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CIE Luv色空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CIE LUV色空間から転送)

CIE 1976 (L*, u*, v*) 色空間 (シーアイイー 1976 エルスターユースターブイスターいろくうかん) 、通称CIE Luv色空間 (シーアイイー・エルユーブイいろくうかん) あるいはCIELUV (シーアイイー・エルユーブイ) は、国際照明委員会 (CIE) が1976年に採択した色空間である。CIE 1931 XYZ色空間をより簡単に計算できるよう変換を行い、色差の均等性を目指して定義されている。ディスプレイのように発色する光を扱うコンピュータグラフィクスのような様々な分野において応用されている。光の加法混色はCIELUVの均等色度図 (CIE 1976 UCSと呼ばれる) 上の直線と一致する。一般には認知されていないが、輝度がそれぞれ異なる色同士の加法混色による混色は、CIELUV上の直線とは一致しない。

歴史的背景

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sRGBの色域(左) D65光源下の観測可能な色域 (右) がCIELUV色空間にプロットされている。 uv は水平方向軸に、L は垂直方向軸に表現される。

CIELUVは、アダムス色価色空間の一部であり、CIE 1964 (U*, V*, W*) 色空間 (CIEUVW)のアップデートされたものと捉えることができる。差異は、輝度尺度における僅かな変更と、CIE 1960 色空間で定義されたv値を1.5倍したv'座標をもつ、均等色差の色度図である。CIELUVとCIELABは、どちらかの意見を一致させた色空間を定義することなく、CIEにより2つ同時に採択された。

CIELUVはジャッド方式の白色点適用方式を用いている (CIELABでは、フォン・クリース変換の「誤った」方式) 。[1] これにより、単一光源下では利便性の高い結果を生み出すが、色相適応に用いる場合には仮想色 (スペクトル軌跡の外側) の存在を想定したものとなる。[2] CIELUVにおいて用いられる適応変換の推移は、対応する色の推定において良い結果を示さない。[3]

XYZ→CIELUVとCIELUV→XYZの変換

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典型的な画像データにおいて、u* v*の取りうる値の範囲は±100となる。 従って、 0 ≤ L* ≤ 100となる。

正方向の変換

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CIELUVはCIEUVWを基礎にして、色差の知覚的均等性を表現することを試みている。 L*, u* v*非線形的関係性を以下に示す:[4]

un および vn の値は、"与えられた白色オブジェクト"、すなわち白色点の座標における色度であり、Yn は輝度である。物体による光反射を観測する場合において、これはしばしば (いつもとは限らない) 光源下における完全拡散反射の (u′, v′) と定義される。例えば、2°標準観測者における標準の光Cの条件下では、un = 0.2009, vn = 0.4610となる。u′ および v′ に関する等式は下記の通り与えられる:[5][6]

逆方向の変換

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(u′, v′) 色度図。CIE 1976 UCS (uniform chromaticity scale) 色度図とも呼ばれる。

CIELUV から XYZ への変換は下記のように行われる:

円筒座標系による表現 (CIELCH)

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sRGBの色域(左) D65光源下の観測可能な色域 (右)がCIELCHuv色空間にプロットされている。 L は垂直方向軸、C は円筒の放射方向、 h は円周角方向。

CIELUV の円筒座標系で表現されたものをCIE LChuv (または CIE HLCuv) とよび、C*uv をクロマhuv を色相とすると:

ここでatan2は2つの引数を取る逆正接 (アークタンジェント)であり、デカルト座標系から極座標系の角度を求めるために用いられる。

さらに、彩度の相関は下記で定義される:

CIELABにおいて、同様の相関はクロマおよび色相には存在するが、彩度には存在しない。詳細は彩度の項を参照のこと。

色差と色相差

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色差は (L*, u*, v*) 座標のユークリッド距離で求められる。[6] すなわち、CIEUVWと同じく、 の距離が、ΔL* = 1の輝度の違いのおける同じΔE*uv に対応する。

CIELCHにおいても同様にユークリッド距離に基づく計算が可能であり、ΔE*uv の各々の成分が色相における差 ΔH* = C*1C*2 2 sin (Δh/2), ここで、 Δh = h2h1となる。

脚注

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出典

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  1. ^ Judd, Deane B. (January 1940). “Hue saturation and lightness of surface colors with chromatic illumination”. JOSA 30 (1): 2–32. doi:10.1364/JOSA.30.000002. http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=josa-30-1-2. 
  2. ^ Mark D Fairchild, Color Appearance Models. Reading, MA: Addison-Wesley, 1998.
  3. ^ D. H. Alman, R. S. Berns, G. D. Snyder, and W. A. Larson, "Performance testing of color difference metrics using a color-tolerance dataset." Color Research and Application, 21:174-188 (1989).
  4. ^ Schanda, János (2007). Colorimetry: Understanding the CIE System. Wiley Interscience. pp. 61–64. ISBN 978-0-470-04904-4. "As 24/116 is not a simple ratio, in some publications the 6/29 ratio is used, in others the approximate value of 0.008856 (used in earlier editions of CIE 15). Similarly some authors prefer to use instead of 841/108 the expression (1/3)×(29/6)2 or the approximate value of 7.787, or instead of 16/116 the ratio 4/29." 
  5. ^ Colorimetry, second edition: CIE publication 15.2. Vienna: Bureau Central CIE, 1986.
  6. ^ a b Poynton, Charles (2003). Digital Video and HDTV. Morgan-Kaufmann. pp. 226. ISBN 1-55860-792-7 

関連項目

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外部リンク

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