能である[14][7]。0番台の機器類は将来の1M2T化に対応した熱容量が算定されている[6]。ただし、100番台は勾配線区を走行することから想定していない[15]

車内

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内装の配色は明るいベージュ系でまとめられ、川崎重工業製の内装材は乗務員室背面と妻面壁以外をFRPユニット製としたが[16]、0番台2次車以降は東急車輛製造製が加わり、こちらは従来からの従来の化粧板を基本とした組み立て工法とした[17]。天井部は冷房ダクトを含めてFRPの一体成形品である[16]

各番台区分ともトイレを備えており、車椅子スペースはその向かい側に設置する[16]。客室の床面高さは1,130 mmであり、115系の1,225 mmと比べて大幅に低くなっている[19]

側窓は窓寸法が極力大きくとられ、側出入口間の4連窓のうち中央の2枚は1段下降窓(0番台。100番台は上段下降窓)となっている[16][17]。車端部は通常の1枚窓を設置する[16]。窓ガラスは熱線吸収ガラスを使用しており、カーテンは省略した[16]

ワンマン運転対応として運転台は半室構造とされ[16]、ワンマン設定器[5]運賃箱[5]整理券発行機[5]運賃表示器[5]、自動放送装置[5]、ドア締切表示器、ミラーが設置されている。運転台の主幹制御器は左手操作型ワンハンドル式であるが[20]209系などで採用されたデジタル指令 (MON8) は、本系列では採用されていない[10]

機器類

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主回路制御には逆導通GTOサイリスタ素子[6](素子定格4,500 V - 3,000 A)の2ステップVVVFインバータ制御を採用した(1C2M2群制御)[7][20]。装置は東洋電機製造[6]であり、JRの車両での採用は本系列と8000系試作車のみである。

補助電源装置はIGBT素子使用の静止形インバータ(SIV・SC52形)を搭載しており、容量90 kVA(三相交流440V出力)を備える[20]。空気圧縮機は小型軽量化・低騒音化・保守の容易化を図った新設計のレシプロ式MH3108-C1200M(吐出量 1,200 L/min)を備える[7]主電動機は本系列用に新開発された定格出力120 kWのMT71形を備える[7]

台車は701系と同等の軸梁式ボルスタレス構造で、0番台の動力台車はDT61A形、付随台車はTR246A形を装着する[7][5]。100番台の動力台車は運転室寄りと連結面寄りの各1軸に砂撒き装置(後に撤去)を設置したDT61F形、付随台車はTR246A形を装着する[3]

ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキ回生ブレーキ抑速ブレーキに加え、列車密度の低い路線や連続勾配での使用を考慮し、発電ブレーキを併用している[6]。ブレーキチョッパによる回生・発電ブレンディング制御がとられており、鉄道用としては国内で初めて実用化・採用された[6]。発電ブレーキ使用時に必要となる抵抗器制御電動車の屋根上に搭載されている。また、VVVF制御による大きなブレーキ力を活用するため、必要なブレーキ力を回生・発電ブレーキで優先して負担し不足分はT車から空気ブレーキを追加するT車優先遅れ込め制御を採用している[7][5]。この装置による回生率(回生電力量/力行電力量)は、20 - 40 %程度である[6]。このほか、滑走検知再粘着制御機能を設けている[7]

冷房装置集中式であるAU720A (48.84 kW ≒ 42,000 kcal/h) が各車に1基搭載されている[7][20]

番台別概説

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0番台

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0番台

1995年5月8日に新潟地区で営業運転を開始した[2][注 3]

車体帯は新潟支社で運用されている115系「2次新潟色」に準じたグラスグリーンと青磁グリーンの2色で、後述の100番台や209系などとは異なり、扉部分や裾部にも帯が入っている[21]。車両前頭部は貫通扉以外をFRP成形品で覆う構造としており、車体長は19,570 mmである[16][17]

座席配置はオールロングシートで、モケットは細かい柄の入ったライトグリーンのものが採用されている[16]パンタグラフ701系で使用しているPS104形を基本に直流用とした下枠交差式のPS30形とされた[7]トイレは701系と同タイプの洋式である(車椅子非対応)[7]

