81号型特務艇
81号型特務艇 | |
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基本情報 | |
種別 | 特務艇 (ASU) |
運用者 | 海上自衛隊 |
就役期間 | 1968年 - 2002年 |
次級 | ひうち型 (多用途支援艦) |
要目 | |
基準排水量 |
480トン (81号) 490トン (82~84号) 500トン (85号) |
満載排水量 | 575トン |
全長 | 51.5 m |
最大幅 | 10.0 m |
深さ | 5.2 m |
吃水 | 2.5 m (85号では2.6 m) |
主機 |
赤坂UHS27/42 ディーゼルエンジン × 2基 |
推進器 | スクリュープロペラ × 2軸 |
出力 | 1,600馬力 |
速力 | 14.5ノット |
航続距離 | 2,500海里 (12kt巡航時) |
乗員 |
35名(81~83号)、25名(84号) 26名(85号)+便乗者14名 |
レーダー | OPS-10 航海用 |
81号型特務艇(英語: ASU-81 class target support crafts)は、海上自衛隊が運用していた特務艇の艦級。昭和42年度計画から昭和47年度計画にかけて5隻が建造された。当初は支援船(特務雑船)として就役したが、外洋での行動が多く、また救難活動に備えて待機義務があることから、1977年4月18日、種別変更により自衛艦籍(特務艇)となった[1][2]。訓練標的の曳航や訓練弾の回収などに活躍し、2002年10月に最後の艇が除籍された。除籍艇のうち1隻は、海上自衛隊第1術科学校の岸壁に係留され、船舶型訓練機材として利用されている。
設計
[編集]船体は、中型掃海艇(MSC)と同様の船首楼型・角型船型とされており、外見上も煙突の有無を除いてよく似ているが、これは設計担当者が同じであったためといわれている[3]。設計はJG鋼船規則に準拠しており、また艤装品の大部分は一般舶用品であった[1]。主機関としては、赤阪鐵工所の直列3気筒機関であるUHS27/42中速ディーゼルエンジンが採用された[4]。
艦中部にはデリックを設けており、力量2トンのブーム2本を備えている。後甲板には、これによって回収したHSS-2ヘリコプター1機を搭載できるようになっていた。ただしヘリコプターの回収は現実的ではなく、最終艇である85号では力量2トンの油圧クレーンに変更された[1]。また82・83号はKD2R-5低速標的機の運用能力を備えており(6機搭載可能)、対空射撃訓練の支援が可能とされた[2]。また艦隊訓練海域までの標的の曳航も行っており、陸岸曳引力は12.3トンである[3]。
レーダーとしてはOPS-10を搭載したが、84号はOPS-29、85号はOPS-19とされた[5]。艦橋構造物上には放水銃2基が設置されている。搭載艇としては、6メートル・カッターを煙突脇の右舷に搭載していた[2]。
同型艦
[編集]# | 艦名 | 建造所 | 起工 | 進水 | 竣工 | 所属 | 除籍 |
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ASU-81 (YAS-101) |
特務艇81号 | 佐世保重工業 | 1967年10月21日 | 1968年1月18日 | 1968年3月30日 | 鹿屋航空基地隊 →佐世保警備隊 |
1997年10月27日 |
ASU-82 (YAS-102) |
特務艇82号 | 1968年9月25日 | 1968年12月20日 | 1969年3月31日 | 八戸航空基地隊 →大湊警備隊 |
1998年8月14日 | |
ASU-83 (YAS-103) |
特務艇83号 | 1971年4月2日 | 1971年5月24日 | 1971年9月30日 | 館山航空基地隊 →横須賀警備隊 |
2001年6月15日 | |
ASU-84 (YAS-104) |
特務艇84号 | 臼杵鉄工所 | 1972年2月4日 | 1972年6月7日 | 1972年9月13日 | 由良基地分遣隊 →佐伯基地分遣隊 |
2001年9月14日 |
ASU-85 (YAS-105) |
特務艇85号 | 1973年2月20日 | 1973年7月16日 | 1973年9月19日 | 父島基地分遣隊 | 2002年10月30日 |
参考文献
[編集]- ^ a b c 「海上自衛隊全艦艇史」『世界の艦船』第630号、海人社、2004年8月、126頁、NAID 40006330308。
- ^ a b c 森恒英「14. 試験艦、特務艦艇と支援船」『続 艦船メカニズム図鑑』グランプリ出版、1991年、330-335頁。ISBN 978-4876871131。
- ^ a b 戸田孝昭「海上自衛隊支援船のあゆみ (特集・海上自衛隊艦艇史)」『世界の艦船』第445号、海人社、1992年1月、158-167頁。
- ^ 阿部安雄「機関 (自衛艦の技術的特徴)」『世界の艦船』第630号、海人社、2004年8月、238-245頁、NAID 40006330308。
- ^ Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. p. 318. ISBN 978-0870212505