1976年ポルトガル議会選挙
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1976年ポルトガル議会選挙(1976ねんぽるとがるぎかいせんきょ、ポルトガル語:Eleições legislativas portuguesas de 1976)は、ポルトガル共和国の立法府である共和国議会(Assembleia da República)を構成する議員を選出するため、ポルトガル共和国新憲法の施行日である1976年4月25日に行われた選挙である。
選挙の概要
[編集]前年4月に行われた制憲議会選挙を経て発足した制憲議会で1976年4月2日に採択された新憲法に基づいて行われた初の共和国議会選挙で、14政党が参加して行われた。
- 議会定数:263議席
- 選挙制度[1]:比例代表制(拘束名簿式)
- 有権者は政党に投票
- 選挙区毎にドント式で各政党に比例配分
- 議席阻止条項は無し
- 選挙区[2]:22選挙区(2~48名)
- 有権者:選挙権と被選挙権は共に18歳以上のポルトガル国民
選挙結果
[編集]- 投票日:1976年4月25日
- 有権者数:6,564,667名
政党及び政党連合 | 得票数 | 得票率[3] | 議席数 |
---|---|---|---|
社会党 PS | 1,912,921 | 34,89 | 107 |
人民民主党 PPD | 1,335,381 | 24,35 | 73 |
民主社会中道党 CDS | 876,007 | 15,98 | 42 |
統一人民同盟 APU[4] | 788,830 | 14,39 | 40 |
人民民主同盟 UDP[5] | 91,690 | 1,67 | 1 |
その他の政党及び政党連合 | 220,936 | 4.03 | 0 |
全政党の合計 | 5,225,765 | 263 | |
白票 | 0.00 | ||
無効票 | 257,696 | 1.71 | |
全政党合計+白票+無効票 | 5,483,461 |
- 投票率:83.53%
- 出典
制憲議会選挙で第一党となった中道左派のPSが引き続き第一党となった。しかし得票率と議席は制憲選挙の時より後退させる結果となり、旧サラザール派で中道右派のCDSが前回よりも得票と議席を増やして躍進した。議会選挙から2ヶ月後の6月27日には大統領選挙が行われ、PSに推されたアントニオ・エアネスがPPDとCDSの支持も受けて勝利し、ポルトガル第三共和政における初代大統領に就任した。そして大統領となったエアネスは7月16日にPSのマリオ・ソアレス書記長を首相に任命、同月23日にPS單獨の少数与党内閣が発足した。
脚注
[編集]- ^ 国立国会図書館政治議会課憲法室 三輪和宏 「諸外国の下院の選挙制度-資料-」(PDF)国立国会図書館
- ^ 『ポルトガルの地方自治』(PDF)自治体国際化協会。4~5頁
- ^ 各政党の得票率は有効得票と白票・無効票を合計したものを100として計算したものである。
- ^ ポルトガル共産党(PCP)と人民民主運動などの政党連合。
- ^ 新左翼諸政党による政党連合。
出典
[編集]- CNE Comissao Nacional de Eleicoes(国民選挙委員会)
- CNE Resultados Elecitorais(国民選挙委員会選挙リサーチ)-ポルトガル第三共和政下で行われた国政と地方選挙の詳細な選挙結果が閲覧できる。
- 馬場康雄・平島健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック』東京大学出版会