0番台は広範囲で運用されていたセミクロスシートの115系と異なり、都市圏を中心とした限定的な運用に導入された(詳細は過去の運用を参照)。

当初は2両編成13本が在籍していたが、2015年(平成27年)3月14日に開業したえちごトキめき鉄道の妙高はねうまライン用に10本が同社に譲渡された。JRに残存した2編成(V12・V13編成)は2017年に後述する更新工事とATS-Pの新規導入が行われ、同年11月までに2編成とも改造を終え運用に復帰している[22][23]

また、1本(V3編成)は2008年(平成20年)9月に発生した越後線内での踏切障害事故に伴う列車火災事故のためクモハE127-3が焼損[24][注 4]し、2014年(平成26年)10月20日に同車とクハE126-3が廃車となっている[25]

2022年(令和4年)度中に最後まで残存していたV12・V13編成が新潟地区での運用から撤退した。

2023年(令和5年)2月17日にV12・V13編成の南武線浜川崎支線(南武支線 尻手駅 - 浜川崎駅間)への転用が発表された[JR東 1]長野総合車両センターでの転用改造後、V12編成が新たにV1編成として2023年5月25日付、V13編成がV2編成として同年8月31日付で鎌倉車両センター中原支所に配置され[26][27]、同年9月13日から営業運転を開始した[28]

100番台

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100番台

1998年(平成10年)12月8日に営業運転を開始した[3][4]

0番台とは車体デザインが異なり、先頭部の形状・客用扉間の開閉可能な窓の2段化など、701系とほぼ同一の形状となった[4][注 5]。車体帯は長野支社で運用されている115系や169系に準じたアルパインブルーとリフレッシュグリーンの「長野色」とされた[17][29]

行先表示器は前面・側面ともに幕式からLED式に変更[3]砂撒き装置が装備された(後に撤去)[30]。トイレは車椅子対応仕様に設計変更され、大形化に伴い車端部では収まらず運転室直後の客用扉間に移動した[30]。座席配置は同線内基準で東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートのセミクロスシート構造となっている[30]。座席表地はパープル色とした[30]。また本番台において、鉄道車両用に開発された運賃箱レシップ製)が初めて設置された[3][注 6]

パンタグラフはシングルアーム式のPS34形に変更され[3]、冬季における架線への着対策のため、A5 - A12編成のクハE126形(南小谷・長野方先頭車)の運転台側に霜取り用パンタグラフが搭載された[注 7]。霜取り用パンタグラフの設置編成の増加に伴い、2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正より冬季に運転される篠ノ井線松本駅 - 篠ノ井駅間の霜取り列車はクモヤ143形が運用から離脱し、本系列に置き換えられた。

2両編成12本が松本車両センターに在籍し、大糸線篠ノ井線信越本線中央本線で運用されている。ワンマン運転は1999年(平成11年)3月29日より実施している。

運用開始から数年間は篠ノ井線の塩尻駅 - 明科駅間や中央本線の辰野駅 - 塩尻駅間でも運用されていた[3]。しかし、2003年(平成15年)12月20日に塩尻駅 - 松本駅間のATSがSN形からP形と変更された時点では本区分番台にはP形車上装置が搭載されていなかったことから、それ以降は大糸線内限定運用とされていた。その後、2007年(平成19年)秋ごろから2010年(平成22年)にかけて保安装置を従来のSN形からPs形への交換とP形の追設を行い、遅くとも2011年6月9日には大糸線松本駅 - 北松本駅間でATS-Pの使用が開始された[JR東 2]。なお、ATS-Psについては2006年3月末時点では松本駅構内への設置が予定されていたが[JR東 3]、2007年3月末時点では計画から除外されており[JR東 4]、その後ATS-Pが整備されたことから、大糸線に実際に設置されることはなかった。

また、東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生した2011年(平成23年)以降の夏季の平日には、節電のため一部の115系の運用を代走する形で中央本線の茅野駅から信越本線の長野駅まで運用されるケースもあった[JR東 5]2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正では同区間のほか、辰野支線の岡谷駅 - 塩尻駅間でも正式に運用を開始し、それまで辰野支線で運用されていた123系を置き換えた。

改造

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霜取り用パンタグラフの集電化

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霜取り用パンタグラフ(100番台)

