AN/APG-67
種別 | パルスドップラー・レーダー |
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目的 | 火器管制 |
開発・運用史 | |
開発国 | アメリカ合衆国 |
就役年 | 1983年 |
送信機 | |
周波数 | Xバンド(9.5-9.7GHz) |
送信尖頭電力 | 396 kW |
アンテナ | |
形式 | プレーナアレイ・アンテナ |
素子 | スロットアンテナ |
直径・寸法 | 49.5cm×12cm |
ビーム幅 | 横4.9度、縦7.1度 |
探知性能 | |
探知距離 |
148 km (最大) 75 km (ルックアップ; RCS 5 m2) 54 km (ルックダウン; RCS 5 m2) |
その他諸元 | |
重量 | 73 kg |
体積 | 0.054m3 |
AN/APG-67は、アメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック社が開発したレーダー。主として戦闘機の火器管制レーダー(FCR)として使用される。
概要
[編集]本機は元来、ノースロップ(現ノースロップ・グラマン)社が輸出用に開発したF-20戦闘機に搭載するために開発された。F-20の鋭くとがったレドームに収容できるよう、きわめてコンパクトに設計されている。この特性から、本機は様々な航空機に適合化することができ、このおかげで、本来搭載されるべきF-20の開発計画が頓挫したのちも、市場で競争力を保つことができた。F-20用に開発された当初のモデルでは、アンテナは49.5cm×12cmであり、システム全体の重量は73kgとされたが、搭載する機体によってアンテナの大きさは変更できる。また、整備性を高めるために列線交換ユニットが導入されており、3つのユニットを含んでいる。
レーダー方式は、コヒーレント・パルス・ドップラー・レーダーと呼ばれる方式である。パルス繰り返し周波数(PRF)は、高・中・低の3つに分かれており、マッピングや対空戦闘時には低PRFを、ルックダウンや空対空のサーチ/トラッキングのときには中PRFを、空対空のベロシティ・サーチのときには高PRFを使用する。
動作モードには、空対空捜索、目標追尾、空対空戦闘、グランド・マッピングおよび高解像マッピング、空対地距離測定などがある。捜索中追尾(TWS)能力を有しており、10個の目標を同時に追尾でき、最大探知距離は80nm(148km)、戦闘機サイズの目標(5m2)に対してはルックアップで40nm(75km)、ルックダウンで29nm(54km)と言われている。また、連続波パルス照射に対応していることから、AIM-7 スパローやAIM-120 AMRAAMのような中射程空対空ミサイルの運用も可能である。
AN/APG-67の信頼性は極めて高く、MTBFは350時間である。また、電源を入れてから90秒で完全な動作を実現するとされている。
搭載機
[編集]参考文献
[編集]参考文献
[編集]- Lockheed Martin Maritime Systems and Sensors. “APG-67 Multimode Radar - The capabilities necessary for modern air combat” (PDF) (英語). 2010年3月28日閲覧。
- 立花正照『ジェット戦闘機入門』光人社、1999年。ISBN 4-7698-2238-3。