黒部大橋
黒部大橋 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 富山県黒部市 - 下新川郡入善町 |
交差物件 | 黒部川 |
用途 | 道路橋 |
路線名 | 富山県道150号魚津入善線 |
管理者 | 富山県 |
施工者 | 宮地鐵工所 |
竣工 | 1958年(昭和34年) |
開通 | 1958年(昭和34年)5月31日 |
座標 | 北緯36度54分0.5秒 東経137度28分10.4秒 / 北緯36.900139度 東経137.469556度 |
構造諸元 | |
形式 | ワーレントラス橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 570.8 m |
幅 | 7.3 m |
最大支間長 | 62.5 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
黒部大橋(くろべおおはし)は、富山県黒部市と下新川郡入善町の黒部川に架かる富山県道150号魚津入善線のトラス橋である。
本項では、前身の橋にあたる黒部川橋および桜井橋についても説明する。
概要
[編集]- 左岸:富山県下新川郡入善町上飯野[1]
- 右岸:富山県黒部市沓掛[1]
- 路線名:富山県道150号魚津入善線
- 橋長:570.8 m[1][2]
- 幅員:7.3 m[1]
- 形式:単純鋼曲弦ワーレントラス橋9連[3][2]
- 支間長:62.5 m[2]
- 総事業費:508,500,000円[4]
歴史
[編集]江戸時代に参勤交代で三日市から下街道を通行する際は、黒部川に仮設の舟橋(40 - 60艘)を架けていた[5]。
1885年(明治18年)10月、京都西本願寺法王の巡遊を機に、河中に仮杭を立てて神通川の舟橋に使用されていた鉄鎖で仮抗を繋いで板を並べただけの吊り橋(橋長442 m、幅員6 m)を架橋した[6][1][7]。1887年(明治20年)1月には下新川郡三日市町の有志が西半分はこの吊り橋を使い、東半分は板橋を新設した賃取橋(橋長694.5 m、幅員3.6 m)が架橋、『桜枝橋』(『桜井橋』)と命名し10年間使用された[1][6][8][9]。
1895年(明治28年)、近郷の町村長らを中心に「黒部川架橋」を県に願い出た[10]。
1898年(明治31年)1月、県が長さ374間4丈(約682 m)、幅14尺(2間2尺、約4 m)の木橋の架橋を計画、4月30日に『黒部川橋』として竣工した[11]。当時は県内最長の木橋であった[10]。その後も相次ぐ洪水被害で通行止めになることが多かった[1][12]。
1934年(昭和9年)の大洪水により橋脚が露出するほどの流失被害を受けたのをきっかけに、1935年(昭和10年) - 1937年(昭和12年)、旧黒部川橋の15 m上流に長さ699.3 m、幅員4.5 mの木橋『桜井橋』(『黒部橋』)を架橋[1][6]。この橋の工事で、前述の吊り橋架橋時に使用されていたと伝えられる鉄鎖が発掘された[3][13][14]。
現在の橋『黒部大橋』は、桜井橋の上流約200 m(右岸側)、約350 m(左岸側)[15]にて1953年(昭和28年)11月1日に工事着手[4]し、1954年(昭和29年)1月23日に建設省直営工事として着工[16]、1958年(昭和33年)4月20日竣工[15]、同年4月24日に入善町上飯野地内で完成式を執り行い[16]、同年5月31日に国道8号の橋として開通した。全長570.8 m、幅員7.3 mの単純鋼曲弦ワーレントラス橋9連の永久橋であった[1][2][6][10]。下路桁は桁長31.4 mのプレテンションPC桁である[2]。
2016年(平成28年)4月1日には、入善黒部バイパスが国道8号の本線になったことに伴い、現在の県道の橋となった[17]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i 『角川日本地名大辞典 16 富山県』(昭和54年10月8日、角川書店発行)326ページ
- ^ a b c d e “黒部大橋1958-5-31”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ a b c 大布施村誌(1985年7月25日、大布施振興会発行)356ページ。
- ^ a b 『富山工事事務所六十年史』(1996年2月、建設省北陸地方建設局富山工事事務所編集・発行)483頁。
- ^ 大布施村誌(1985年7月25日、大布施振興会発行)341ページ。
- ^ a b c d FR16:川を渡る橋・富山県(2019年9月30日閲覧)
- ^ “黒部橋(後・桜井橋)”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ 大布施村誌(1985年7月25日、大布施振興会発行)334ページ
- ^ “桜枝橋(桜井橋,黒部橋 現・黒部大橋)”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ a b c 『図説 魚津・黒部・下新川の歴史』(2000年6月28日、郷土出版社発行)168 - 169ページより。
- ^ “黒部橋(旧・桜枝橋,後・桜井橋)”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ 大布施村誌(1985年7月25日、大布施振興会発行)355ページ。
- ^ “桜井橋(後・黒部大橋)”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ “黒部橋”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2020年9月2日閲覧。
- ^ a b 『黒部市史 歴史民俗編』(1992年3月25日、黒部市発行)904、905頁。
- ^ a b 『荻生の郷』(2019年3月22日、「荻生の郷」編さん委員会発行)326頁より。
- ^ “4月1日より国道8号の一部区間の路線名等が変わります” (PDF). 国土交通省富山河川国道事務所 (2016年3月30日). 2019年9月23日閲覧。