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テツカエデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鉄樹から転送)
テツカエデ
福島県会津地方 2009年6月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: ムクロジ目 Sapindales
: ムクロジ科 Sapindaceae
: カエデ属 Acer
: テツカエデ A. nipponicum
学名
広義: Acer nipponicum H.Hara (1938)[1]
和名
テツカエデ(鉄楓)
下位分類群

亜種・変種

テツカエデ(鉄楓[6]学名: Acer nipponicum)はムクロジ科[注 1]カエデ属落葉小高木ないし落葉高木。同じ株に両性花と雄花が出る雄性同株、ときに両性花の株と雄花の株が別にある雄性異株。

分布と生育環境

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日本固有種本州岩手県秋田県以南、四国および九州に分布し、寒冷な山地の沢沿いから山地中腹に生育する[6]。珍しいカエデで、雪が多い地方に生える[6]

特徴

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落葉広葉樹小高木から高木[6]。樹高は10メートル (m) から18 mに達する。冬芽の鱗片は2対ある。今年には褐色の毛が密生するが、後に落ちる。

は長さ2 - 11センチメートル (cm) の葉柄をもって対生する。葉身は5角形で、長さ6 - 15 cm、幅5 - 16 cm、浅く3 - 5裂し、裂片の先端は尾状、基部は浅心形から切形になり、葉縁には細かく鋭い重鋸歯がある。葉の表面は無毛で葉脈は窪み、裏面の脈腋と脈上に赤褐色の縮毛が生え、ときに裏面全面に短毛が密生する。葉はウリハダカエデによく似るが、葉がより大きく、葉柄は長くて上面に溝はない[6]。秋には黄色に紅葉し、次第にくすんで茶色になる[6]

花期は6 - 8月。長さ10 - 20 cmの円柱形の花序を有花枝の先端から下垂させる。花は花序に400 - 1000個つき、黄緑色になる。花弁萼片は5個、雄蕊は8個ある。子房には赤褐色の短毛が密生し、2分する花柱は鉤状に外曲する。果期は8 - 10月。果実翼果で2個の分果からなり、分果の長さは2.5 - 3.5 cmになる。

下位分類

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  • ナンゴクテツカエデ Acer nipponicum H.Hara subsp. nipponicum var. australe T.Yamaz. 基準産地-徳島県剣山
  • コウシンテツカエデ Acer nipponicum H.Hara subsp. orientale T.Yamaz. var. koshinense T.Yamaz. 基準産地-長野県飯田市池口岳
  • キタノテツカエデ Acer nipponicum H.Hara subsp. orientale T.Yamaz. var. orientale T.Yamaz. 基準産地-新潟県飯豊山

脚注

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注釈

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  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではムクロジ科(Sapindaceae)に分類されるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではカエデ科(Aceraceae)に分類されている[1]

出典

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer nipponicum H.Hara テツカエデ(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月28日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer nipponicum H.Hara subsp. nipponicum var. australe T.Yamaz. ナンゴクテツカエデ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月28日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer nipponicum H.Hara subsp. orientale T.Yamaz. var. koshinense T.Yamaz. コウシンテツカエデ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月28日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer nipponicum H.Hara subsp. orientale T.Yamaz. var. orientale T.Yamaz. キタノテツカエデ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月28日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer nipponicum H.Hara subsp. nipponicum var. nipponicum サイゴクテツカエデ(狭義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月28日閲覧。
  6. ^ a b c d e f 林将之 2008, p. 51.

参考文献

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  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本Ⅱ』平凡社、1989年。
  • 茂木透、石井英美ほか『樹に咲く花(離弁花2) 山渓ハンディ図鑑4』山と渓谷社、2000年。

関連項目

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