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1985年の読売ジャイアンツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1985年の読売ジャイアンツ
成績
セントラル・リーグ3位
61勝60敗9分 勝率.504[1]
本拠地
都市 東京都文京区
球場 後楽園球場
球団組織
オーナー 正力亨
経営母体 読売新聞社
監督 王貞治
« 1984
1986 »

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1985年の読売ジャイアンツ(1985ねんのよみうりジャイアンツ)では、1985年の読売ジャイアンツの動向をまとめる。

この年の読売ジャイアンツは、王貞治監督の2年目のシーズンである。

概要

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この年の巨人は開幕2戦目対大洋戦(後楽園球場)で山倉和博が故障して離脱し、5月1日対阪神戦(後楽園)で復帰するまで正捕手不在の序盤となった。開幕3戦目、4月16日の対阪神戦(甲子園球場)で4回裏に遊撃手河埜和正佐野仙好の何でもないショートフライを落球すると、この試合の先発だった加藤初が阪神打線につかまり逆転負け、さらに翌日も槙原寛己ランディ・バース掛布雅之岡田彰布バックスクリーン3連発を喫し、勢いのついた阪神にスタートダッシュを許した。河埜は落球の影響で大不振に陥り、岡崎郁石渡茂に遊撃手のポジションを奪われる機会が増えた。それでも打撃陣の好調に支えられて5月に貯金10を重ねて阪神に追いつき、シーズン中盤まで阪神・広島と首位争いを繰り広げるが、槙原がバースの打球を股間に当てて戦線離脱するアクシデント。8月後半には一時首位に立ったが、9月に入ると江川卓西本聖の先発の両柱が打ち込まれる日が多くなり急失速、9月8日の大洋戦(後楽園)では前年に金銭トレードで放出した平田薫に満塁本塁打を打たれ自力優勝が消滅[2]。8月終了時に13あった貯金を1まで減らしたものの、大洋の追撃を紙一重でかわしてシーズンを3位で終えた。このシーズンは先発と救援を兼任したプロ3年目の斎藤雅樹の台頭こそあったものの、江川・西本の2本柱が調子悪くまた投手陣のアクシデントが続いた年であった。オフには定岡正二が個人の事情により近鉄へのトレードを拒否して任意引退した(「近鉄の定岡で終わるより、巨人軍の定岡で終わりたかった」と本人談)。定岡引退を受け、巨人球団は改めて淡口憲治外野手と山岡勝投手とのトレードで近鉄から有田修三捕手を獲得した。打撃陣はこの年も好調でチーム打率.279とリーグ2位、得点も616点でリーグ2位と阪神、広島とは大差がなかったが盗塁数がリーグ4位だった。この年は4位大洋に10勝13敗3分、5位中日に12勝11敗3分と苦戦を強いられた。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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開幕オーダー[3]
1 松本匡史
2 篠塚利夫
3 クロマティ
4 原辰徳
5 中畑清
6 吉村禎章
7 河埜和正
8 山倉和博
9 西本聖
1985年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時[4] 5月終了時[5] 6月終了時[6] 7月終了時[7] 8月終了時[8] 9月終了時[9] 最終成績[10]
1位 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 広島 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 --
2位 大洋 1.5 巨人 0.5 広島 0.5 阪神 2.0 巨人 0.5 広島 7.5 広島 7.0
3位 中日 2.0 広島 4.0 巨人 2.5 巨人 3.0 広島 1.0 巨人 8.0 巨人 12.0
4位 広島 2.5 中日 大洋 5.0 大洋 9.5 中日 9.5 中日 13.5 大洋 14.5
5位 巨人 4.5 大洋 4.5 中日 10.5 中日 11.0 大洋 11.0 大洋 15.0 中日 15.0
6位 ヤクルト 7.5 ヤクルト 11.0 ヤクルト 14.5 ヤクルト 19.5 ヤクルト 20.0 ヤクルト 22.0 ヤクルト 26.5
期間
成績
5勝8敗
勝率.385
16勝6敗3分
勝率.727
8勝9敗2分
勝率.471
10勝7敗
勝率.588
13勝9敗3分
勝率.591
6勝13敗
勝率.316
3勝8敗1分
勝率.273


1985年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 阪神タイガース 74 49 7 .602 優勝
2位 広島東洋カープ 68 57 5 .544 7.0
3位 読売ジャイアンツ 61 60 9 .504 12.0
4位 横浜大洋ホエールズ 57 61 12 .483 14.5
5位 中日ドラゴンズ 56 61 13 .479 15.0
6位 ヤクルトスワローズ 46 74 10 .383 26.5

[1]