松本車両センター配置のA7 - A12編成は、霜取り用パンタグラフの設置当初、架線からの集電に対応していなかったが、2014年頃から集電化改造が実施された(施工はいずれも長野総合車両センターで実施)。また、A5編成は機器更新と同時に集電対応の霜取り用パンタグラフが設置されたほか、A6編成は機器更新後に同パンタグラフが設置されており、2022年現在はA5 - A12編成の集電化施工が完了している。ET127系V8・V9編成は霜取り用パンタグラフ設置と同時に集電化に対応している[注 8]

改造内容は以下のとおりである。

  • 避雷器及びヒューズボックスの新設。
  • 接地線及び母線の新設。

機器更新

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製造から20年程度が経過したことから、JR所属車は2016年以降[31]、えちごトキめき鉄道所属車は2018年以降に機器更新が実施された[32](施工はいずれも長野総合車両センターで実施)。電機品は、新潟地区に投入されたE129系と同等品となっている。

改造内容は以下のとおり。

  • VVVFインバータ装置を逆導通GTOサイリスタ素子からIGBT素子(素子定格 3,300V - 800A)を使用したSC102A形(1C2M2群制御)に置き換え[31]
  • 断流器箱(LB)をLB89A形に置き換え[31]
  • フィルタリアクトル(FL)をIC139形に置き換え[31]
  • ブレーキチョッパ動作時の誘導障害防止用としてIC132形ブレーキチョッパ用リアクトルを新設[31]
  • 補助電源装置(SIV)をIGBT素子を使用したSC103A形(定格出力210kVA)に置き換え[31]

また、各編成の改造実施日等は以下のとおりである。

南武支線向け転用改造

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転用改造後の0番台

新潟車両センター所属0番台V12、V13編成が南武支線へ転用されるにあたって、改造工事が2023年に実施された。

改造内容は以下の通り[36][37][38]

  • 車体帯・行先表示内容の変更。
  • 乗務員室と客室の間に仕切り壁を設置。
  • 運賃箱・車内モニター・整理券発行機・前面貫通幌の撤去。
  • トイレ・出入口表示器・電気連結器の使用停止(機器は未撤去)。
  • 室内灯のLED照明化。
  • 客室防犯カメラ転落防止幌・運転台簡易モニターを新設。

編成表

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0番台(新潟車両センター)
弥彦
編成番号 形式
クモハE127
(Mc)

クハE126
(Tc')
搭載機器 VVVF,BT SIV,CP
車両重量 33.5 t 28.5 t
V1 1 1
V2 2 2
V3 3 3
V4 4 4
V5 5 5
V6 6 6
V7 7 7
V8 8 8
V9 9 9
V10 10 10
V11 11 11
V12 12 12
V13 13 13
  • VVVF:VVVFインバータ制御装置、CP:空気圧縮機、SIV:補助電源装置、BT:蓄電池、◇:下枠交差型パンタグラフ
100番台
松本
編成番号 形式
クモハE127
(Mc)

クハE126
(Tc')
搭載機器 VVVF,BT SIV,CP
車両重量 33.5 t 29.0 t
A1 101 101
A2 102 102
A3 103 103
A4 104 104
編成番号 形式
クモハE127
(Mc)

クハE126
(Tc')
A5 105 105
A6 106 106
A7 107 107
A8 108 108
A9 109 109
A10 110 110
A11 111 111
A12 112 112
  • VVVF:VVVFインバータ制御装置、CP:空気圧縮機、SIV:補助電源装置、BT:蓄電池、<:シングルアームパンタグラフ

車歴表

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特記ない限りは2022年(令和4年)4月1日時点の情報を示す[39][40][41]。ただし、0番台の一部編成については、2023年(令和5年)8月末時点の情報を基とした[27][42]

0番台

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100番台

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運用

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現在の運用

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0番台

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鎌倉車両センター中原支所配置のV1・V2編成が以下の区間で運用される[28]

100番台

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松本車両センター配置のA1 - A12編成が以下の区間で運用される。

このほか、試運転でA2・A4編成がしなの鉄道線(全線)[47]にも入線している。

過去の運用

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0番台

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えちごトキめき鉄道開業前までは、新潟車両センター配置のV1 - V13編成が新潟近郊区間を中心とする区間で運用されていた。2両での単独運転のほかに4両・6両編成での運転もあり、旅客の需要に柔軟に対応していた。運用のほとんどが普通列車だが、始発の新潟駅 - 村上駅間の1本のみで快速列車が存在した。

