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4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物
識別情報
CAS登録番号 1107-00-2
PubChem 70677
ChemSpider 63843
UNII N2GA6JCU7H チェック
EC番号 214-170-0
特性
化学式 C19H6F6O6
モル質量 444.24 g mol−1
危険性
GHSピクトグラム 腐食性物質急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H314, H335
Pフレーズ P260, P261, P264, P271, P280, P301+330+331, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310, P312, P321, P363, P403+233
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物英語: 4,4'-(hexafluoro isopropylidene)diphthalic anhydride, 6FDA)は、芳香族有機フッ素化合物で、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸の二無水物である。

合成

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6FDAの原料はヘキサフルオロアセトンo-キシレンである。フッ化水素を触媒として、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(o-キシレン)とする。これを過マンガン酸カリウムで酸化し、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸とする。脱水すると二無水物の6FDAとなる。[1]

応用

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6FDAはフッ素化ポリイミド合成の際のモノマーとして使われる。これらは6FDAと、3,5-ジアミノ安息香酸または4,4'-ジアミノジフェニルスルフィドのような芳香族ジアミンとの重合で合成される[2]。このようなフッ素化ポリイミドは、ガス透過性ポリマー膜の製造[3]、マイクロエレクトロニクスや光学の分野ではポリマー製光学レンズ、OLEDs、高性能CMOS-コンタクトイメージセンサー(CISs)などの特殊用途に使われる。

これらのポリイミドは一般的な有機溶媒に溶けるため、製造や加工が容易である。吸水率が非常に低いため、特殊な光学用途に特に適している。

出典

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  1. ^ U.S. Patent 3310573, "Diaryl fluoro compounds" van 21 maart 1967 aan Du Pont
  2. ^ Mrsevic, Miroslav; Düsselberg, David; Staudt, Claudia (2012-05-25). “Synthesis and characterization of a novel carboxyl group containing (co)polyimide with sulfur in the polymer backbone” (英語). Beilstein Journal of Organic Chemistry 8 (1): 776–786. doi:10.3762/bjoc.8.88. ISSN 1860-5397. PMC 3388866. PMID 23015826. https://www.beilstein-journals.org/bjoc/articles/8/88. 
  3. ^ Kawakami, Hiroyoshi; Mikawa, Masato; Takagi, Jun; Nagaoka, Shoji (January 1996). “Gas transfer and blood compatibility of fluorinated polyimide membranes” (英語). Journal of Biomaterials Science, Polymer Edition 7 (12): 1029–1038. doi:10.1163/156856296X00525. ISSN 0920-5063. PMID 8880435. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1163/156856296X00525.