個人成績

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主な投手成績

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  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/西本聖 33 26 8 2 1 10 8 2 717 169.2 184 26 44 1 66 0 1 91 76 4.03 1.34
/江川卓 30 26 3 1 0 11 7 0 735 167.0 188 34 56 3 117 1 0 102 98 5.28 1.46
/斎藤雅樹 41 20 5 4 1 12 8 7 626 155.0 125 14 53 3 124 0 2 59 51 2.96 1.15
/カムストック 21 21 5 1 0 8 8 0 552 124.2 120 21 76 0 87 1 0 69 58 4.19 1.57
/加藤初 30 21 0 0 0 4 8 3 515 123.1 104 17 52 4 89 1 0 53 47 3.43 1.27
/槙原寛己 14 13 5 1 0 4 7 0 406 92.1 94 10 46 1 57 3 1 43 41 4.00 1.52
/鹿取義隆 60 0 0 0 0 4 5 4 350 84.1 74 11 30 3 75 0 1 33 33 3.52 1.23
/定岡正二 47 0 0 0 0 4 3 2 307 74.1 66 7 25 1 41 1 0 37 32 3.87 1.22
/宮本和知 38 0 0 0 0 2 2 0 190 46.0 33 4 24 0 50 2 0 16 14 2.74 1.24
/角三男 42 0 0 0 0 1 2 5 186 42.1 37 6 24 2 40 0 1 22 22 4.68 1.44
/橋本敬司 17 3 0 0 0 1 2 0 146 32.0 29 3 22 0 27 0 0 18 18 5.06 1.59
/金城基泰 17 0 0 0 0 0 0 0 91 20.1 17 4 14 0 16 0 0 12 11 4.87 1.53
/中島浩人 6 0 0 0 0 0 0 0 33 8.0 6 1 2 0 7 0 0 4 3 3.38 1.00
/岡本光 6 0 0 0 0 0 0 1 28 6.2 6 2 2 0 7 1 0 3 3 4.05 1.20
/香田勲男 1 0 0 0 0 0 0 0 4 1.0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0.00 1.00

打撃成績

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  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
まつもと/松本匡史 130 588 523 97 158 26 1 5 201 37 32 12 9 1 54 0 1 83 3 .302 .368 .384 .752
しのつか/篠塚利夫 122 538 466 57 143 21 1 8 190 54 6 2 26 1 42 1 3 45 6 .307 .367 .408 .775
なかはた/中畑清 125 526 490 71 144 32 2 18 234 62 7 3 2 3 30 1 1 39 11 .294 .334 .478 .812
くろまてい/クロマティ 119 524 482 77 149 34 1 32 281 112 4 2 0 8 33 1 1 51 18 .309 .349 .583 .932
はら/原辰徳 124 521 441 79 125 23 2 34 254 94 7 3 2 8 60 2 10 42 6 .283 .376 .576 .952
よしむら/吉村禎章 120 418 344 57 113 19 1 16 182 56 8 6 4 6 59 3 5 36 4 .328 .428 .529 .957
やまくら/山倉和博 109 418 363 41 99 15 0 13 153 41 3 0 12 3 40 2 0 54 12 .273 .342 .421 .764
おかさき/岡崎郁 96 236 198 27 53 11 0 4 76 19 2 0 4 3 30 7 1 29 5 .268 .362 .384 .746
こまた/駒田徳広 92 172 151 13 38 7 1 3 56 20 1 1 2 2 15 3 2 24 4 .252 .324 .371 .694
こうのかすまさ/河埜和正 52 133 115 15 29 3 0 6 50 15 1 2 3 0 14 2 1 18 4 .252 .338 .435 .773
いしわた/石渡茂 66 130 102 9 23 1 0 2 30 9 0 0 5 3 19 3 1 19 5 .225 .344 .294 .638
やまもとまさお/山本雅夫 50 92 85 9 28 5 1 4 47 11 1 0 1 0 6 1 0 17 1 .329 .374 .553 .927
あわくち/淡口憲治 69 90 77 7 16 2 0 1 21 8 0 2 1 3 9 2 0 12 4 .208 .281 .273 .554
やまもとこうし/山本幸二 41 72 66 6 16 2 0 2 24 7 1 0 3 0 3 0 0 13 3 .242 .275 .364 .639
えかわ/江川卓 32 71 56 5 15 3 0 1 21 5 0 0 10 0 5 0 0 24 0 .268 .328 .375 .703
にむら/仁村薫 72 69 63 10 15 0 0 3 24 9 1 0 2 0 3 0 1 8 1 .238 .284 .381 .665
にしもと/西本聖 35 63 56 3 5 2 0 0 7 4 0 0 7 0 0 0 0 23 1 .089 .089 .125 .214
さいとう/斎藤雅樹 41 54 45 5 7 3 0 1 13 3 0 0 4 1 4 0 0 18 1 .156 .220 .289 .509
かむすとく/カムストック 21 46 40 2 7 1 0 0 8 6 0 0 5 0 0 0 1 16 2 .175 .195 .200 .395
まきはら/槙原寛己 15 36 30 5 5 1 0 1 9 3 0 0 2 0 3 0 1 13 0 .167 .265 .300 .565
かとう/加藤初 32 35 29 1 2 0 0 0 2 0 0 0 4 0 2 0 0 14 0 .069 .129 .069 .198
こうのしゆん/鴻野淳基 35 28 25 8 6 0 1 1 11 3 3 3 1 0 2 0 0 12 0 .240 .296 .440 .736
かわい/川相昌弘 35 27 23 1 5 4 0 0 9 3 0 0 2 0 1 0 1 4 0 .217 .280 .391 .671
ささもと/笹本信二 20 20 18 3 3 2 0 1 8 2 0 0 1 0 1 0 0 3 0 .167 .211 .444 .655
いしい/石井雅博 25 17 15 2 4 0 0 0 4 1 0 0 0 0 2 0 0 7 0 .267 .353 .267 .620
さの/佐野元国 6 16 13 1 3 0 0 1 6 3 0 0 1 0 2 0 0 7 0 .231 .333 .462 .795
かとり/鹿取義隆 61 13 12 1 2 0 0 0 2 1 0 0 1 0 0 0 0 3 0 .167 .167 .167 .333
うえた/上田和明 13 12 11 2 2 0 0 0 2 0 1 0 0 0 1 0 0 1 1 .182 .250 .182 .432
いのうえ/井上真二 7 12 11 0 3 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 1 4 0 .273 .333 .273 .606
みやもと/宮本和知 38 8 8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .000 .000 .000 .000
さだおか/定岡正二 48 7 7 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .143 .143 .143 .286
すみ/角三男 42 5 5 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .200 .200 .200 .400
/はしもと橋本敬司 17 5 5 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .200 .200 .200 .400
やまもとかつや/山本勝哉 5 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 .000 .200 .000 .200
きんしよう/金城基泰 18 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1985