えちごトキめき鉄道開業後は、新潟車両センター配置のV12・V13編成が弥彦線を中心に運用された。予備の編成がないため、検査や故障の場合はE129系が代走していた。

えちごトキめき鉄道譲渡後も残存していたV12・V13編成は2022年3月11日のダイヤ改正をもって新潟地区での定期運用を終了したが[48][39]、2022年6月に発生したE129系14両の落雷故障に伴い、6月29日から11月30日において上越線(長岡駅 - 越後中里駅間)で、12月1日から12月11日において越後線(新潟駅 - 巻駅間)で臨時に運用された[49][50]

えちごトキめき鉄道ET127系

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標準色のV7編成(高田駅

概要

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2013年2月21日、JR東日本と新潟県がえちごトキめき鉄道に対し、2年後に開業を控える妙高はねうまライン用の車両としてE127系0番台10編成に必要な改修を施した上で低価格で譲渡することで合意した[51][52]。その後2014年(平成26年)12月6日より、本系列が担当していた新潟地区での運用(前述)は順次E129系が引き継ぐ形となり[JR東 6]、新潟近郊での従来の運用は2015年3月7日で終了。そして譲渡された10編成は、3月14日の開業と同時に妙高はねうまラインおよび乗り入れ先の信越本線(直江津駅 - 長岡駅間、早朝・深夜の一部列車)での運転を開始した。

構造

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基本的な構造はJR所属時と同様である。

譲渡後の車両デザインは川西康之はじめ、イチバンセンによりデザインされた標準色となった。車体下部にフレッシュグリーン単色による妙高山の山並みをシルエットとして表現したものに変更されており[53]、ラッピングによる装飾である。2015年7月からは、車体全体にラッピングを施した編成も運行されている。譲渡後も引き続きJR時代と同じ塗色のままで運用されている編成もあったが、2024年までにすべての編成が前述の標準色または各種ラッピングへと塗色変更された。開業直後は前面のJRロゴもそのままになっていた[54][55]車両もあった。

このうちV1編成とV8編成は「田島ルーフィング株式会社」の広告電車として運用され、それぞれ70系電車など旧型国電に塗装されていた「懐かしの新潟色」と「横須賀色」が車体装飾で再現されている。装飾には同社のラッピングフィルム「ORIFY」が使用されている[56]

譲渡までに全編成のスカートがスノープラウ一体式の強化型スカートに交換されており、V8・V9編成には譲渡後に霜取り用としてPS34形シングルアームパンタグラフがET126形に増設されている[えちご 1]

改造歴

各編成の改造内容・改造実施日等については、以下のとおり。

編成表
妙高高原  
  直江津
編成番号 形式
ET127-0

ET126-0
搭載機器 VVVF SIV,CP
V1 1 1
V2 2 2
V3 3 3
V4 4 4
V5 5 5
V6 6 6
V7 7 7
V10 10 10
編成番号 形式
ET127-0

ET126-0
V8 8 8
V9 9 9
  • VVVF:VVVFインバータ制御装置、CP:空気圧縮機、SIV:補助電源装置、<:シングルアームパンタグラフ、◇:下枠交差型パンタグラフ
  • 編成番号は、V3編成の分の欠番がなくなるように前に詰められている。V1・V2編成については従来の表記をそのまま残し、旧V4 - V11編成については新しくV3 - V10の表記がなされている。
  • JR東日本としての廃車日はV2・V10編成が2015年3月10日付、残りの8編成が14日付[54][57]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 本形式の車種は資料によって異なっており、JR東日本の公式ウェブサイト上では本系列を通勤形と分類しているが[8]、雑誌などの記事においては本系列が近郊形[9][10][11]一般形と分類されている場合がある[9][7]一般形車両_(鉄道)#一般形電車の登場も参照。
  2. ^ プレス機械を有効活用する方式で、プレスした2枚のパネルで強度を確保する工法。この工法は側構体に楕円型の凹凸(穴)を設けたインターパネル(内板)に車体外板を組み合わせて強度を確保する。
  3. ^ 当初は全編成が同年3月に導入される予定だったが、阪神・淡路大震災の影響で一部車両(川崎重工業兵庫工場製)の納入が遅延したため、運転開始時期がずれ込んだというエピソードがある。同じくE501系も同震災の影響を受け納入遅延が発生している。
  4. ^ 同事故の際に前寄りに連結されていたV7・V9編成は修復されている。
  5. ^ 0番台と異なり、FRPは縁取りのみに使用している。このため、車体長は19,500 mmに短縮された。
  6. ^ それまでの運賃箱はすべてバス車両用のものを改造して設置していた。
  7. ^ A11・12編成は新製時より、A5 - A10編成は改造で設置。
  8. ^ ただし、松本車両センター配置のA7 - A12編成とは設置されたパンタグラフと配管の形状が異なる。
  9. ^ a b 2004年(平成16年)3月31日までは「上沼垂運転区」、同年4月1日以降は「新潟車両センター」[43]
  10. ^ a b 2002年(平成14年)3月22日までは「松本運転所」、同年3月23日 - 2004年(平成16年)3月31日は「松本電車区」、2004年(平成16年)4月1日以降は「松本車両センター」[40]

