ヘキサフルオロアセトン
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ヘキサフルオロアセトン | |
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1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オン | |
別称 ペルフルオロアセトン 六フッ化アセトン ペルフルオロ-2-プロパノン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 684-16-2 |
RTECS番号 | UC2450000 |
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特性 | |
化学式 | C3F6O |
モル質量 | 166.02 g/mol |
外観 | 無色気体 |
密度 | 1.32 g/ml, 液体 |
融点 |
−129 °C (144 K) |
沸点 |
−28 °C (245 K) |
水への溶解度 | 水と反応する |
危険性 | |
主な危険性 | 毒性 (T) 腐食性 (C) |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R14, R23/24/25, R34, R60, R63 |
Sフレーズ | S7/9, S26, S28, S36, S45, S53 |
引火点 | N/A |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヘキサフルオロアセトン (hexafluoroacetone) は分子式 C3F6O で表される有機フッ素化合物である。IUPAC名は 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オン 1,1,1,3,3,3-hexafluoropropan-2-one。ペルフルオロアセトン (perfluoroacetone) とも呼ばれる。アセトンの水素原子をすべてフッ素原子で置換した構造を持つ。反応性はアセトンと大きく異なる。無色の気体で、吸湿性があり、不燃性である。特徴的な悪臭を持つ。水和物の形で市販される。
合成
[編集]ヘキサフルオロプロペンから2段階で製造される。まずフッ化カリウム KF を触媒としてヘキサフルオロプロペンと単体硫黄を反応させ 1,3-ジチエット とし、次にヨウ素酸塩でこれを酸化してヘキサフルオロアセトン を得る[1]。
反応
[編集]求電子剤として高い反応性を示し、水溶液中では 1,1-ジオール型の水和物を形成する。
平衡定数はおよそ 106 であり、アセトンの同様な反応に対し 109 倍、上式の平衡が右に偏る[2]。ヘキサフルオロアセトン水和物の水素原子は酸性度が高く、ほとんどの金属と反応して水素 H2 を発生する。アルカリとは激しく反応する。
アンモニア NH3 と反応させると付加物 を与え、これを塩化ホスホリルで脱水するとイミン が得られる[3]。
出典
[編集]- ^ Van Der Puy, M.; Anello, L. G. (1985). "Hexafluoroacetone". Organic Syntheses (英語). 63: 154.; Collective Volume, vol. 7, p. 251
- ^ Lemal, D. M. (2004). “Perspective on Fluorocarbon Chemistry”. J. Org. Chem. 69: 1–11. doi:10.1021/jo0302556. PMID 14703372.
- ^ Middleton, W. J.; Carlson, H. D. (1970). "Hexafluoroacetoneimine". Organic Syntheses (英語). 50: 81.; Collective Volume, vol. 6, p. 664