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 王貞治
投手 江川卓 6
捕手 山倉和博 5
内野手 篠塚利夫 4
原辰徳 5
中畑清 5
外野手 クロマティ
松本匡史 5
  • 太字はファン投票による選出、他は監督推薦による選出。

できごと

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7月

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  • 7月13日 - 前日の対阪神戦の6回からの3イニングと、この日の阪神の初回から4回にかけて7イニング連続本塁打[11]

9月

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  • 9月8日 - 後楽園球場で行われた対大洋22回戦で、代打平田薫に満塁本塁打を喫するなど、2対8で完敗、この時点で自力優勝が消滅。怒った外野スタンドの観客がグラウンドに流れ出て暴れるアクシデント。

10月

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  • 10月24日 - 後楽園球場で行われた対阪神26回戦(シーズン最終戦)で、王貞治がもつ「シーズン本塁打55本」の日本記録(当時)を狙うランディ・バース選手に対し5打席中4四球(残る1打席は安打)とほぼ勝負を避け、物議を醸す。

11月

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12月

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選手・スタッフ

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[13][14]

  • 背番号変更

表彰選手

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西本聖(投手、7年連続7度目)
中畑清(一塁手、4年連続4度目)

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 桑田真澄 投手 PL学園高 入団
2位 広田浩章 投手 NTT中国 入団
3位 渡辺政仁 投手 北陽高 入団
4位 本原正治 投手 広陵高 入団
5位 福王昭仁 内野手 明治大学 入団
6位 杉浦守 外野手 愛知工業大学名電高 入団

出典

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  1. ^ a b 年度別成績 1985年 セントラル・リーグ”. 日本野球機構. 2015年7月9日閲覧。
  2. ^ 【9月8日】1985年(昭60) “左殺し”平田薫、執念の満塁弾で巨人自力V消滅 スポーツニッポン 2007年9月8日
  3. ^ 『読売新聞』1985年4月14日付朝刊、14版、17面
  4. ^ 『読売新聞』1985年4月30日付朝刊、14版、17面
  5. ^ 『読売新聞』1985年6月1日付朝刊、14版、17面
  6. ^ 『読売新聞』1985年6月30日付朝刊、14版、17面
  7. ^ 『読売新聞』1985年8月1日付朝刊、14版、17面
  8. ^ 『読売新聞』1985年9月1日付朝刊、14版、17面
  9. ^ 『読売新聞』1985年10月1日付朝刊、14版、17面
  10. ^ 中川 (2019), p. 97.
  11. ^ 講談社刊 宇佐美徹也著「日本プロ野球記録大鑑」435ページ
  12. ^ 日付は公示日。ベースボール・マガジン社刊「ライオンズ60年史―獅子の記憶ー「西鉄」から「埼玉西武」まで」117ページ
  13. ^ 読売巨人軍公式HP 背番号変遷”. 読売ジャイアンツ. 2015年10月5日閲覧。
  14. ^ 『日本プロ野球80年史 1934-2014』 【記録編】、ベースボール・マガジン社、2014年12月24日。ISBN 978-4-583-10668-7