転属

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  1. ^ 新潟→鎌倉中原:2023年05月25日[42]
  2. ^ 新潟→鎌倉中原:2023年08月31日[27]

旧車番

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  1. ^ クモハE127-1
  2. ^ クハE126-1
  3. ^ クモハE127-2
  4. ^ クハE126-2
  5. ^ クモハE127-4
  6. ^ クハE126-4
  7. ^ クモハE127-5
  8. ^ クハE126-5
  9. ^ クモハE127-6
  10. ^ クハE126-6
  11. ^ クモハE127-7
  12. ^ クハE126-7
  13. ^ クモハE127-8
  14. ^ クハE126-8
  15. ^ クモハE127-9
  16. ^ クハE126-9
  17. ^ クモハE127-10
  18. ^ クハE126-10
  19. ^ クモハE127-11
  20. ^ クハE126-11

出典

[編集]
  1. ^ a b 『土崎工場90年のあゆみ 1908-1998』JR東日本秋田支社土崎工場。 
  2. ^ a b 編集部「5月のメモ帳」『鉄道ピクトリアル』第45巻第8号(通巻第609号)、電気車研究会、1995年8月1日、117頁、ISSN 0040-4047 
  3. ^ a b c d e f g 『鉄道ファン』通巻454号 p.53
  4. ^ a b c 『鉄道ジャーナル』第33巻第2号、鉄道ジャーナル社、1999年2月、95頁。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『鉄道ファン』通巻410号 p.67
  6. ^ a b c d e f g h i j 東日本旅客鉄道(株)E127系電車用電機品」『東洋電機技報』第93号、東洋電機製造、1995年11月、10頁、doi:10.11501/3248117 
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n 鉄道ジャーナル』第344号、86-89頁。 
  8. ^ JR東日本:車両図鑑>在来線 E127系”. 2015年1月18日閲覧。
  9. ^ a b 『レイル・マガジン』第141号、ネコ・パブリッシング、59頁。  表題では近郊形、本文では一般形と記載。
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JR東日本

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えちごトキめき鉄道

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参考文献

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  • 編集部「JRグループ 車両のデータ・バンク95/96」『鉄道ファン』第36巻第7号(通巻423号)、交友社、1996年7月1日、pp.79-89。 
  • 東日本旅客鉄道運輸車両部車両課「特集:近郊形電車進化論」『鉄道ファン』第38巻第1号(通巻441号)、交友社、1998年8月1日、pp.9-53。 
  • 菅谷誠「新車ガイド1:JR東日本 E127系100番台」『鉄道ファン』第39巻第2号(通巻454号)、交友社、1999年2月1日、pp.50-53,巻末形式図。 
  • 編集部「JRグループ 車両のデータ・バンク98/99」『鉄道ファン』第39巻第7号(通巻459号)、交友社、1999年7月1日、pp.70-89。 
  • 編集部「JR東日本 車両のうごき(2023年5月分)」『鉄道ファン』第63巻第9号(通巻749号)、交友社、2023年9月1日、p.150。 
  • 編集部「JR東日本 車両のうごき(2023年8月分)」『鉄道ファン』第63巻第12号(通巻752号)、交友社、2023年12月1日、p.156。 
  • 鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)No.344(1995年6月) 「JR東日本E127系」
  • 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141「E127系直流近郊形電車」
  • ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』 2023夏、交通新聞社、2023年5月18日。ISBN 978-4-330-02423-3 

関連項目

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外部リンク

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